訴え提起前の和解

Question 1

訴え提起前の和解の意義

Answer 1

①　訴訟係属を前提としない、簡易裁判所の専属管轄に属する裁判上の和解。
②　訴えを提起するのではなく、簡易裁判所に和解のみを申し立てて紛争の調整を図る手続。
③　訴え提起前の和解は簡易裁判所の専属管轄に属するが、請求金額は無関係である。
※　実務上、即決和解と呼ばれる

Question 2

和解の申立て

Answer 2

①　請求の趣旨
②　請求の原因
③　争いの実情
を表示して、相手方の普通裁判所の所在地を管轄する簡易裁判所に申立てを行う（275条1項）。

Question 3

和解が調わない場合

Answer 3

①　和解が調わない場合において、和解の期日に出頭した当事者双方の申立てがあるときは、裁判所は、直ちに訴訟の弁論を命じ、訴訟手続に移行する。
②　この場合、和解の申立てをした時に訴えを提起したものとみなされる（275条2項）。
③　当事者の一方が期日に欠席したときは、和解が調わないものとみなすことができる（275条3項）。

Question 4

和解の成立

Answer 4

①　和解が成立すると、これを調書に記載する（規169条）。

②　調書の記載は、確定判決と同一の効力を有する（267条）。

Question 5

適用除外

Answer 5

訴え提起前の和解には、書面受諾和解、裁定和解の適用はない（275条4項）。