第6章 統計・測定・評価 Flashcards
尺度水準
尺度水準とは,測定された数の意味や性質に沿って,数を分類する基準のことで、以下の4つがある。1つめは絶対原点をもつ比尺度で,最も高次な統計的処理が可能である。2つめは絶対原点をもたないが等間隔性をもつ間隔尺度,3つめは等間隔性をもたないが,大小関係をもつ順序尺度,4つめは大小関係をもたない分類のみを表す名義尺度である。尺度水準が名義尺度に近づくほど統計的処理は困難となる。
標準化
平均値や標準偏差が異なれば,それぞれの数値のもつ意味は異なってくるため得点を単純比較することができない。そこで,平均値や標準偏差が異なるテータを比較可能な状態にするために,平均値が0,標準偏差が1になるように変換する。このような変換を,標準化という。各得点を標準化するには、(各得点-平均点) ÷標準偏差で求められる標準得点(z得点)を用いる。この標準得点ならば比較が可能である。
統計的仮説検定
統計的仮説検定とは,ある事柄が偶然か偶然ではないか,統計的に判断することである。まず,ある事柄は偶然であり,何ら差はないという帰無仮説と,ある事柄は偶然ではなく,何らかの差があるという対立仮説をそれぞれ設定する。その後,帰無仮説の状況下で対象の事柄が起こる確率を求める。その確率が,事前に設定した有意水準以下であれば帰無仮説は棄却。対立仮説が採択され,偶然ではないと判断される。
第1種·第2種の誤り
本来真である帰無仮説を棄却してしまう誤りを,第1種の誤りという。第1種の誤りを犯す確率は有意水準と等しい。有意水準が高いほど帰無仮説を棄却しやすくなる反面,第1種の誤りを犯しやすくなる。また,本来偽である帰無仮説を葉却しない誤りを,第2種の誤りという。有意水準が低いほど帰無仮説を葉却できなくなり,第2種の誤りを犯しやすくなる。有意水準は高すぎても低すぎても誤りのリスクを高めるため,5%や1%に設定することが多い。
t検定と分散分析
t検定とは,2群の平均値の差が誤差か有意差か判定する統計的仮説検定のことである。2群の平均値の差が誤差であるという帰無仮説を立て,それを棄却することで,有意差を示す。だが,帰無仮説を棄却できない場合は,誤差か有意差か判断できない。3群以上の場合は分散分析を行う。分散分析は帰無仮説を棄却しただけでは,有意差の数と場所が特定されていないため,それらを特定するための多重比較も必要となる。
主効果と交互作用
2つの要因を組み合わせた研究計画を要因計画という。この要因計画において。ある要因の効果がもう片方の要因によって異なるという結果が現れた場合。それを交互作用と表現する。これは1つの要因が,もう片方の要因の影響とは関係なく,単独で効果をもたらす主効果と区別される。要因計画を実施する場合。主効果だけでは2つの要因を組み合わせている意味がないため,この交互作用を目指して仮説を立て,検証していく。