12. 免疫と生体防御 Flashcards
1
Q
感染した微生物やウイルスに由来するパターン
A
Pathogen-associated molecular patterns（PAMPs）
2
Q
Pathogen-associated molecular patterns（PAMPs） の例
A
リポ多糖（LPS）、フラジェリン、非メチル化DNA、二本鎖RNA（dsRNA）、ペプチドグリカン、ホルミル化ペプチド（fMet-Leu-Phe）など
3
Q
傷害された組織（細胞）に由来するパターン
A
Damage（or danger）-associated molecular patterns（DAMPs、Alarminsとも呼ばれる）
4
Q
Damage（or danger）-associated molecular patterns（DAMPs、Alarminsとも呼ばれる）の例
A
HMGB1, HSPs, S100タンパク質、ミトコンドリアDNA など
5
Q
パターン認識受容体の例
A
Toll様受容体（TLR）やC型レクチン受容体（CLR）など
6
Q
TLRファミリーとは
A
様々なリガンドを認識し、炎症性サイトカインの産生を促す
7
Q
C型レクチン受容体（CLR）
A
病原体表面に存在する糖鎖を認識する
貪食受容体としても機能
8
Q
炎症の四主徴
A
発赤・腫脹・発熱・疼痛
9
Q
炎症の五主徴目
A
機能障害
10
Q
ネクローシスとアポトーシスで炎症を誘起するもの
A
ネクローシス
11
Q
起炎性物質を認識する細胞
A
マクロファージ・マスト細胞・樹状細胞
12
Q
マクロファージ・マスト細胞の起炎性物質を認識したときの応答
A
炎症を引き起こすための物質（メディエーター）を生産。
13
Q
樹状細胞の起炎性物質を認識したときの応答
A
リンパ組織に移動し、獲得（適応）免疫を誘導する。（抗原提示）
14
Q
炎症性メディエーターの例3つ
A
サイトカイン
ケモカイン
ケミカルメディエーター
15
Q
サイトカインとは
A
細胞から放出され、種々の細胞間相互作用を媒介するタンパク質性因子
16
Q
ケモカインとは
A
白血球遊走に関与するサイトカイン
17
Q
ケミカルメディエーターとは
A
細胞から細胞への情報伝達に使用される化学物質
18
Q
ケミカルメディエーターの受容体
A
GPCR
19
Q
マクロファージが産生する重要なサイトカイン
A
IL-1, TNF-α, IL-6, IL-8, IL-12
まっくろ（6）なジュニ（12）ア（α）はい（1）や（8）
20
Q
IL-1の局所的効果
A
血管内皮活性化
リンパ球活性化
局所組織破壊
エフェクター細胞の侵入を容易にする
21
Q
IL-1の全身的効果
A
発熱、IL-6の産生
22
Q
TNF-αの局所的効果
A
血管内皮活性化
血管透過性亢進を誘導してIgG、補体や細胞を局所に集め、リンパ流量を増加
23
Q
TNF-αの全身的効果
A
発熱、代謝産物の動員、ショック
24
Q
IL-6の局所的効果
A
リンパ球活性化
抗体産生の増強
25
IL-6の全身的効果
発熱、急性期タンパクの誘導（肝臓）
26
IL-8の局所的効果
好中球、好塩基球、T細胞を感染部位に誘導する
27
IL-12の局所的効果
NK細胞の活性化
CD4 T細胞からTH1細胞への分化を促す
IFN-γ分泌を刺激する
28
内因性発熱物質
IFN-γ
29
炎症誘導性の転写因子
NF-κB
| TLRのシグナル伝達で活性化し、炎症関連遺伝子の転写促進
30
炎症の際の体温上昇のメカニズム
サイトカインが視床下部近くの血管内皮細胞に作用し、プロスタグランジンE2 （ PGE2 ）の合成を促進
| →PGE2が視床下部の体温調節中枢に作用して体温上昇
31
炎症の局所的な封じ込めに失敗した場合の症状
敗血症
・マクロファージからのTNF-αが全身的な血管拡張と血管透過性の増加し血圧低下
・播種性血管内凝固症候群による血液凝固タンパク質の大量消費（凝固不全）
32
IL-1、IL-6、TNF-αなどの炎症性サイトカインの大量放出
サイトカイン放出症候群（サイトカインストーム）
33
炎症で発赤する理由
血管径が広がることにより、血管壁面に沿った血流速が低下
| → 白血球が炎症部位近傍の血管内皮へ付着しやすくなる
34
炎症で腫脹する理由
血管透過性の亢進によって浮腫が生じる
| → 間隙の拡大により、白血球や液性因子（抗体や補体）が炎症部位へ移行しやすくなる
35
血管内皮細胞の接着因子（発現する順番）
Pセレクチン、Eセレクチン、インテグリン受容体（ICAM-1）
36
走化性因子の例
ケモカイン（IL-8など）、C5a（補体）、fMLP（ホルミル化ペプチド）、LTB4（ロイコトリエンB4）、PAF（血小板活性化因子）
37
貪食受容体の2種類
自然免疫系受容体（パターン認識受容体）
| オプソニン受容体
38
脂質メディエーターの特徴
局所で産生
GPCRを介して情報を伝える
すぐに不活性化される
39
アラキドン酸カスケード
・ホスホリパーゼA2の作用により、細胞膜のリン脂質からアラキドン酸が切り出される
| ・アラキドン酸から、シクロオキシゲナーゼ（COX)や5-リポキシゲナーゼ（5-LOX）の作用を介してプロスタグランジン類やロイコトリエン類が作られる
40
炎症によって発現誘導されるシクロオキシゲナーゼ
COX-2
41
炎症で重要なエイコサノイド
PGE2、LTB4、PGI2、TXA2
42
アラキドン酸が切り出された後のリン脂質
リゾリン脂質
43
リゾリン脂質から生じるもの
血小板活性化因子（PAF）
44
血小板活性化因子（PAF）の役割
・PAFも血管透過性の亢進や好中球の遊走などに関与
| ・血小板の凝集を引き起こすとともに、血小板からのメディエーター（TXA2、セロトニン、ヒスタミンなど）の放出を引き起こす
45
血漿滲出液の4つのタンパク質分解系（カスケード）
凝固系、線溶系、キニン系、補体系
46
凝固系、線溶系、キニン系の共通因子
XIIa因子
47
凝固系
局所的に血栓を形成することで感染をの拡大を防ぐ
48
線溶系
組織の再構成と再生
49
キニン系
強力な炎症性メディエーターかつ疼痛物質であるブラジキニンの産生
50
補体系
殺菌、貪食細胞の動員・活性化、炎症反応の誘起・拡大
51
血漿中のXII因子
ハーゲマン因子
52
ハーゲマン因子の働き
→コラーゲンなどの負電荷を持った表面と接触することで活性化され、タンパク質分解活性をもつようになる（XIIa）
→XIIaはプレカリクレインを切断してカリクレインへと変換
→カリクレインは高分子キニノーゲンを切断することで9アミノ酸からなるブラジキニンを生成
→ブラジキニンはGPCRを介して情報を伝達する
→侵害受容器に作用することで疼痛を引き起こす→この疼痛はPGE2やPGI2によって増強
53
炎症の収束
・TNF受容体が蛋白質分解酵素によって切断されることでTNFシグナルが減弱される
・遊離した受容体はTNFと結合し、シグナル伝達を阻害す
・IL-1のアンタゴニストであるIL-1raの発現によってIL-1シグナルも減弱
54
マクロファージが分泌する抗炎症性サイトカイン（なぜ抗炎症性に切り替わるのか）
TGF-β、IL-10
| 異物を貪食した好中球を貪食することで分泌
55
全身レベルの炎症性サイトカインの抗炎症性作用
視床下部からの抑制的なフィードバックを引き起こし、副腎皮質でのグルココルチコイド（ステロイドホルモン）の産生を誘導
| →ステロイドホルモンは核内受容体と結合することで、NF-κBによる炎症関連遺伝子の発現を抑制
56
RIG様受容体(RLRs)
ウイルスRNAの細胞質内センサー
57
細胞質内DNAセンサー（CDSs）
ウイルスや細菌由来の2本鎖DNAを認識
58
細胞質内核酸センサーとTLRsとの違い
```
細胞質内核酸センサー：
・I型インターフェロン産生誘導
TLRs：
・I型インターフェロン産生誘導
・炎症を誘導する分子、（炎症性サイトカインやケモカイン、血管内皮上の接着分子）の発現も誘導
```
59
抗ウイルス作用があるインターフェロン
I型IFNのIFN-aとIFN-b
60
IFN受容体を持つ細胞とその作用
全ての細胞
| ウイルス遺伝子の複製の阻害や、ウイルス粒子形成の抑制（抗ウイルス応答）
61
I型インターフェロンの作⽤
・リンパ球をリンパ節に留まらせる
・NK細胞とCD8陽性細胞傷害性T細胞の細胞傷害活性を高める
・ナイーブT細胞のTh1細胞への分化を促進する
・MHC class I分子の発現を亢進し、 CD8陽性細胞傷害性T細胞によるウイルス感染細胞の認識能を高める
62
ナチュラルキラー(NK)細胞の傷害機序
顆粒内タンパクのパーフォリンとグランザイムによるアポトーシス
63
ナチュラルキラー(NK)細胞の役割
アポトーシス誘導
| IFN-γを産生
64
NK細胞の活性化受容体と抑制性受容体の働き
```
・活性化受容体は、感染細胞や損傷細胞、腫瘍性細胞上のリガンドを認識してNK細胞を活性化
・自己のMHC class I 分子を認識する抑制性受容体からのシグナルによって抑制される
```
65
NK細胞の活性化受容体
CD16
66
CD16と結合する免疫グロブリン
IgG1とIgG3のFc領域
67
NK細胞を活性化する自然免疫系サイトカイン
IL-12
IL-15
IL-18
I型インターフェロン
68
抗体依存性細胞傷害
抗体（の抗原を特異的に認識して結合するFab部分で）の結合を受けた感染細胞の傷害が誘導されること
69
補体活性化の初期段階の3つの経路
古典経路
レクチン経路
第二経路
70
補体の生物学的機能のすべてが依存する過程
C3の限定タンパク分解
71
古典経路の開始点
抗原に結合した抗体への補体成分C1の結合
72
レクチン経路の開始点
コレクチンのマンノース結合レクチン(Mannose-binding lectin; MBL)やフィコリンが微生物表面の多糖類に結合する
73
第二経路の開始点
C3が液相で常に自己分解によって活性化している
74
補体を活性化できる免疫グロブリンと何分子必要か
IgG（2分子）
| IgM（1分子）
75
古典経路での補体成分の活性化順序
C1 -> C4 -> C2 -> C3 -> C5 ->>>
76
C4b2aとは
C3転換酵素
77
C1qの抗原抗体以外の古典経路を活性化する2つの方法
1) グラム陽性菌のリポテイコ酸、グラム陰性菌のリポポリサッカライド(LPS)に直接結合
| 2) 微生物の膜、ある種のウイルスあるいはアポトーシスを起こした細胞（アポトーシス小体）に結合したペントラキシンに会合
78
補体活性の後期段階
限定タンパク分解を伴わない
| C5b, 6, 7, 8, 9の結合とC9の重合
79
MBL、フィコリン
抗体とC1の役割を1分子で演じ切ってる
80
第二経路で必要なイオンと不要なイオン
Mgイオンは要るが、Caイオンは不要である
81
第二経路のC3転換酵素
C3(H2O)Bb=C3bBb
82
第二経路で補体の活性化を促進するもの
P因子
83
補体受容体1 (complement receptor 1; CR1, CD35)が認識する物
C3b、C4b
84
CR1を発現する細胞
貪食細胞
| 赤血球
85
CR1による赤血球の働き
免疫複合体の除去
| 抗原抗体複合体と結合して、肝臓や脾臓へ行き、貪食細胞が赤血球表面から複合体を取り除いて、赤血球はまた普通に循環に戻る
86
補体の活性化の終着点
膜侵襲複合体（MAC）の形成
87
MACの対象細菌
グラム陰性菌
88
CR1による貪食を亢進するもの
IFN-γによるマクロファージの活性化
89
CR2とは
B細胞に発現
| B細胞による抗原の捕捉を促進することで体液性免疫応答（抗体産生）を刺激するように作用
90
CR3, CR4とは
インテグリン
91
補体の3つの経路以外の生物活性
アポトーシス細胞（アポトーシス小体）の除去
| C1qがアポトーシス細胞由来のDNAおよびRNAに反応
92
アナフィラトキシン（最強のもの）
C5a、C3a、C4aはどれもマスト細胞に結合し、ヒスタミンなどの血管作動性メディエーターを放出させ、血管透過性を亢進し、平滑筋を収縮させる
C5aが最強
93
最も強力な走化性因子
C5a
94
白血球の割合
顆粒球：60%
リンパ球：35%
単球：5%
95
B細胞の名前の由来
Bursa of Fabricius（ファブリチウス嚢）
96
B細胞の特徴
細胞表面にB細胞レセプター（BCR）をもつ
| BCRは1つの細胞は1種類のみを持つ
97
B細胞の反応
1. 細胞増殖
2. インターナリゼーション（リセプターと共にリガンドを細胞内へ取り込む）
3. 抗体産生
98
抗体の構造
L鎖x2、H鎖x2
99
抗体のPapain処理
Fab x2とFc x1に分ける
100
抗体のドメインとは
100個程度のアミノ酸が鎖内のジスルフィド結合で丸くなった同じような構造が繰り返し見られる
101
Immunoglobulin Super Familyとは
ドメインを複数持つ構造（免疫グロブリン、T細胞レセプターなど免疫や細胞の接着に関する多くのタンパク質）
102
ドメインの構造の先祖
Progenitor Proteinの遺伝子が増幅しながら進化してきた
103
ヒトの抗体のL鎖とH鎖の型
L鎖：κ型（60%）と λ型
| H鎖：μ鎖、γ鎖、α鎖、δ鎖、ε鎖
104
Heavy Chain μ鎖を持つ免疫グロブリン
IgM
105
Heavy Chain γ鎖を持つ免疫グロブリン
IgG
106
Heavy Chain α鎖を持つ免疫グロブリン
IgA
107
Heavy Chain δ鎖を持つ免疫グロブリン
IgD
108
Heavy Chain ε鎖を持つ免疫グロブリン
IgE
109
抗体の特徴
特異性（特定の抗原とのみ結合）
| 抗体分子に共通する生物学的な性質
110
IgGの他の呼ばれ方
ガンマグロブリン（血清分画）
111
抗体のPepsin処理
Fabが2分子結合したような断片（ F(ab’)2 ）
112
CDR（相補性決定領域）
Hypervariable region（超可変域）
可変域のなかでも特に変異の激しい部分
抗原と直接接触するアミノ酸に対応している
113
エピトープとは
抗体が抗原と結合するときに認識する抗原の一部分
114
パラトープ
エピトープと結合する抗体側の部分
115
アフィニティaffinity
エピトープとパラトープの間には、水素結合、静電気力、ファンデルワールス力、疎水結合などの引力がかかり、これらの力により抗体は抗原に安定して結合
116
IgMは何量体
5
117
IgAは何量体
2
118
アビディティ
多価の抗体として反応する抗体が抗原と結合するときの結合力の総和
119
ポリクローナル抗体
１つのＢ細胞は１つの免疫グロブリンしか産生できないため、抗体は通常、複数のクローンのＢ細胞から産生された免疫グロブリンの集まりになる
120
IgGの割合
IgGは血清タンパクの15%を占める（血清中のヒト免疫グロブリンの中では70-75%）
121
IgGのサブクラスとそれぞれの割合
IgG1（60%）
IgG2（32%）
IgG3（4%）
IgG4（4%）
122
IgGの分子量
IgG1, IgG2, IgG4：15万
| IgG3：17万（はヒンジ部が長い）
123
IgGの半減期
23日
| 免疫グロブリンで最も長い
124
IgGによる凝集と沈降の違い
どちらも抗原と反応して除去すること
凝集：赤血球や細菌など水溶性でないものに対して
沈降：血清中の蛋白など可溶化物に対して
125
IgGの胎盤通過性（機序）
IgG2を除くサブセットが通過
| 絨毛上皮細胞上のFcγレセプターを介して胎盤を通過
126
IgGの胎盤通過性による問題
新生児溶血性黄疸などを引き起こすことがある
127
抗体依存性細胞性細胞傷害活性（ADCC）
抗体のFabが微生物や腫瘍細胞に結合するとFcレセプターを持つNK細胞が活性化
| IgG はNK細胞を呼び寄せ、パーフォリンやグランザイムなどNK細胞から放出される物質によって相手を破壊
128
補体を活性化できる IgG
IgG1, IgG2, IgG3
129
IgGのウイルスに対する作用
ウイルスに対しても標的細胞に付着する部分に結合してウイルスの細胞への浸入を効率よく防ぐ
130
IgGの細菌に対する作用
鞭毛や繊毛に対する抗体は細菌の動きを止めて細菌が組織へ浸入するのを防ぐ
131
毒素の中和で最も効率が良い抗体
IgG
132
IgAの半減期
5.5日
133
secretary component
消化管などの分泌液の中に放出される場合はsecretary componentがIgAを覆う形で絡まって存在
134
IgAのサブクラスと存在する場所
IgA1（血清や鼻汁、唾液、母乳など）
| IgA2（腸液）
135
IgMの割合
10％
136
IgMの半減期
5日
137
IgMの特徴
細菌の感染などで最初に上昇して抗菌的に作用する
| 軟骨魚類以降の脊椎動物にだけ存在
138
古典的経路の補体の順番
C1→C4→C2→C3→C5→C6→C7→C8→C9
139
イソヘムアグルチニン
赤血球に対する抗体
| 赤血球に対する自然凝集素
140
IgDの存在場所
殆どがB細胞の表面に存在
141
IgEの半減期（その理由）
2日（最も短い）
| 産生される量が少ない上に、産生されてもすぐに好塩基球や肥満細胞の表面に結合してしまうから
142
IgE、IgMの定常域の数
4つ
143
IgEの上昇するとき
寄生虫感染
| I型アレルギー
144
IgEのFcに対するレセプターを持つ細胞
好塩基球、肥満細胞
| ヒスタミン、ヘパリン、ロイコトルエンなどを放出
145
B細胞の機能
1. 抗体産生
2. 抗原提示細胞（APC）としての役割
3. 抗原との反応後の免疫記憶の保持
146
BCRの刺激による細胞増殖の機序
B cell receptorが細胞膜表面でIgαとIgβという分子と会合している
これらの分子はITAMというモチーフを持っているため、チロシンリン酸化反応を引き起こすことができる
BCR、2分子が架橋されるとITAMがリン酸化され、引き続いて細胞内でリン酸化シグナルが伝達
147
膜型IgMと分泌型IgMの違い
膜へのアンカーがH鎖の最後のエクソンにある
148
recombinase
免疫グロブリンの合成の際のリアレンジメントをする。
Rearrangement が行われる遺伝子の間には，特定のDNAの塩基配列が存在し、（RSS; recombination signal sequences）この塩基配列を認識することによってrecombinaseは遺伝子の再構成を行うことができる
149
allelic exclusion（対立遺伝子排除）
B細胞での過程で、まず相同染色体の一方の遺伝子でのH鎖のV，D，Jの組み換えが起こる
| →この時、組み換えがうまく成立して意味のあるポリペプチド鎖ができれれば相同染色体のもう１つの遺伝子でのH鎖の組み換えは抑えられる
150
Somatic cell mutation（体細胞突然変異）の免疫グロブリンへの影響
主に抗原刺激を受けたあとに、variable region などに点突然変異
| →positive selection によりaffinity の高い抗体が生じる。
151
クラススイッチング
B細胞が抗原の刺激を受けると、IgGやIgAなど他の種類の抗体を産生するようになる
| →同じパラトープを持つ異なったクラスの抗体が産生されてくる
152
T細胞はどのように自己を認識するようになるか
胸腺上皮細胞が持っているMHCの型を自己と認識して、そのMHC型に乗ったペプチドに反応するように教育されている
153
T細胞受容体（TCR）の構造
CD3分子2個とζ鎖2本で複合体を形成
154
胸腺細胞
胸腺に入った未熟なT細胞
155
TCRの役割
抗原の認識と抗原を提示する分子、MHC分子を認識する役割
156
CD4が結合する分子
MHCクラスII分子
157
CD8が結合する分子
MHCクラスI分子
158
MHC拘束性の正の選択
TCRがMHCを認識して、さらにMHC上のペプチドにほどよく反応すれば、シグナルが入り、その細胞は生き残れる
159
MHC拘束性の負の選択
自己ペプチドに強く反応してしまう細胞もアポトーシスを起こして死んでしまう
| クローン（細胞の）除去
160
禁止クローン
自己反応性細胞
161
制御性T細胞(regulatory T cell; Treg)
自己ペプチドに強く反応しながらアポトーシスを免れ、CD4を発現して末梢に出て行く細胞
162
MHCクラスIを構成する分子
HLA-A, -B, -C, -E, -F, -G
163
MHC クラス IIを構成する分子
HLA-DP, -DQ, -DR
164
MHCクラスIが結合するペプチド
細胞質内もしくは核内由来のペプチド
165
MHCクラスIIが結合するペプチド
外来物(異物)由来のペプチド
166
MHCクラスIが乗せられるペプチドの大きさ
8〜11アミノ酸
167
MHCクラスIIが乗せられるペプチドの大きさ
30アミノ酸
168
MHCクラスI分子を発現する細胞
赤血球以外のほとんどの細胞が発現
169
MHCクラスII分子を発現する細胞
抗原提示細胞のみが発現
170
CD8陽性T細胞が認識する物
MHCクラスI分子とその上の細胞質内または核内由来のペプチドをTCRで認識
171
CD4陽性T細胞が認識する物
MHCクラスII分子とその上の食胞由来（外来）のペプチドをTCRで認識
172
ナイーブT細胞活性化のためのシグナル
抗原提示
共刺激分子
サイトカイン
173
T細胞が抗原提示だけを受けるとどうなるのか
不応答anergyになってしまう
174
樹状細胞が発現する共刺激分子
B7ファミリーに分類されるCD80、CD86分子
175
CD80、CD86分子のT細胞側のリガンド
CD28
176
CD4陽性T細胞の役割
```
「ヘルパーT細胞」
MHC class II分子上の外来性異物ペプチドを認識し、その排除を増強するためにサイトカインを産生
・貪食した病原体の殺滅能の増強
・顆粒球の活性化
・B細胞の抗体産生
```
177
CD8陽性T細胞の役割
「細胞傷害性T細胞」
MHC class I分子上のウイルスペプチドやがんペプチドを認識して、もはや「自己」として機能しなくなった細胞を排除
・感染細胞や腫瘍（がん）細胞を殺傷する
178
ヘルパーT細胞のサブセットの例
Th1, Th2, Th17, Tfh
179
Th1細胞は何に関与するか
細胞性免疫
| 遅延型過敏症
180
Th2細胞は何に関与するか
液性免疫
| 即時型過敏症
181
Th17細胞は何に関与するか
自己免疫疾患の病態形成
182
Tfh細胞は何に関与するか
長期生存形質細胞と記憶B細胞への分化をヘルプ
183
プレサイトカインとは
樹状細胞が分泌する、もしくは周辺の細胞が分泌するサイトカイン
184
樹状細胞がウイルスや自己のペプチドを提示する方法
通常、樹状細胞は取り込んだ物質を分解・処理してMHCクラスII分子上に乗せて提示
| →一部の樹状細胞は取り込んだ物質を細胞質へ移行（クロスプレゼンテーション）
185
ヘルパーT細胞がCD8陽性T細胞の活性化を促進する2通りの方法
1. サイトカインの分泌
| 2. ヘルパーT細胞が樹状細胞を活性化してCD8陽性T細胞に対する活性化能をあげる；樹状細胞へのヘルプ
186
CD8陽性CTLの2通りの作用
1) 細胞の殺傷
| 2) IFN-g分泌 -> マクロファージの活性化
187
CTLが殺傷する2つの方法
両方アポトーシス誘導
1) パーフォリンとグランザイム
2) FasとFasリガンド
188
寛容とは
ある抗原暴露によって引き起こされる抗原特異的リンパ球の不活化、あるいは細胞死の結果として生じる、抗原に対する適応免疫系の不応答性
189
受容体編集
B細胞における自己寛容の誘導
| 一旦形成されたB細胞受容体（BCR）のIg軽鎖での再構成のやり直しが骨髄で行われる
190
中枢性免疫寛容
胸腺での胸腺細胞の負の選択
| B細胞の受容体編集
191
末梢性免疫寛容
・不応答（アナジー）
| ・制御性T細胞による自己応答性細胞の機能抑制
192
自己寛容の機序
1. 反応する細胞を除去する（アポトーシス）
2. 機能的に不応答にする（シグナル不足によるアナジーの誘導）
3. 機能を抑制する（活性化の阻害）
193
定常状態でのアナジーの誘導
共刺激因子・プレサイトカインがなく、自己抗原を提示された自己反応性T細胞は不応答、アナジーanergyになる
194
免疫寛容で重要な抑制性受容体
CTLA-4とPD-1
195
CTLA-4の性質
CD28と比較してB7分子に対して10〜20倍高い親和性を持って結合
エンドサイトーシス受容体
「CD28からの活性化シグナルが入らず、さらに抗原提示細胞上のB7分子数を減少」
「2次リンパ器官でのT細胞の活性化導入を制限する点で重要」
196
T細胞の活性化終息
通常の抗原提示の際にはCD28がB7と結合して活性化シグナルが入る
| →活性化後しばらくするとCTLA-4が発現し始めて、CD28に代わってB7と結合することで活性化が終息
197
CTLA-4を多く発現する細胞
制御性T細胞（Treg）
198
PD-1 programmed cell death-1とは
活性化したT細胞に発現
PD-L1、PD-L2に分けられる
TCR複合体と共刺激受容体からのキナーゼシグナルを抑制してT細胞を不活性化
「末梢組織のCD8陽性T細胞の応答の終息に最も重要な分子」
199
PD-L1を発現してる細胞
抗原提示細胞や多数の組織の細胞
200
PD-L2を発現してる細胞
主に抗原提示細胞
201
T細胞のPD-1発現が増加する要因
慢性の抗原刺激で増加
| 自己抗原、腫瘍、慢性感染症などによる長期にわたる抗原への暴露に対するT細胞の活性化を制御するのに重要
202
CD4陽性Tregが発現する物
IL-2受容体a鎖（CD25）、FoxP3という転写因子
203
Tregへの分化
1. 自己抗原に強く反応するCD4系列の胸腺細胞から
| 2. 末梢リンパ器官で強い自然免疫応答がない状態でのナイーブCD4陽性T細胞への抗原提示
204
TGF-b
一部のTregの分化に必要
| TGF-bシグナルはFoxP3の発現を誘導する（Tregのプレサイトカイン）
205
Tregの生存と機能は〇〇に依存
IL-2
| （T細胞は増殖に自ら産生するIL-2を必要とするのですが、近傍のTregがそれを消費することで、活性化したT細胞が増殖できずに機能できなくなる）
206
Tregの抑制機能3つ
1. 免疫抑制性サイトカインのIL-10とTGF-bの産生
2. 抗原提示細胞の活性化の抑制
3. IL-2の消費
207
IL-10を産生する細胞
Th1細胞、Th2細胞、マクロファージや樹状細胞、マスト細胞、一部のB細胞など多くの免疫細胞
208
IL-10の活性化マクロファージと樹状細胞の機能を抑制する方法
1. 活性化樹状細胞とマクロファージからのIL-12産生を抑制
| 2. 樹状細胞とマクロファージにおけるMHCクラスII分子と共刺激分子の発現を抑制
209
MHCクラスI分子の構造
α1, α2, α3, β-microglobulin
210
MHCクラスII分子の構造
α1, α2, β1, β2（ヘテロダイマー）
211
MHCクラスIにペプチドを載せる方法
細胞内タンパク質がユビキチン化され、プロテアソームにより分解される
| →TAP分子により、選別され、クラスI分子にロードされる
212
ヘルパーT細胞活性化のしくみ
MHC-TCRの結合は一時的に起こり、いったん離れ、その間に情報伝達に関連する分子が合成される
| →会合が何回か行われる事により、T細胞は活性化
213
超急性拒絶
種特異的自然抗体によって引き起こされるIII型アレルギー
| 移植後に血管内皮に抗体が付着し、血管内皮や補体系の活性化、血小板の接着を誘発する
214
急性液性拒絶
内皮細胞上の抗原に対して形成された抗体による液性免疫による血管障害であり、急性血管拒絶ともいう
215
急性細胞性拒絶
ドナーAPC上のクラスII抗原が、レシピエントのヘルパーT細胞を活性化させる
| CRLやNK細胞の活性化を導き、ドナー細胞の除去を行う
216
慢性拒絶
移植が行われて、しばらく（30日以上）して発症する
肝臓では胆管、腎臓では糸球体の消失
原因不明
217
マイナー抗原
MHCが一致していても、他の全てのタンパク質の配列が違うため、MHCに提示されるエピトープが異なる
218
移植片対宿主病 GVHD（Graft versus host disease）
混入したT細胞が宿主を拒絶する
移植片が宿主に非自己と認識されない必要がある
急性：成熟したドナーのT細胞
慢性：未熟なT細胞
219
免疫応答の活性化に働く反応
リン酸化（カルシニューリンは例外的に脱リン酸化）
220
抗体産生に至る免疫応答の流れ
```
MHCクラスIIにAPCがエピトープペプチドを提示
→ヘルパーT細胞のTCRにシグナルがはいる
→APCと一旦離れてCD40Lが発現
→CD40LがAPCのCD40と結合しB7分子を発現させる
→B7によりCD28を刺激され、TCRも刺激を受けるとT細胞が活性化
→受け取るサイトカインによりT細胞の分化の方向が決まる
```
221
寄生虫（蠕虫）感染に対する免疫応答
Th2細胞とTh2サイトカイン
抗体：IgE、IgG
マスト細胞、好酸球
222
好酸球の寄生虫への働き方
IL-5刺激で活性化した好酸球は、IgE抗体を介して蠕虫を認識する
→高親和性IgE受容体（FceRI）が刺激されて顆粒を放出
→顆粒中の主要塩基性タンパク質（Major basic protein； MBP）等の細胞傷害性蛋白により蠕虫を傷害
223
寄生虫（蠕虫）感染に対する免疫応答
| 好酸球を活性化するもの
IL-5
224
寄生虫（蠕虫）感染に対する免疫応答
| Th2細胞の分化を誘導するサイトカイン
IL-4
225
寄生虫（蠕虫）感染に対する免疫応答
| B細胞の抗体（IgE、IgG）産生誘導
Th2細胞（及びT,細胞）によるIL-4産生と補助分子を介する刺激で、B細胞のIgE産生やIgG産生が誘導
226
寄生虫（蠕虫）感染に対する免疫応答
| マスト細胞の脱顆粒
マスト細胞上の高親和性IgE受容体へのIgE架橋刺激で脱顆粒（ヒスタミンやセロトニン等）により、炎症細胞の集積をもたらす
227
寄生虫（蠕虫）感染に対する免疫応答
| 腸粘液分泌と組織修復
Th2細胞が産生するIL-4とIL-13は、腸の粘液分泌と蠕動をもたらすと共に、抗炎症作用をもつM2マクロファージの誘導を介して組織を修復する
228
細菌（細胞内寄生性）感染に対する免疫応答
| マクロファージなどの食細胞
細菌の取込み、認識受容体による細菌の検出、サイトカイン（IL-12等）産生
229
細菌（細胞内寄生性）感染に対する免疫応答
| NK細胞
IL-12による活性化でIFNgを産生し、食細胞の殺菌を増強する
230
細菌（細胞内寄生性）感染に対する免疫応答
| Th1細胞の誘導
```
マクロファージや樹状細胞等の抗原提示細胞によるTh1細胞の誘導
ナイーブT細胞がTh1細胞等のエフェクターT細胞に分化するには、3つの刺激が必要
1. MHC class II-抗原によるTCR刺激
2. B7等の補助分子による刺激（co-stimulation）
3. サイトカイン（Th1の場合はIL-12）
```
231
細菌（細胞内寄生性）感染に対する免疫応答
Th1細胞は、IFNgの産生及び CD40リガンドを介したCD40分子への刺激で、活性酸素種（ROS）や一酸化窒素（NO）等の産生を増加して、マクロファージの殺菌能を高める
232
2大深在性真菌感染症の原因真菌
カンジダ、アスペルギルス
233
カンジダ属の感染症
カテーテル感染、バイオフィルム感染
真菌血症（カンジダ属が最多）：好中球減少、悪性腫瘍など
播種性カンジダ症：肝脾カンジダ症、眼内炎
234
アスペルギルス属の感染症
侵襲性肺アスペルギルス症（IPA）
| 背景・基礎疾患：好中球減少症、骨髄・臓器移植、ステロイド・免疫抑制剤、生物学的製剤、慢性肺アスペルギルス症
235
好中球の数や機能障害
```
「慢性肉芽腫症」
「NADPHオキシダーゼ欠損」
・活性酸素産生低下による殺菌能低下
・乳幼児期から細菌（黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌など）や真菌（アスペルギルスやカンジダなど）による難治性感染症をくりかえす
「好中球減少症」
アスペルギルスやカンジダの感染症以外にムーコル症も発症しやすい
```
236
細胞性免疫の低下
「後天性免疫不全症候群（AIDS）」
| ヒト免疫不全ウイルス（HIV）感染によるCD4T細胞の減少に伴い、種々の日和見感染症をおこす
237
AIDS指標疾患（真菌感染）
1．カンジダ症（食道、気管、気管支、肺）
2．クリプトコックス症（肺以外）
5．ニューモシスチス肺炎
238
クリプトコックス（クリプトコッカス）
肺クリプトコックス症→中枢神経系に播種（脳髄膜炎）
CD4T細胞
特にTh1細胞を介した肉芽種形成が感染防御に重要
239
特にTh17細胞の機能低下で生じやすい疾患
食道カンジダ症
240
C3欠損で問題となる感染症
莢膜保有細菌（肺炎球菌、肺炎桿菌、インフルエンザ菌など）
241
C5~9欠損で問題となる感染症
ナイセリア属細菌、髄膜炎菌による髄膜炎
242
液性免疫不全をきたす疾患
無脾症、X連鎖無ガンマグロブリン血症
243
液性免疫不全で生じやすくなる感染症
化膿性細菌感染（インフルエンザ菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌など）で中耳炎、気管支炎、肺炎をおこしやすい
| 気道の反復性感染により、気管支拡張症をおこす
244
生ワクチン
```
BCG (Bacille Calmette-Guerin）
ウシ型結核菌弱毒株
生後1歳未満（5-8ヵ月未満）
結核の発症予防
重篤な髄膜炎や全身性結核の発症予防
```
245
トキソイド
無毒化した毒素
246
抗毒素（抗血清）
毒素に対する血清（トキソイドの動物への投与）
247
抗毒素療法（血清療法）、ワクチン
トキソイドの免疫により毒素を中和する抗体の産生
248
細菌に対するトキソイドワクチン
ジフテリア菌（D)、百日咳菌(P)、破傷風菌(T)
| DT：2種混合ワクチン、DPT：3種混合ワクチン
249
細菌に対する不活化ワクチン
肺炎球菌
インフルエンザ菌
髄膜炎菌
250
インフルエンザ菌の性質
・グラム陰性短桿菌
・莢膜を持つ6種類と無莢膜型
・上気道に定着、肺炎・髄膜炎
251
インフルエンザ菌で髄膜炎や菌血症などの侵襲性感染症の主な原因菌
b型：Hib
| NTHi
252
肺炎球菌
・グラム陽性双球菌
・病原因子：莢膜（貪食抵抗性）
・毒素：ニューモライシン（孔形成による細胞傷害）
・上気道に定着
253
肺炎球菌のワクチン
・23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン
| ・13価肺炎球菌結合型ワクチン
254
インフルエンザ菌のワクチン
ヘモフィルスb型ワクチン
255
髄膜炎菌のワクチン
4価髄膜炎菌ワクチン
256
肺炎球菌の症状と血清型
症状：肺炎（市中肺炎）、髄膜炎
| 血清型：莢膜ポリサッカライド（多糖体）の構造の違いで100種類の（血清型）に分類
257
莢膜ポリサッカライドのみのワクチン
23価肺炎球菌ポリサッカライドワクチン（PPSV23）
T細胞非依存性の抗体産生誘導
IgMの抗体産生が主だが、一部、IgG産生あり
高親和性IgG抗体産生や記憶B細胞は誘導されない
258
莢膜ポリサッカライドとキャリア蛋白の結合型
インフルエンザ菌b型Hibワクチン
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13
多糖体と蛋白結合型→T細胞依存性の抗体産生誘導
高親和性IgG抗体産生、記憶B細胞の誘導
259
免疫異常を大きく分けると
免疫不全症（免疫能低下）、自己免疫疾患・自己炎症疾患（免疫能調節異常）
260
複合免疫不全症
T細胞とB細胞の機能低下
261
抗体産生不全症
B細胞の欠損あるいは機能低下
262
免疫不全を伴う特徴的な症候群
障害される遺伝子が免疫能以外にも影響するため、さまざまな臨床像を呈する
| 血小板減少、悪性腫瘍、内分泌障害
263
免疫調節障害
T細胞が過剰に反応するため、炎症が遷延する
264
食細胞の数や機能の異常症
好中球や単球、マクロファージなどの欠損や機能低下
265
自然免疫異常症
リンパ球と食細胞の機能が障害される
266
自己炎症性疾患
恒常的にマクロファージが活性化し、炎症が持続する
267
補体欠損症
補体系の欠損や機能障害によって、感染症や膠原病に類似した症状を呈する
268
複合免疫不全症の例
X連鎖重症複合免疫不全症
| Omenn症候群
269
抗体産生不全症の例
X連鎖γグロブリン血症
270
免疫不全を伴う特徴的な症候群の例
Wiskott-Aldrich症候群（細胞骨格異常）
毛細血管拡張性運動（小脳）失調症
DiGeorge症候群
271
免疫調節障害の例
Chediak-Higashi症候群（色素欠乏を伴う免疫異常）
272
食細胞の数や機能の異常症の例
慢性肉芽腫症
273
自己炎症性疾患の例
インフラマソーム異常
274
X連鎖重症複合免疫不全症とは
Il-1, IL-4, IL-7, IL-9, IL-15にレセプターに共通するγc鎖の遺伝子異常によるT細胞分化障害
275
Omenn症候群とは
T細胞、B細胞の抗原受容体の遺伝子再構成に関わるRAG-1/RAG-2分子のミスセンス変異でその活性が残存する物
276
X連鎖γグロブリン血症の原因遺伝子と特徴
BTK遺伝子異常
| 男児にのみ発症
277
Wiskott-Aldrich症候群の原因遺伝子と特徴4つ
```
WASP遺伝子異常、X連鎖性
血小板減少
湿疹
悪性リンパ腫合併
易感染性
```
278
毛細血管拡張性運動（小脳）失調症の原因遺伝子と特徴
DNA修復にかんけいするATM遺伝子の変異
細胞性免疫の低下
易感染性、毛細血管拡張、小脳性運動失調
悪性腫瘍合併
279
DiGeorge症候群の原因遺伝子と特徴3つ（1. 〇〇と〇〇の発生障害）
染色体22q11領域の欠失
胸腺と副甲状腺の発生障害
T細胞減少→B細胞機能低下
低カルシウム血症
280
22q11欠失症候群の症状
```
CATCH
心血管異常（Cardiac defects）
特有の顔貌（abnormal facies）
胸腺低形成（Thymic hypoplasia）
口蓋裂（Cleft palate）
低カルシウム血症（Hypocalcemia）
```
281
免疫制御異常疾患の唯一の表現型
血球貪食症候群（家族性血球貪食性リンパ組織球症）
282
免疫制御異常疾患の異常細胞
細胞傷害性T細胞、NK細胞
283
家族性血球貪食性リンパ組織球症の血球貪食症候群になる理由
```
完全に標的細胞を排除できない
→CTLの活性化が続き炎症性サイトカインが産生される
→マクロファージを活性化し続ける
→サイトカインストーム
→血球貪食症候群
```
284
慢性肉芽腫症の病因
食細胞のNADPHオキシダーゼの異常
| →活性酸素を産生できない、殺菌能障害
285
インフラマソームとは
異物が細胞内へ入ったことを感知して、炎症性サイトカインを産生して排除しようとする（マクロファージ内）
286
自己炎症性疾患と自己免疫疾患の違い
自己免疫疾患：勝手に自己組織を破壊するリンパ球
| 自己炎症性疾患：リンパ球は問題ないが、マクロファージからの過剰なサイトカインのために炎症が起こる
287
補体異常症
C1インヒビター欠損症
C3欠損症
C9欠損症
288
C1インヒビター欠損症とは
常染色体優性遺伝
| 遺伝性血管神経浮腫
289
C3欠損症
莢膜を持った細菌に対して易感染性をしめす
290
C9欠損症
日本人に比較的多い
| 髄膜炎菌感染症
291
自然免疫のバリアー以外の作用3つ
炎症の誘導
抗原抗体複合体の惹起
適応免疫の活性化
292
抗ウイルス応答のまとめ
1. 感染細胞内でのウイルス増殖の抑制
2. I型インターフェロン(IFN)による感染抵抗性の増強
3. 抗原提示細胞の刺激による適応免疫の誘導
293
オプソニン化作用が強い免疫グロブリン
IgG
294
免疫不全症を疑うとき7つ
1. 1年に4回以上の中耳炎
2. 1年に2回以上の重篤な副鼻腔炎
3. 1年に2回以上の肺炎
4. 乳児で発熱を繰り返し、発育不良や体重増加不良
5. 1歳以降で持続した鵞口瘡、疣あり
6. 2回以上の深部感染症
7. 血球貪食症候群
295
Th1のプレサイトカイン
IFN-γ、IL-12
296
Th1が産生するサイトカイン
IFN-γ
297
Th1の作用
マクロファージの活性化
298
Th2のプレサイトカイン
IL-4
299
Th2が産生するサイトカイン
IL-4, 5, 13
300
Th2の作用
抗体産生促進
301
Th17のプレサイトカイン
TGF-β、IL-1、IL-6、IL-23
302
Th17が産生するサイトカイン
IL-17, 22
303
Th17の作用
好中球の活性化
304
Thfhのプレサイトカイン
TGF-β、IL-12、IL-23
305
Thfhが産生するサイトカイン
IL-21, 4
306
Thfhの作用
胚中心でのB細胞の高親和性クローンの選択促進
307
I型アレルギーの代表的疾患
花粉症、食物アレルギー、喘息（遅発）、アトピー性皮膚炎
308
I型アレルギーの主なエフェクター
IgE抗体、マスト細胞、好酸球（遅発）
309
II型アレルギーの代表的疾患
Goodpasture, IDDM, hemolytic anemia, ITP
310
II型アレルギーの主なエフェクター
自己の細胞成分に対する抗体
311
III型アレルギーの代表的疾患
SLEなど腎炎、RA、過敏性肺臓炎
312
III型アレルギーの主なエフェクター
抗原抗体免疫複合体による炎症（可溶性の抗原と抗体）
313
IV型アレルギーの代表的疾患
接触性皮膚炎、肺結核
314
IV型アレルギーの主なエフェクター
細胞傷害性T細胞
315
I型アレルギーの検査
プリックテスト、スキンテスト
316
IV型アレルギーの検査
パッチテスト、ツベルクリン検査
