第1章 原理・研究法 Flashcards

1
Q

精神物理学

A

精神物理学とは,フェヒナーによって創始された精神と身体の関係性を数式的に明らかにしようとした学問のことである。主に弁別閾に関する研究が中心であった。スティーブンスの開発したマグニチュード推定法など,感覚の強さなどを数値化して測定する方法や,測定結果を科学的に分析して法則を証明する方法は,心という目に見えない存在をデータ化して科学的に分析する現代心理学の基礎を築いたものであり,精神物理学が果たした貢献は大きい。

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2
Q

要素主義

A

要素主義とは,意識を分析対象としたヴントの心理学のことである。ヴントによれば,意識は純粋感覚と単純感情に分解可能で,それらの結合の法則を明らかにすることで,意識内容を説明できると考えた。そのために,内観法を用いて第三者の意識内容の報告を集め,それを客観的データとして分析を行った。要素主義に対する批判は様々あるが,客観的データから心や意識を分析するという心理学の基礎を作ったという点で,その貢献は大きい。

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3
Q

行動主義

A

行動主義とは,観察可能な行動のみを分析対象と考えたワトソンによる心理学派である。ワトソンは刺激と反応の関係を明らかにしようとし,実体がなく測定困難な意識の存在は徹底的に排除した。このことから,行動主義は意識なき心理学とよばれることもある。またワトソンは,環境からの刺激を適切に条件づけることで,あらゆる行動を獲得できるという極端な環境主義の発達観をもっていたことでも知られている。

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4
Q

ゲシュタルト心理学

A

ゲシュタルト心理学は,ウェルトハイマーによって創始された心理学派である。離散的な刺激の変化がなめらかな連続的運動に知覚されるという,仮現運動の研究が代表的である。この仮現運動は要素の集合という考え方で説明できないため,ウェルトハイマーは要素主義を批判し,全体が要素の総和以上の意味をもつことを強調した。ゲシュタルト心理学は,思考·欲求·社会行動など様々な分野にわたり,現代心理学に大きな影響を与えている。

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5
Q

精神分析学

A

精神分析学とは,人間の行動の多くが意識よりも無意識によって決定されるとして,無意識の重要性を強調したフロイトによる心理学派である。フロイトはヒステリー行動の原因を,無意識下に抑圧された心的外傷体験と考え,自由連想法などによる意識化を行うことで治療を目指した。精神分析は客観性や再現性の問題など,科学としての心理学という観点からは批判が多いが,臨床心理学の基礎理論を作つたという意味での貢献は非常に大きい。

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6
Q

母集団と標本

A

研究対象とする対象集団全体を指して母集団といい,その母集団の推測のために抽出された母集団の一部を指して標本という。母集団の性質を偏り無くもつように標本抽出することが重要で,無作為抽出とよばれている。無作為抽出が実現されないと,母集団と標本の性質が異なるため,標本から母集団を推測することが困難となる。よって標本抽出にあたっては,可能な限り標本の大きさを大きくするなど,無作為抽出が実現されるよう努力することが求められる。

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7
Q

実験群と統制群

A

実験において,独立変数の操作が加えられた群のことを実験群といい,独立変数以外の要因はすべて統制された群のことを統制群という。独立変数以外の要因が統制されていなければ,従属変数の変化に独立変数以外の要因が影響することになり,独立変数と従属変数の因果関係を述べることができなくなる。そのため,統制群は独立変数以外の要因,特に従属変数の変化に影響を与えるであろう要因を,優先して統制しておく必要がある。

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8
Q

縦断研究と横断研究

A

縦断研究とは,同一個人や同一集団を継続的に追跡調査することで,その発達的変化や一貫性を検討する手法である。ただし,時間的なコストが非常に大きく,また多くの対象を追跡することが困難であるためデータ数が少なく,一般化が困難である。異なる年齢集団を一度に調査する横断研究ならば上記のような問題はクリアできるが,それぞれの年齢集団のコーホートが異なるため,縦断研究のような同一個人の発達的変化や一貫性を述べることができない。

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9
Q

信頼性

A

信頼性とはデータの安定性·一貫性のことで,誤差の少なさと言い換えることもできる。再テスト法,平行テスト法,折半法といった様々な検討方法があるが,現在最も用いられているのは,内的整合性を検討する方法である。内的整合性が高ければ,テストが等質な項目で構成されているため誤差が少ない,つまり信頼性が高いとみなすことができる。代表的な内的整合性の指標としては,クロンバックのa係数が挙げられ,多くの心理学研究で用いられている。

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10
Q

妥当性

A

妥当性とは測定目的としている心理的特性をどれくらい的確に測定しているかを表す概念であり,データの安定性や誤差の少なさを知ろうとする信頼性と区別される。妥当性には複数の視点があり,代表的なものに,測定概念を網羅できているかを示す内容的妥当性,関連が予想される外的基準との関連を確認する基準関連妥当性,測定したい構成概念を適切に測定できているかを示す構成概念妥当性が挙げられる。

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