⑧ゲノミクス、進化 Flashcards
偽遺伝子とは?
不活性化され、機能を消失した遺伝子コピー
女性において片方のX染色体は不活性かを受けるが、そのときに重要な役割を果たすのは?
Xist
DNAのメチル化が生じる部位は?
CpGのC
DNAのメチル化パターンやヒストン修飾のパターンは( )のたびごとに正確に再現されるが、原則として個体から個体に遺伝はしない。
体細胞分裂
*メチル化消去が不完全なことはある。
*ミトコンドリアDNAは母から子には継承されるが、父から子には継承されない。
姉妹染色分体の接着に主に働くのは何?
コヒーシン
コヒーシンが( )によって分解されると姉妹染色分体は分かれて移動することが可能になる。
セパラーゼ
染色体の凝集に働くタンパク質は?
コンデンシン
Hox遺伝子群はゲノム上に( )を形成する。
この遺伝子群は、脊椎動物、脊椎動物の進化の過程で重複が起こり、その結果、複数のそれを形成するようになった。
クラスター
*ナメクジウオはゲノム上にHox遺伝子群を1クラスターだけもつ。
Hox遺伝子群は体の分節化に関わる重要な遺伝子郡で、
脊椎動物では遺伝子重複によって( )セット存在する。
4
X染色体とY染色体とは減数分裂の際に追贈するため、
( )を形成する可能性がある。
キアズマ(chiasma)
*減数分裂の前期後半から中期にかけて、相同染色体が互いに接着する際の数か所の接着点のうち、染色体の交換が起こった部位。X 字形を示す。
雄の三毛猫はヒトの( )症候群に相応するヌクレオソーム以上をもつ。
クラインフェルター(XXY)
クロマチンをほどくと、幅( )nmの「糸に通したビーズ」のような構造が観察される。
この構造は( )といい、ヌクレアソームコア粒子は( )と呼ばれるヒストンから成る。
ヌクレオソーム
コアヒストン
コアヒストンはヒストンの( 、 、 、 )から成り、ここにDNAが巻き付つく、
H2A
H2B
H3
H4
コアヒストンに巻きつかなかったDNAは( )と呼ばれ、
リンカーヒストンである( )に結合する。
リンカーDNA
H1
DNA複製の際に働く主なDNAポリメラーゼは?
DNAポリメラーゼα
DNAポリメラーゼγ
DNAポリメラーゼε
ラギング鎖複製における岡崎フラグメントの合成に働くDNAポリメラーゼは?
DNAポリメラーゼα
DNAポリメラーゼγ
リーディング鎖複製の際に働くDNAポリメラーゼは?
DNAポリメラーゼγ
DNAポリメラーゼε
ゲノムの複製は染色体の( )から端前胃、
2つの複製フォークの合流点で停止する
複製開始点
ラギング鎖では、短いRNAが( )として働きそこからDNA合成が始まる。
プライマー
複製時の二重らせんのねじれの解消は( )が担う。
DNAトポイソメラーゼ
DNA断片を結合する際には、
DNA断片の( )末端がリン酸化されている。
5
常染色体状に存在するあるメンデル遺伝様式を示す遺伝子の対立遺伝子(アレル)は8つある時、その遺伝子型は何種類?
ホモ:8種類
ヘテロ:8C2=28種類
→合計:36種類
1本の染色体上で、遺伝子群の対立遺伝子(Allele)がどのような組み合わせになっているかを何という?
haplotype
ヒトのMHCは?
HLA
*2つのハプロタイプ
正常個体間の遺伝的違いを何という?
多型性(polymorphism)
1塩基の違いによる多型を何という?
SNPs (スニップ)
(Single Nucleotide Polymorphism)
*正常ヒト個体間で比較するとヒトゲノムの塩基配列の 99.9%は 同一であるという。逆に言うと0.1%くらいは塩基配列が異なるわけである。
正常個体間にも、(突然変異というほどではない程度の)遺伝的相違が、頻繁にみられる。
このような、正常個体間の遺伝的相違を( )という。
多型 (polymorphism)
*これは遺伝子レベル、タンパク質レベル、 形 質 レベルのどれにでも使用される用語である。ある形質について多型が認めマレルことを多型性がある(polymorphic)という。
SNPは疾患感受性や薬物への反応性と関連していることが指摘され、現代医学の重要な研究テーマの1つである。
例えば、薬物代謝に関わる酵素群である( )の遺伝子に はSNPが多いことが知られている。
シトクロムP450
*シトクロムP450のSNPは全般的な薬物感受性を決めているが、 特定の薬物で副作用が出やすいか/出にくいか、効果が期待できるか/できないか、などに関連するSNPが判明すれば、テーラーメード医療が可能になる。
その治療薬をその患者に使用した場合の効果や副作用を予測し、個体の遺伝的特性に合わせた医療のことを何という?
テーラーメード医療
( )はかつては遺伝病とされていたが、現在では男性の7%程度に見られる頻度の高いものであるため、
疾患とはみなさず、多型の1つとみなすのが普通である。
赤緑色覚異常
SNPより規模の大きい多型とは?
コピー数多型
(copy-number variants)
*この場合、遺伝子産物の量が異なることになるため、遺伝的個体差が発現することになる。また、染色体上で重複した遺伝子を継承する場合もあり、この場合の遺伝子コピー数は3以上になることがあり得る。
塩基置換は生存に有利とか不利とかとは無関係に、ランダムに起きる有機 化学反応である。つまり変異はランダムなプロセスであるとしたのは誰?
木村資生
*種々の動物の種を超えて保存されているタンパク質をコ ードする遺伝子の塩基置換の速度を検討した結果、その速度はそれまで考えられていたよりもはるかに大きいと判明した。
中立説とは?
DNAの塩基置換は一定の速度で常に起こって、 それが偶然の結果として集団に固定することが進化の原動力である。 変異のうち生存に不利なものは淘汰(トウタ)されて次世代に継承されないし、 生存に有利な変異というのは起こる確率が低い。 よって、次世代に継承されて固定する変異の大多数は、生存について有利でも不利でもない中立的なものである。
生存に有利な形質が選択されて次世代で優勢になることを進化の原動力と考え、
中立的な変異というものは実際上あり得ないと考えたのは誰?
Danwin
*種の起源
生存に必須な遺伝子の機能的に重要な塩基配列には変異が起こりにくく、重要な塩基配列は保存されるとする中立説を支持する具体例を3つ
ヘモグロビン
シトクロムc
インスリン
生存に必須でない塩基配列に起きた変異を考え、淘汰されることなく、集団に広まって固定する可能性があるとする中立説を支持する例は?
細胞内寄生細菌
例)リケッチア、クロミジア
*細胞内寄生細菌にとって独立生活に必要な遺伝子は不要であるので、そのような遺伝子に起こった変異は中立的であり、偽遺伝子化してゆ く。
一般に、塩基置換は( )(プリン塩基⇆ピリミジン塩基の置換)より、
( )(プリン塩基同士Orピリミジン塩基同士の置換)が起こりやすい。
トランスバージョン:プリン塩基⇆ピリミジン塩基
トランジション:プリン塩基同士Orピリミジン塩基同士の置換
*トランジションでは、 G→AとC→Tが起こりやすい
ゆえに変異の蓄積した遺伝子では AT含量が増加する傾向があり(AT圧)、 A‐T間の結合はG‐C間のそれよりも物理化学的に弱いから、AT含量が高くな った塩基塩基はDNA分子から脱落しやすくなる。
変異の蓄積した遺伝子はなぜDNA分子から脱落しやすくなる?
一般に変異の蓄積した遺伝子では、トランジションの影響でAT含量が増加している。
AT間の結合はGC間の結合と比較して物理か学的に弱いため脱落しやすくなる。
ある生物集団を構成する個体数が大きく減少すると、遺伝的浮動の影響が大きくなり、
次世代で遺伝子頻度が大きく変動することを何という?
ボトルネック効果
例)南米原住民血液型にO型が多い。
遺伝子の重複が起きる仕組みを2つ。
①減数分裂の際の交叉(真核生物のみ)
②レトロトランスポゾンによる逆転写
遺伝子が重複した後に変異が起きて、
2つの新しい遺伝子の塩基配列の相違が徐々に増す。
こうした変異によって2つの遺伝子のうち1つを不活性化する塩基配列の変異が起きて、
機能を失った遺伝子が形成されるがそれを何という?
偽遺伝子 (pseudogene)
*ヒトの嗅覚<視覚
霊長類以外の哺乳類や原猿類では、
X染色体上:
常染色体上:
ヒトや類人猿では、
X染色体上:
常染色体上:
霊長類以外の哺乳類や原猿類では、
X染色体上:赤オプシン
常染色体:青オプシン
ヒトや類人猿では、
X染色体上:赤オプシン、緑オプシン
常染色体:青オプシン
霊長類以外の哺乳類の多くはビタミン C合成酵素( )を持つが、
原猿類以外の霊長類ではこの酵素の遺伝子は偽遺伝子化している。
グロノラクトン酸化酵素
現生人類の種名は( )であるが、
進化の過程でホモ属からは多くの種が分岐し、
現生人類以外は絶滅したと考えられている。
Homo sapiens (Italic)
現生人類につながるホモ属は、250万年ほど前から肉食を開始した。これは何を可能にした?
脳の増大
*肉は木の実などよりも柔らかいので、歯が縮小し、ミオシンの変異が起きたため、咀嚼筋が退化、咬筋が薄くなったために頭蓋骨の増大が可能になり、脳容積が増大した。
なぜ霊長類はビタミンCをネコのように合成できないのか?
霊長類は草食動物であり、果実などからビタミン C(アスコルビン酸)を摂取することが可能であったか ら。
大腸菌の多くはヒトに病原性がないが、
中にはヒトに病原性を示す菌株もあり、
( )と総称されている。
病原性大腸菌
*サルモネラ菌は食中毒の代表的な起因菌であるが、サルモネラ菌の中にはチフスを起こす菌株もあり、これをチフス菌という。
O157が出す毒素は?
ベロ毒素
プラスミドとは?
原核生物に存在するゲノム外の環状DNA。
プラスミドの変異速度はゲノムより大きい理由は?
プラスミドはゲノムと異なり生存に必須の遺伝子を含むことがまれだから。
*つまり、ゲノムに変異が起きたら重要な遺伝子を含んでいるから影響があるが、プラスミドに変異があってもあまり影響なく増殖するため。
標準的な塩基のことを一般に何という?
コンセンサス
母細胞から娘細胞への遺伝ではなく、
個体間や他生物間においておこる遺伝子の組み込みのことを何という?
水平転移
ゲノムのデータより作成した系統樹と
プラスミドのデータより作成した系統樹で
相違が生じた場合、何が原因であると考えられる?
ファージを介する形質導入などで、
水平転移により生成したと考えられる。
リンパ球は基本的 に( )でつくりだされるが、
その表面にはクローンごとに異なる特異性を持った抗原受容体が発現している。
中枢リンパ球
MHCを発現していない細胞を破壊するのは?
NK細胞
*リンパ球にはNK細胞とNKT細胞どちらもある。NKT細胞は脂質を抗原としている。
抗体の多様性は主に3種類のセグメントを遺伝子再構成によって組み換えることで生み出される。
その3種類とは?
V (variable)
D (Diversity)
J (Joining)
抗体を産生するにあたって、
組み換えを行う酵素複合体の中で特に重要なのがリンパ球に特異的に発現する( )で、
各セグメントに隣接して存在する( )配列を特異的に認識し、
RSSのすぐ隣でDNA2本鎖を切断する。
RAGタンパク質(RAG1/RAG2の2量体)
RSS
*Recombination Activating Gene
*Recombination Signal Sequence
適応免疫という名称の由来は、
抗原と遭遇することによって、
免疫システムに適応的な変化が生じることによるが、それはどのような変化?
特定のリンパ球クローンの増殖と記憶細胞の残存
*このような変化は抗原との遭遇によって後天的に獲得されたものであるので、獲得免疫ともいう。
白血球を5種類
好中球 好酸球 好塩基球 単球 リンパ球
リンパ球を4種類
T細胞
B細胞
NK細胞
NKT細胞
NK細胞はリンパ球の1種である。
NK細胞の活性はクラス( )で抑制される。
I
*だから、NK細胞が自己の細胞を殺傷することはない。
がん細胞の中にはクラスIの発現が減弱しているものがある。
このような細胞は( )細胞の標的となり、殺傷される。
NK
*NK細胞は「クラス Iのないこと」をもって異常細胞を認識して殺傷する細胞である。
NK細胞はクラスIの有無を認識するだけではなく、
( )受容体を持ち、それを認識して細胞を殺傷することもできる。
そのメカニズムを何という?
Fc
抗体依存性細胞傷害 antibody‐dependent ceII‐modiated cytotoxicity(ADCC)
*ウイルス感染細胞などに抗体が結合していると、抗体のFcを認識して細胞を殺傷する。
NK細胞以外にもFc受 容体を持っていて、ADCC活性を示す細胞は?
マクロファージ
NKT細胞は最近認識された細胞で、
細菌などに感染した細胞は、表面のCDlという分子にある種の( )抗原を結合していることがあるが、NKT細胞はこれを認識して殺傷する。
脂質
CTLやマクロファージの活性化を担うヘルパーT細胞は?
TH1
*細胞性免疫
IgEの合成に働き、寄生虫に対して作用するヘルパーT細胞は?
TH2
好中球を活性化することで自然免疫系に作用するヘルパーT細胞は?
TH17
血液中にある抗原はどこでリンパ球に提示される?
脾臓
皮膚と粘膜とを比較すると粘膜の方が弱い。
そこで、粘膜の下にはリンパ組織が集まっているがそれのことを何という?
粘膜関連リンパ組織
*虫垂炎
貪食細胞の細胞膜やエンドソーム膜には、
動物細胞には普通は存在しない分子パターンを認識する受容体が存在するが、その名称は?
パターン認識受容体
複数のパターン認識受容体が存在するが、
主力となるのは何?
Toll様受容体
ToII‐like receptor
ヒトの中枢(一次)リンパ組織を2つ
骨髄
胸腺
ヒトの末梢(二次)リンパ組織を3つ
リンパ節
脾臓
粘膜関連リンパ組織
TCRとIgの種類はどれくらいある?
〜10^7
*by遺伝子再構成
パターン認識受容体にはToll様受容体のほか、
3つあるがそれらは?
①RIG様受容体RIG-like receptor(RLR)
②NOD様受容体 NOD-like receptor(NLR)
③C型レクチン受容体 C-type lectin receptor (cLR)
パターン認識受容体のうち、エンドソーム膜上に存在するTRL9はどのようにしてウイルスなどを認識している?
メチル化の低いDNAを認識している。
by審良先生
*真核生物のゲノムは高度にメチル化されているのに対して、原核生物やウイルスのゲノムはあまりメチル化されていない。
顎類と有顎類の適応免疫のように、進化的に離れた生物種が類似した形質を独立 に獲得する現象を何と呼ぶか。
収斂(シュウレン)進化
DNAトランスポゾンとは何か、
「トランスポザーゼ」という語を用いて説明せよ。
ゲノム上を転移できるDNA配列で、
自らがコードするトランスポザーゼによりDNA配 列の切り出しと挿入を行う。
補体系の担う機能を2つ
①抗原をオプソニン化する。
②膜侵襲複合体により細菌を殺傷する。
③食細胞の化学走性 を促す。