簿記1級(商簿 スタディング) Flashcards
(37 cards)
全体像
<前半①> 1章 総論 2章 損益会計 3章 資産会計 4章 税効果会計 5章 外貨換算会計 <前半②> 6章 固定資産の減損会計 7章 リース取引 8章 研究開発費等 9章 負債会計 10章 純資産会計等 11章 会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正
<後半①> 12章 金融商品会計(現金、デリバティブ、ヘッジ) 13章 本支店会計 14章 連結会計 ⑴ 14章 連結会計 ⑵ 15章 持分法会計 <後半②> 16章 包括利益の表示 17章 ストック・オプション 18章 退職給付会計 19章 資産除去債務 20章 企業結合 21章 事業分離等 22章 キャッシュ・フロー会計 23章 四半期財務諸表、セグメント情報 24章 1株当たり情報 25章 収益認識 26章 工事契約
【2.一般商品売買】
<設問>原価率
・当社の当期商品仕入高を算定しなさい。
・当期の売上高は100,000円である。原価率は毎期80%に設定。
・期首商品棚卸高は8,000円、期末商品棚卸高は10,000円。棚卸減耗等は生じていない。
・売上100,000円×原価率80%=80,000円…売上原価
・売上原価80,000円+期末商品棚卸高10,000円-期首商品棚卸高8,000=当期商品仕入高82,000円…(答え)
(注意)「利益率」「原価率」の計算については、基準を売価にする考え方と、原価にする考え方で、大きく2種類ある。通常は「売価を1」とするが、そうでない場合は説明書きがある。
他勘定振替高とは
・本来は販売する目的で保有していた商品を、別の用途に使うこと。例えば、広告宣伝目的で費消したり、顧客に見本品として提供など。
・この場合、『売上原価』ではなく、広告宣伝目的であれば『広告宣伝費』に、見本品であれば『見本品費』として処理。
<仕訳>他勘定振替高
期中に、広告宣伝目的で、商品を1,000円使用した。
広告宣伝費 1,000 / 仕入 1,000
<仕訳>分記法
1.仕入先より、商品82,000円を掛けにより仕入れた。
2.得意先へ、商品100,000円(原価は80,000円)を掛けにより売上げた。
3.(決算)期首商品棚卸高は8,000円、期末商品棚卸高は10,000円。
1. 商品 82,000 / 買掛金 82,000 2. 売掛金 100,000 / 商品 82,000 / 商品販売益 18,000 3. (仕訳なし)
(参考)分記法は、『商品』『商品販売益』を使って記録する方法。商品残高を容易に把握できる利点があるものの、売上げの度に「商品販売益」を計算しなければならず、毎日何度も取引がある場合には向かない。
<仕訳>総記法
1.仕入先より、商品82,000円を掛けにより仕入れた。
2.得意先へ、商品100,000円(原価は80,000円)を掛けにより売上げた。
3.(決算)期首商品棚卸高は8,000円、期末商品棚卸高は10,000円。
1. 商品 82,000 / 買掛金 82,000 2. 売掛金 100,000 / 商品 100,000 3. 商品 18,000 / 商品販売益 18,000
(参考)総記法は、『商品』『商品販売益』を使って記録する方法。
商品を仕入れた時には原価で『商品』勘定の借方に記録し、売り上げた時に『商品』勘定の貸方に売価で記録。そして決算時において、『商品販売益』で利益を把握し、『商品』の期末残高を記録。
特殊商品売買(5つ)
①委託販売 ②未着品売買 ③試用販売 ④予約販売 ⑤割賦販売
(参考)「いつ、売上を認識するのか」が重要。これは、収益認識の問題です。収益認識は、従来、我が国において「実現主義」により行われてきましたが、2021年4月から「収益認識に関する会計基準」が適用。その影響により、「割賦販売の回収基準・回収期限到来基準」と「委託販売の仕切精算書到達日基準」という会計処理は不可に。
委託販売とは、また会計処理方法は
・委託販売とは、商品の販売を他社に任せる(委託する)形態の販売。
・「手許商品区分法」で処理(手許にない商品は別の勘定で処理し、手許商品と区別)。具体的には、販売の都度、売上原価を仕入に振り替える「その都度法」と、期末に一括して振り返る「期末一括法」がある。
<仕訳>手許商品区分法(期末一括法) 当社は、手許商品区分法(期末一括法)により会計処理。 (期中取引) 1.仕入先より、商品13,600円を掛けにより仕入れた。 2.委託販売のために、委託先A社へ原価3,600円の商品を積送した。 3.上記の積送品はすべて販売され、委託先より以下の仕切精算書が送付されてきた。 4.手取金5,500円が、当座預金に振り込まれた。 (決算) 5.決算となった。
1. 仕入 13,600 / 買掛金 13,600 2. 積送品 3,600 / 仕入 3,600 3. 積送売掛金 5,500 / 売上 6,000 積送諸掛り 500 / 4. 当座預金 5,500 / 積送売掛金 5,500 5, 仕入 3,600 / 積送品 3,600
(解説)「積送諸掛り」は、委託先への販売手数料。
<仕訳>手許商品区分法(その都度法) 当社は、手許商品区分法(その都度法)により会計処理。 (期中取引) 1.仕入先より、商品13,600円を掛けにより仕入れた。 2.委託販売のために、委託先A社へ原価3,600円の商品を積送した。 3.上記の積送品はすべて販売され、委託先より以下の仕切精算書が送付されてきた。 4.手取金5,500円が、当座預金に振り込まれた。 (決算) 5.決算となった。
1. 仕入 13,600 / 買掛金 13,600 2. 積送品 3,600 / 仕入 3,600 3. 積送売掛金 5,500 / 売上 6,000 積送諸掛り 500 / 仕入 3,600 / 積送品 3,600 4. 当座預金 5,500 / 積送売掛金 5,500 5, (仕訳なし)
(解説)「積送諸掛り」は、委託先への販売手数料。
・未着品売買とは、
・貨物代表証券の種類(2つ)
・処理の方法
・未着品売買とは、商品が届く前に、その商品を先に第三者に売る販売形態のこと。
・貨物代表証券は、陸上運送の場合は「貨物引換証」、海上運送の場合は「船荷証券」という。
・(委託販売と同じく、)「手許商品区分法」で処理。具体的には、「その都度法」と「期末一括法」がある。
当社は、手許商品区分法(期末一括法)により会計処理。
(期中取引)
1.遠隔地の仕入先より、貨物引換証13,600円を掛けにて取得した。
2.1.の貨物引換証のうち、3,600円を得意先に転売した。代金は掛けとし、売価は4,500円である。
3.1.の貨物引換証の残り10,000円の商品が到着したので、貨物引換証と引き換えて取得した。
(決算)
4.決算となった。
1. 未着品 13,600 / 買掛金 13,600 2. 売掛金 4,500 / 未着品売上 4,500 3. 仕入 10,000 / 未着品 10,000 4. 仕入 3,600 / 未着品 3,600 繰越商品 10,000 / 仕入 10,000
当社は、前期より未着品売買も行っており、手許商品区分法(期末一括法)により会計処理。
以下の[資料]より、(1)当期の売上原価(一般商品売買と未着品売買の売上原価の合計)、及び(2)期末未着品の金額を求めなさい。
[資 料Ⅰ] 決算整理前残高試算表 [資 料Ⅱ] 決算整理事項等 1.期首未着品 1,900円 2.期中に貨物代表証券と引き換えに商品の取得は行っていない。 3.未着品売価、一般商品売価、ともに原価率は80%。 4.期末手許商品 3,200円、期末未着品??円
(1)一般商品売買の売上原価14,000円+未着品売買の売上原価12,000円=26,000円
(2)未着品BOXの貸借差額から、14,000円-12,000円=2,000円
(解説)前T/Bの『未着品』14,000円は、期首未着品1,900円と当期貨物引換証取得高???(当期の未着品増加)の合計金額となる。仕入の場合、決算整理仕訳により期首・商品が仕入に振替えられるので、前TBの仕入は当期の仕入のみ。
試用品販売とは、処理方法は
・「お試しで使ってみてもらって、もし気に入ったらそのまま買ってください」という方法。
・買取の意思表示を受けた時点で収益認識の要件を満たしたと考え、『試用品売上』を計上。また、「気に入らなかったので、買いません」と意思表示を受けた時には、商品は返品。
・試用販売は、「対照勘定法」により処理。
<仕訳>試用品販売
当社は、試用販売も行っており、対照勘定法により会計処理。
(期中取引)
1.仕入先より、商品13,600円を掛けにより仕入れた。
2.試用販売の約束で、商品(原価3,600円、売価4,500円)の商品を試送した。
3.上記の試用品のすべてに、買取の意思表示があった。
1. 仕入 13,600 / 買掛金 13,600 2. 試用未収金 4,500 / 試用仮売上 4,500 3. 売掛金 4,500 / 試用売上 4,500 試用仮売上 4,500 / 試用未収金 4,500
<仕訳>試用品販売 当社は、前期から試用販売も行っており、対照勘定法により会計処理。 [資 料Ⅰ] 決算整理前残高試算表 [資 料Ⅱ] 決算整理事項等 1.期末手許商品 1,500円 2.期末試用品 ???円 3.当期の一般販売の原価率は80%、試用販売の原価率は75%である。 4.試用販売のうち、前期試送分はすべて買取の意思表示があり、その売価2,000円は前T/Bの試用品売上に含まれている。前期の試用販売の原価率は78%。
予約販売とは
・顧客から先に商品代金の全部または一部を受取り、その後、商品の引渡しを行う販売形態。
・予約販売では、代金を予約金として先に受け取るが、この時点では売上を計上しない。商品を引き渡した時点で、収益認識に関する要件が満たされたと考える。
<仕訳>予約販売
1.当社では「海の生き物全集」全5巻、50,000円の予約販売を行っている。顧客から、予約金30,000円を現金で受け取った。
2.1巻から2巻までが完成したので(売価20,000円)、顧客に引渡した。
3.残りの3巻~5巻が完成。顧客に引渡し、予約金を差し引いた残額を現金で受取った。
1. 現金 50,000 / 前受金 50,000 2. 前受金 20,000 / 売上 20,000 3. 前受金 10,000 / 売上 30,000 現金 20,000 /
【6.固定資産の減損】
固定資産の特徴
固定資産は、事業投資目的の事業資産。
減損の手順(3つ)
① 「兆候」の把握 ② 「認識」するかどうかの判定 → 割引前・将来キャッシュフロー ③ 減損損失の「測定」 → 帳簿価額を回収可能価額まで減額 → なお回収可能価額は、「使用価値」と「正味売却価額」のいずれか高い方
【7. リース会計】
リースの種類(2つ)
① ファイナンス・リース取引
→ ノンキャンセラブル(解約不能)、フルペイアウトのいずれも満たす。
→ 現在価値基準(額の90%以上)と経済的耐用年数基準(期間の75%以上)のいずれかを満たせば、フルペイアウト。
→ 売買取引
②オペレーティング・リース取引
→ ファイナンス・リース以外のリース
→ 賃貸取引