Season 2 Episode 1 Flashcards

1
Q

意思無能力者又は制限行為能力者について。

意思能力を欠いている者が土地を売却する意思表示を行った場合、その親族が当該意思表示を取り消せば、取消しの時点から将来に向かって無効となる。

A

誤り。 意思無能力者の行為は、当然に無効。

意思能力を欠いている者がした意思表示は、取り消すまでもなく当然に無効です(民法3条の2)。したがって、取消しは、そもそも問題となりません。

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2
Q

意思無能力者又は制限行為能力者について。

未成年者が土地を売却する意思表示を行った場合、その未成年者が婚姻をしていても、親権者が当該意思表示を取り消せば、意思表示の時点にさかのぼって無効となる。

A

誤り。 婚姻により、成年者とみなされる。

未成年者が婚姻をした場合は、成年者とみなされます。したがって、未成年者であることを理由に、意思表示を取り消すことはできません(753 条)。

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3
Q

意思無能力者又は制限行為能力者について。

成年被後見人が成年後見人の事前の同意を得て土地を売却する意思表示を行った場合、成年後見人は、当該意思表示を取り消すことができる。

A

正しい。 成年後見人の同意があっても、取り消すことができる。
成年被後見人のした意思表示は、日用品の購入など日常生活に関する法律行為を除いて、たとえ成年後見人の同意を得ていても、取り消すことができます。なぜなら、成年被後見人は事理を弁識する能力を欠く常況にあるため、同意したとおりに意思表示をするとは限らないからです (9条、120 条)。

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4
Q

意思無能力者又は制限行為能力者について。

被保佐人が保佐人の事前の同意を得て土地を売却する意思表示を行った場合、保佐人は、当該意思表示を取り消すことができる。

A

誤り。 保佐人の同意を得ると、取り消すことができない。

被保佐人が保佐人の事前の同意を得てした土地の売却の意思表示(重要な財産上の行為)は、取り消すことがきません(13 条)。

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5
Q

A所有の土地が、AからB、Bから善意無過失のCへと売り渡され、移転登記もなされている。

Aが成年被後見人の場合、Aは、契約の際完全な意思能力を有していても、AB間の契約を取り消し、Cに対して所有権を主張することができる。

A

正しい。 成年被後見人の行為は、日常行為以外は取り消すことができる。

成年被後見人の行為は、契約の際完全に意思能力を有している状態で行ったものであっても、取り消すことができます。また、その取消しは善意無過失の第三者にも対抗できます(民法9条)。

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6
Q

A所有の土地が、AからB、Bから善意無過失のCへと売り渡され、移転登記もなされている。

Aが未成年者の場合、Aは、法定代理人の同意を得ずに契約していても、成年に達すれば、AB間の契約を取り消すことができなくなる。

A

誤り。 追認できる時から5年で、取消権消滅。
取消権は、追認をすることができる時から5年間行使しないとき(行為の時から 20 年経過したとき)は、時効によって消滅します。成年に達すると、その時から追認できるようになりますが、その後なお5年間は取り消すことができますので、本肢は誤りです(126 条)。

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7
Q

A所有の土地が、AからB、Bから善意無過失のCへと売り渡され、移転登記もなされている。
Aの意思表示はその意思表示に対応する意思を欠く錯誤によるもので、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものである場合、Aは、重大な過失がなければ、AB間の契約を取り消すことができるが、その取消しをもってCに対抗することはできない。

A

正しい。 錯誤の取消しは、善意無過失の第三者には対抗できない。

錯誤による取消しは、善意無過失の第三者には対抗することができません。(95 条)。

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8
Q

A所有の土地が、AからB、Bから善意無過失のCへと売り渡され、移転登記もなされている。

Aが差押えを免れるため、Bと通謀して登記名義をBに移した場合、Aは、AB間の契約の無効を主張することはできるが、Cに対して所有権を主張することはできない。

A

正しい。 虚偽表示の無効は善意の第三者に対抗できない。

虚偽表示の無効を、善意の第三者に主張することはできません(94 条)。本肢のCは、善意の第三者です。

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9
Q

A所有の土地が、AからB、BからCへ売り渡され、移転登記もなされてい る。

Aが債権者の差押えを免れるため、Bと通謀して、登記名義を移転しているとき、Cがそのことにつき悪意なら、Aは、Cに対しAB間の売買契約の無効を主張することができる。

A

正しい。 虚偽表示の無効は、善意の第三者に対抗できない。

虚偽表示の無効を対抗できないのは、「善意の第三者」に対してです。悪意の第三者に対しては、無効を主張することができます(民法 94 条)。

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10
Q

A所有の土地が、AからB、BからCへ売り渡され、移転登記もなされてい る。

AB間の売買契約でAの意思表示に対応する意思を欠く錯誤があり、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであれば、Aは、常に錯誤による当該意思表示の取消しをすることができる。

A

誤り。 表意者に重過失があると、原則として錯誤の取消しはできない。
意思表示に錯誤があり、その錯誤が法律行為の目的および取引上の社会通念に照らして重要なものである場合、その意思表示を取り消すことができます。ただし、錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合は、原則として、錯誤による意思表示の取消しはできません。(95 条)。

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11
Q

A所有の土地が、AからB、BからCへ売り渡され、移転登記もなされてい る。

AがBの詐欺により当該土地を売却する意思表示をしたとき、Cがそのことにつき善意無過失なら、Aは、Bに対しても取消しを主張することができない。

A

誤り。 当事者間では、詐欺取消しを主張できる。
詐欺を理由とする取消しは、善意無過失の第三者に対抗することはできません(96 条)。しかし、あくまで第三者に対する関係で取消権が制限されるだけであり、当事者間では取消しを主張することができます。したがって、Aは、善意無過失の第三者であるCに対しては、取消しを対抗することはできませんが、当事者であるBに対しては、取消しを主張することができますので、 本肢は誤りです。

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12
Q

A所有の土地が、AからB、BからCへ売り渡され、移転登記もなされてい る。

AがBの強迫により当該土地を売却する意思表示をしたとき、Cがそのことについて善意なら、Aは、Cに対して強迫による取消しを対抗することができない。

A

誤り。 強迫の取消しは、善意の第三者にも主張できる。

強迫を理由とする取消しは、善意の第三者にも対抗することができます(96 条)。

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13
Q

Aが、その所有地について、債権者Bの差押えを免れるため、Cと通謀して、 登記名義をCに移転したところ、Cは、その土地をDに譲渡した。
AC間の契約は無効であるから、Aは、Dが善意であっても、Dに対し所有権を主張することができる。

A

誤り。 虚偽表示の無効は、善意の第三者に対抗できない。

虚偽表示による無効は、善意の第三者に対抗できません。本肢のDは善意の第三者です(民法9 4 条 )。

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14
Q

Aが、その所有地について、債権者Bの差押えを免れるため、Cと通謀して、 登記名義をCに移転したところ、Cは、その土地をDに譲渡した。
Dが善意であっても、Bが善意であれば、Bは、Dに対し売買契約の無効を主張することができる。

A

誤り。 虚偽表示の無効は、善意の第三者に対抗できない。

肢1同様、本肢のDは善意の第三者ですので、虚偽表示による無効をDに主張することはできません。たとえ(善意の)債権者でも、善意の第三者には対抗することはできません(94 条、判例)。

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15
Q

Aが、その所有地について、債権者Bの差押えを免れるため、Cと通謀して、 登記名義をCに移転したところ、Cは、その土地をDに譲渡した。
Dが善意であっても、Dが所有権移転の登記をしていないときは、Aは、Dに対し所有権を主張することができる。

A

誤り。 第三者は、善意であれば保護される。

虚偽表示においては、第三者は善意であれば保護されます。登記を備える必要はありません(94 条、判例)。本肢のDは善意である以上、保護されます。

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16
Q

Aが、その所有地について、債権者Bの差押えを免れるため、Cと通謀して、 登記名義をCに移転したところ、Cは、その土地をDに譲渡した。
Dがその土地をEに譲渡した場合、Eは、Dの善意悪意にかかわらず、Eが善意であれば、Aに対し所有権を主張することができる。

A

正しい。 転得者も、善意であれば保護される。

虚偽表示においては、第三者からの転得者も、善意であれば保護されます。なお、第三者が悪意でも、転得者は善意であれば保護されます(判例)。本肢のEは善意の転得者ですので、Dの善意悪意にかかわらず、保護されます。

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17
Q

意思表示について。

A所有の土地が、AからB、BからCへと売り渡された場合において、AB間の売買契約が通謀による仮装のものであるときは、Cは、善意であれば、所有権移転の登記を受けていなくとも、Aに対して当該土地の所有権を主張することができる。

A

正しい。 第三者は、善意であれば保護される。

虚偽表示においては、第三者は善意であれば保護されます。登記を備える必要はありません(民法 94 条、判例)。

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18
Q

意思表示について。

AがBと通謀して、その所有する土地をBに仮装譲渡した場合、Bからその土地を買い受けたCが、そのことにつき悪意でも、Aは、Cからさらにその土地を買い受けた善意のDに対して、AB間の売買契約の無効を主張することができない。

A

正しい。 転得者も、善意であれば保護される。

虚偽表示においては、第三者からの転得者も、善意であれば保護されます(判例)。なお、第三者が善意であれば、転得者は悪意でも保護されます(判例)。

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19
Q

意思表示について。

意思表示に対応する意思を欠く錯誤で、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものである場合、その意思表示をした者は、過失があるときは、常にその意思表示を取り消すことはできない。

A

誤り。 重過失があると、錯誤の取消しはできない。

錯誤は、表意者に「重過失」があれば、原則として取り消すことはできません(95 条)。単なる「過失」があるにすぎない(軽過失にすぎない)場合には、取り消すことができます。

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20
Q

意思表示について。

Aが、Eの詐欺に基づき、Bと土地の売買契約を締結した場合、Aは、Bが悪意のときは、当該売買契約を取り消すことができる。

A

正しい。 第三者の詐欺の場合、相手方が悪意または有過失の場合に限って、取消しできる。

第三者が詐欺を行った場合は、相手方が悪意または善意有過失の場合に限って、取り消すことができます。したがって、相手方Bが悪意であれば、取り消すことができます(96 条)。

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21
Q

Aが、Bの詐欺によって、A所有の建物をCに売却する契約をした場合について。

Aは、Bが詐欺をしたことをCが知ることができたときは、当該売買契約の取消しをすることができる。

A

正しい。 第三者の詐欺は、相手方が悪意または有過失の場合に限って、取消しできる。

第三者が詐欺を行った場合は、相手方が悪意または善意有過失の場合に限って、取り消すことができます。したがって、Aは、Bが詐欺をしたことをCが知ることができた(善意有過失)ときは、売買契約を取り消すことができます(民法 96 条)。

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22
Q

Aが、Bの詐欺によって、A所有の建物をCに売却する契約をした場合について。

AがCに所有権移転登記を済ませ、CがAに代金を完済した後、詐欺による有効な取消しがなされたときには、登記の抹消と代金の返還は同時履行の関係になる。

A

正しい。 取消後の原状回復義務は、同時履行の関係に立つ。

売買契約が詐欺を理由として取り消された場合、当事者双方の原状回復義務は、同時履行の関係に立ちます。したがって、Cの登記の抹消とAの代金の返還は、同時履行となります(96 条、 121 条の2、533 条、判例)。

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23
Q

Aが、Bの詐欺によって、A所有の建物をCに売却する契約をした場合について。

Aは、詐欺に気が付いていたが、契約に基づき、異議を留めることなく所有権移転登記手続をし、代金を請求していた場合、詐欺による取消しをすることはできない。

A

正しい。 履行や請求をすると、追認したこととなる(法定追認)。
だまされて契約をした者は、だまされたことに気付いた時に、その契約を取り消すことも、追認することもできます。また、追認の意思表示がなくても、なんら異議を主張することなく所有権移転登記手続きを行い、代金の請求をした場合は、契約を追認したものとみなされます。これを「法定追認」といい、いったん追認があれば、もはや取消しはできません(122 条、125条)。

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24
Q

Aが、Bの詐欺によって、A所有の建物をCに売却する契約をした場合について。

Cが当該建物を、詐欺について善意無過失のDに転売して所有権移転登記を済ませても、Aは詐欺による取消しをして、Dから建物の返還を求めることができる。

A

誤り。 詐欺による取消しをしても、善意無過失の第三者に対抗できない。

詐欺による取消しは、善意無過失の第三者に対抗することができません。したがって、Aは、第三者Bの詐欺を理由にCとの契約を取り消すことができる場合であっても、善意無過失の第三者Dに対して建物の返還を求めることはできません(96条)。

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25
Q

Aが、Bに代理権を授与してA所有の土地を売却する場合について。

Bが未成年者であるとき、Bは、Aの代理人になることができない。

A

誤り。 未成年者でも、代理人になることができる。

制限行為能力者であっても代理人となることができます。したがって、未成年者Bは、Aの代理人となることができます(民法 102 条)。

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26
Q

Aが、Bに代理権を授与してA所有の土地を売却する場合について。

Bは、自己の責任により、自由に復代理人を選任することができる。

A

誤り。 任意代理では、自由に復代理人を選任できない。

代理権を授与されて代理人になった場合(任意代理)、原則として復代理人を選任することはできません。代理人は本人の許諾を得るか、やむを得ない事由がある場合に限り、復代理人を選任することができます(104 条)。

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27
Q

Aが、Bに代理権を授与してA所有の土地を売却する場合について。

Bは、Aの許諾があれば、この土地の買主になることができる。

A

正しい。 自己契約は、原則禁止。

代理人が当事者の一方となること(自己契約)は、原則としてできません(無権代理行為とみなされます)。本人の利益が害されるおそれがあるからです。もっとも、本人があらかじめ許諾している場合は、許されます(108 条)。

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28
Q

Aが、Bに代理権を授与してA所有の土地を売却する場合について。

Bは、Aが死亡した後でも、Aの代理人としてこの土地を売却できる。

A

誤り。 本人の死亡で、代理権は消滅する。

本人が死亡すると、代理権は消滅します。したがって、Bは、本人Aの死亡後に代理人として土地を売却することはできません(111 条)。

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29
Q

復代理人について。

未成年者の父母のような法定代理人は、いつでもその責任のもとに復代理人を選任できる。

A

正しい。 法定代理人は、復代理人を自由に選任できる。

法定代理人は、自己の責任をもって自由に復代理人を選任できます(民法 105 条)。

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30
Q

復代理人について。

委任契約等による任意代理人は、本人の許諾があるか、あるいは、やむをえない事情があるときでなければ復代理人を選任することができない。

A

2 正しい。 任意代理人は、復代理人を選任できないのが原則。
任意代理人は、復代理人を選任できないのが原則です。しかし、
1,本人の許諾があるとき
2,やむを得ない事由があるときは、例外的に選任できます(104 条)。

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31
Q

復代理人について。

復代理人は代理人により選任されるのであるから、代理人の代理権の範囲をこえる権限をもつことはできない。

A

正しい。 復代理人の権限は、代理人の権限内にとどまる。

復代理人の代理権は、代理人の代理権に基づくものであり、復代理人の代理権の範囲は、代理人の代理権の範囲を超えることはできません(106 条)。

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32
Q

復代理人について。

代理人が復代理人を適法に選任したときは、復代理人は本人に対して、代理人と同一の権利を有し、義務を負うため、代理人の代理権は消滅する。

A

誤り。 復代理人を選任しても、代理人の代理権は消滅しない。

代理人の代理権は、復代理人を選任したからといって消滅するわけではありません(106 条参照)。

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33
Q

Aが、B所有の建物の売却(それに伴う保存行為を含む)についてBから代 理権を授与されている場合について。

Aが、Bの名を示さずCと売買契約を締結した場合には、Cが、売主はBであることを知っていても、売買契約はAC間で成立する。

A

誤り。 相手方が悪意であれば、顕名しなくても有効。
代理人が顕名をしないと、相手方は、代理人が契約の当事者と考えるのが通常です。したがって、顕名がないと、原則として代理人自身の契約と扱われ、本人に契約の効果は及びません。しかし、本肢のように、Cが、AがBの代理人であることを知っていた場合、または不注意で知る ことができなかった場合は、本人に対して効力が生じ、契約はBC間で成立することとなります (民法 100 条)。

34
Q

Aが、B所有の建物の売却(それに伴う保存行為を含む)についてBから代理権を授与されている場合について。

Aが、買主Dから虚偽の事実を告げられて売買契約をした場合でも、Bがその事情を知っていたときには、BからDに対する詐欺による取消しはできない。

A

正しい。 悪意の本人は、取り消すことができない。
特定の法律行為をすることを委託された代理人がその行為をした場合、本人は、自分が知っていた事情について、代理人の善意を主張することができません。したがって、代理人が虚偽の事実を告げられたことを知っていた本人Bは、代理人に対する詐欺を理由に、取消しを主張することはできません(101 条)。

35
Q

Aが、B所有の建物の売却(それに伴う保存行為を含む)についてBから代理権を授与されている場合について。

Aが、買主を探索中、台風によって破損した建物の一部を、Bに無断で第三者に修繕させた場合、Bには、修繕代金を負担する義務はない。

A

誤り。 代理人は保存行為の代理権を有している。
破損した建物を修繕する行為は、保存行為にあたります。本問では、代理人Aは、本人B所有の建物の売却に伴う保存行為についても、代理権を授与されています。したがって、Aが第三者とした修繕契約の効果はBに及び、Bは、修繕代金を負担する義務を負います(99 条)。

36
Q

Aが、B所有の建物の売却(それに伴う保存行為を含む)についてBから代理権を授与されている場合について。

Aは、Bの承諾を得て、さらにEを復代理人として選任した場合、その選任につき過失があったとしてもBに対し責任を負わない。

A

誤り。 適法に復代理人を選任した場合、任意代理人は責任を負う。
任意代理人は、適法に(本肢の場合、本人の許諾を得て)復代理人を選任した場合、債務不履行の一般原則にしたがって、本人に対して責任を負うことになります(104 条)。したがって、代理人Aは、復代理人Eの選任について過失があれば、責任を負うことがあります。

37
Q

民法上の代理人による行為について。

代理権を有しない者がした契約を本人が追認する場合、その契約の効力は、追認をした時から将来に向かって生ずる。

A

誤り。 無権代理行為の追認は、「契約時にさかのぼって」効果が生じる。

無権代理行為を本人が追認した場合は、原則として、「契約時にさかのぼって」、有効な代理行為としての効果が生じることになります(民法 116 条)。

38
Q

民法上の代理人による行為について。

代理人は、売買契約の際には、本人の名前を代署し、本人の印鑑を押印しなければならない。

A

誤り。 本肢のような規定はない。

代理人が契約を締結するにあたり、本人の名前を代署し、本人の印鑑を押印しなければならない旨の規定はありません。

39
Q

民法上の代理人による行為について。

被保佐人は、委託を受けて代理人として本人のために不動産の売買契約をすることができるが、当該被保佐人の保佐人の同意がなければ代理行為による効果を本人に帰属させることができない。

A

誤り。 制限行為能力者の代理行為に、保護者の同意は要求されない。

そもそも代理人は、行為能力者であることを要しません(102 条)。したがって、被保佐人が代理行為をした場合でも、その行為の効果を本人に帰属させるため、保佐人の同意が要求されることはありません。

40
Q

民法上の代理人による行為について。

代理権の範囲を逸脱した代理行為については、第三者がその権限ありと誤信する正当の理由を有していたときは、当該代理行為の効果が本人について生じ、結果的には当該第三者は本人と有効に取引をしたことになる。

A

正しい。 越権代理+相手方の善意無過失=表見代理。
無権代理人がした行為の効果は、本人が追認しない限り、本人に帰属しないのが原則です (113 条)。しかし、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときは、その効果は本人に帰属します(110 条)。すなわち、表見代理が成立し、結果的には相手方は本人と有効に取引をしたことになります。

41
Q

Aが、A所有の1棟の賃貸マンションについてBに賃科の徴収と小修繕の契約の代理をさせていたところ、Bが、そのマンションの1戸をAに無断で、Aの代理人として賃借人Cに売却した。
Aは、意外に高価に売れたのでCから代金を貰いたいという場合、直接Cに対して追認することができる。

A

正しい。 追認は、相手方と無権代理人のどちらに対してしてもよい。

追認は、相手方または無権代理人のいずれに対して行ってもよいとされています(民法 113 条参照)。

42
Q

Aが、A所有の1棟の賃貸マンションについてBに賃科の徴収と小修繕の契約の代理をさせていたところ、Bが、そのマンションの1戸をAに無断で、Aの代理人として賃借人Cに売却した。
Cは、直接Aに対して追認するかどうか相当の期間内に返事をくれるよう催告をすることができるが、Cがこの催告をするには、代金を用意しておく必要がある。

A

誤り。 自己の債務の履行を準備しなくても、催告できる。

無権代理人の相手方には、催告権が認められています。しかし、催告をするにあたり、本肢のように自己の債務の履行を用意しておく必要があるとする旨の規定はありません(114 条参照)。

43
Q

Aが、A所有の1棟の賃貸マンションについてBに賃科の徴収と小修繕の契約の代理をさせていたところ、Bが、そのマンションの1戸をAに無断で、Aの代理人として賃借人Cに売却した。
Aが追認しない場合でも、CがBに代理権があると信じ、そう信じることについて正当な理由があるとき、Cは、直接Aに対して所有権移転登記の請求をすることができる。

A

正しい。 越権代理+相手方の善意無過失=表見代理。
代理人が与えられた権限を越えて行為をした場合、相手方が、代理権があると信じ、そのことに正当な理由があったときには、表見代理が成立し、本人に効力が及びます。したがって、Cが Bに売却の代理権があると信じ、そう信じることについて正当な理由があるときは、AC間に売買契約の効果が帰属しますので、Cは、直接Aに対して所有権移転登記の請求をすることができます(110 条)。

44
Q

Aが、A所有の1棟の賃貸マンションについてBに賃科の徴収と小修繕の契約の代理をさせていたところ、Bが、そのマンションの1戸をAに無断で、Aの代理人として賃借人Cに売却した。
Cは、Bの行為が表見代理に該当する場合であっても、Aに対し所有権移転登記の請求をしないで、Bに対しCの受けた損害の賠償を請求できる場合がある。

A

正しい。 善意無過失の相手方は、無権代理人に対して責任を追及できる。
無権代理について善意・無過失の相手方(無権代理人が悪意の場合は、有過失でもよい)は、無権代理人に対して、契約の履行の請求または損害賠償の請求をすることができます。また、善 意無過失の相手方は、表見代理の主張も認められています。この場合、無権代理人に対する責任追及と表見代理の主張のどちらをするかは、相手方が選択できることになっています(117 条、 判例)。

45
Q

Aは、Bの代理人として、Bの所有地をCに売却した。

Aが未成年者であって、法定代理人の同意を得ないで売買契約を締結した場合、Bは、Aに代理権を与えていても、その売買契約を取り消すことができる。

A

誤り。 代理人が制限行為能力者であることを理由に取消し不可。

制限行為能力者でも、代理人となることはできます。制限行為能力者を代理人として選んだ本人は、代理人が制限行為能力者であることを理由として、代理行為を取り消すことはできません(民法 102 条)。

46
Q

Aは、Bの代理人として、Bの所有地をCに売却した。

BがAに抵当権設定の代理権しか与えていなかったにもかかわらず、Aが売買契約を締結した場合、Bは、Cが善意無過失であっても、その売買契約を取り消すことができる。

A

誤り。 本人に取消権はない。

代理人が与えられた代理権の範囲を越えて代理行為をした場合、本人に取消権を認める規定はありません(115 条参照)。

47
Q

Aは、Bの代理人として、Bの所有地をCに売却した。
Aに代理権がないにもかかわらず、AがBの代理人と偽って売買契約を締結した場合、Bの追認により契約は有効となるが、その追認はCに対して直接行うことを要し、Aに 対して行ったときは、Cがその事実を知ったとしても、Bは、Cに対してその効力を主張することができない。

A

誤り。 追認は、相手方にしても無権代理人にしても、どちらでもよい。

無権代理行為に対する本人の追認は、相手方に対してするのが原則ですが、無権代理人に対して追認しても、相手方がこれを知っているときは、その効力を相手方に主張することができます(113 条、判例)。

48
Q

Aは、Bの代理人として、Bの所有地をCに売却した。

Aが代理権を与えられた後売買契約締結前に破産手続開始の決定を受けると、Aの代理権は消滅するが、Aの代理権が消滅しても、Cが善意無過失であれば、その売買契約はBC間に帰属する。

A

正しい。 代理人の破産→代理権消滅。
代理人が破産手続開始の決定を受けると、その代理人の代理権は消滅します(111 条)。代理権が消滅したにもかかわらず代理人として行った行為は無権代理行為となりますが、相手方が善意無過失であれば表見代理が成立し、その行為の効果は本人に帰属します(112 条)。

49
Q

Aが、Bの代理人として、Cとの間でB所有の土地の売買契約を締結した場合について。

AがBから土地売買の代理権を与えられていた場合で、所有権移転登記の申請についてCの許諾があったとき、Aは、B及びC双方の代理人として登記の申請をすることができる。

A

正しい。 双方代理でも、本人の不利益となるおそれのない行為は禁止されない。
本肢では、Aの「双方代理」が問題となります。双方代理をするには、本人の許諾が必要です (民法 108 条)。しかし、所有権の移転の登記の申請は、例外的に認められています(108 条、判例)。したがって、Aは、BおよびC双方の代理人として登記の申請をすることができます。

50
Q

Aが、Bの代理人として、Cとの間でB所有の土地の売買契約を締結した場合について。

AがBから抵当権設定の代理権を与えられ、実印、印鑑証明書等の交付を受けていた場合で、CがBC間の売買契約についてAに代理権ありと過失なく信じたとき、Cは、Bに対して土地の引渡しを求めることができる。

A

正しい。 越権代理+相手方の善意無過失=表見代理。

Aに土地売買の代理権はないので無権代理となりますが、相手方CがAに土地売買の代理権ありと過失なく信じたときは、表見代理が成立します(110 条、判例)。したがって、Cは、Bに対して土地の引渡しを求めることができます。

51
Q

Aが、Bの代理人として、Cとの間でB所有の土地の売買契約を締結した場合について。

Aが、Bから土地売買の代理権を与えられ、CをだましてBC間の売買契約を締結した場合は、Bが詐欺の事実を知っていたか否かにかかわらず、Cは、Bに対して売買契約を取り消すことができる。

A

正しい。 代理人が相手方を詐欺した場合、相手方は取消し可。

代理人が相手方を詐欺した場合、相手方は、その契約を取り消すことができます(101 条、判例)。代理人が相手方を詐欺したことを本人が知っていたかどうかは、問題になりません。したがって、Cは売買契約を取り消すことができます。

52
Q

Aが、Bの代理人として、Cとの間でB所有の土地の売買契約を締結した場合について。

Aが、Bから土地売買の委任状を受領した後、破産手続開始の決定を受けたのに、Cに当該委任状を示して売買契約を締結した場合、Cは、Aが破産手続開始の決定を受けたことを知っていたときでも、Bに対して土地の引渡しを求めることができる。

A

誤り。 表見代理の成立には、相手方の善意無過失が必要。
代理人が破産手続開始の決定を受けると、代理権は消滅します(111 条)。破産手続開始の決定を受けたにもかかわらず代理人として行った行為は無権代理行為となり、表見代理の成立が考え られます。しかし、本肢の場合、Cは悪意ですから、表見代理は成立しません。したがって、C は、本人Bに対して土地の引渡しを請求することはできません(112 条)。

53
Q

AがBの所有地を長期間占有している場合の時効取得について。

Aが善意無過失で占有を開始し、所有の意思をもって、平穏かつ公然に7年間占有を続けた後、Cに3年間賃貸した場合、Aは、その土地の所有権を時効取得することはできない。

A

誤り。 他人に占有させても、間接占有している。

本肢のAは善意無過失で占有を開始していますので、10 年の占有継続により所有権を時効取得できます。占有は直接占有に限らず間接占有でもよいため、直接占有7年と間接占有3年で、Aは土地の所有権を時効取得できます(民法 162 条)。

54
Q

AがBの所有地を長期間占有している場合の時効取得について。

Aが善意無過失で占有を開始し、所有の意思をもって、平穏かつ公然に7年間占有を続けた後、その土地がB所有のものであることを知った場合、Aは、その後3年間占有を続ければ、その土地の所有権を時効取得することができる。

A

正しい。 善意無過失か否かの判断は、占有開始時を基準とする。

占有開始時に善意無過失であれば、その後悪意に転じても、10 年の占有継続により所有権を時効取得できます(162 条)。

55
Q

AがBの所有地を長期間占有している場合の時効取得について。

Aが善意無過失で占有を開始し、所有の意思をもって、平穏かつ公然に7年間占有を続けた後、BがDにその土地を売却し、所有権移転を完了しても、Aは、その後3年間占有を続ければ、その土地の所有権を時効取得し、Dに対抗することができる。

A

正しい。 時効完成前の第三者と時効取得者は当事者の関係。

本肢のDはAの取得時効完成前にBから売却を受けていますので、「時効完成前の第三者」にあたります。時効完成前の第三者に対しては、登記なくして時効取得を対抗できます(177 条、判例)。

56
Q

AがBの所有地を長期間占有している場合の時効取得について。

Aが20年間平穏かつ公然に占有を続けた場合においても、その占有が賃借権に基づくもので所有の意思がないときは、Bが賃料を請求せず、Aが支払っていないとしても、 Aは、その土地の所有権を時効取得することができない。

A

正しい。 所有の意思がなければ、所有権の時効取得はできない。

賃借権に基づく占有では、所有の意思が認められないため、所有権を時効取得することはできません(162 条、判例)。

57
Q

AがBに対して有する100万円の貸金債権の消滅時効について。

Aが弁済期を定めないで貸し付けた場合、Aの債権は、いつまでも時効によって消滅することはない。

A

誤り。 弁済期の定めのない消費貸借の場合、債権成立後相当の期間が経過した時から進行。

弁済期の定めのない消費貸借の場合、債権者は相当期間経過後に請求できるので(591条)、債権成立後相当の期間が経過した時から消滅時効が進行します。

58
Q

AがBに対して有する100万円の貸金債権の消滅時効について。

AがBとの契約時に、当該貸金債権につき消滅時効の利益はあらかじめ放棄する旨約定した場合、その約定に法的効力が認められる。

A

誤り。 時効の利益は、あらかじめ放棄できない。

時効の利益は、あらかじめ放棄することはできません。したがって、本肢の約定には法的な効力は認められず、無効となります(146 条)。

59
Q

AがBに対して有する100万円の貸金債権の消滅時効について。

Cが自己所有の不動産にAの債権の担保として抵当権を設定(物上保証)している場合、Cは、Aの債権の消滅時効を援用してAに抵当権の抹消を求めることができる。

A

正しい。 物上保証人は、時効援用権者。

物上保証人は、被担保債権の消滅時効を援用できます(145 条)。

60
Q

AがBに対して有する100万円の貸金債権の消滅時効について。

AがBの不動産に抵当権を有している場合に、Dがこの不動産に対して強制執行の手続を行ったときは、Aがその手続に債権の届出をしただけで、Aの債権の時効は更新される。

A
誤り。 時効更新事由は、
1,裁判の確定等
2,強制執行等の終了
3,承認
民法上、時効の更新事由は、
1,裁判上の請求等
2,強制執行等
3,承認があります(147、148、152 条)。
本肢では、抵当権者Aは、他の債権者Dが行った強制執行手続に対して自らの債権を届け出ていますが、これは上記1~3の時効更新事由には該当しません(判例)。よって、Aの債権の時効は更新されません。
61
Q

AのBに対する債権(連帯保証人C)の時効の完成猶予及び更新について。

AがCに対して訴訟により弁済を求めた場合、Bの債務についても、時効の完成猶予の効力が生じる。

A

誤り。 連帯保証人に対する「請求」→主たる債務者に効力は及ばない。

債権者が連帯保証人に請求した場合、その請求の効力(時効の完成猶予)は主たる債務者に及びません。したがって、債権者Aが連帯保証人Cに請求しても、その効力は主たる債務者Bに及びません。(民法 458 条、434 条、147 条)。

62
Q

AのBに対する債権(連帯保証人C)の時効の完成猶予及び更新について。

AがBに対して訴訟により弁済を求めても、その訴えが却下された場合は、時効の更新の効力は生じない。

A

正しい。 訴え却下または取下げの場合は、時効は更新されない。

裁判上の請求等により確定判決等によって権利が確定したときは、消滅時効は更新しますが、 その訴えが却下または取下げられた場合は、時効の更新の効力は生じません(147 条)。

63
Q

AのBに対する債権(連帯保証人C)の時効の完成猶予及び更新について。

AがBに対して訴訟により弁済を求めた場合、Cの債務についても、時効の完成猶予の効力を生じる。

A

正しい。 主たる債務者に対する請求の効力は、保証人にも及ぶ。

主たる債務者に対する請求の効力は、付従性により、保証人に及びます(457 条)。したがって、保証人の債務についても、時効の完成猶予の効力が生じます。

64
Q

AのBに対する債権(連帯保証人C)の時効の完成猶予及び更新について。

BがAに対して権利の承認をした場合、Bが被保佐人であって、保佐人の同意を得ていなくても、時効の更新の効力を生じる。

A

正しい。 被保佐人の承認でも、時効が更新される。

承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないことは必要ありません。したがって、被保佐人が単独でした承認により時効は更新されます(152 条)。

65
Q

時効について。Aから甲土地を借りていたBが死亡し、甲土地が借地であることを知らないBの相続人Cが甲土地を相続により取得したと考えて利用していたとしても、CはBの借地人の地位を相続するだけなので、甲土地の所有権を時効で取得することはない。

A

誤り。 相続による自主占有への転換。
物の所有権を時効取得するには、所有の意思のある占有を継続する必要があります(民法 162条)。しかし、被相続人の占有が所有の意思のない占有であった場合でも、相続人が新たに相続 財産を事実上支配することによって占有を開始し、その占有に所有の意思があると認められれば、 相続人は、所有の意思をもって占有を始めたといえます(162 条、185 条、判例)。よって、本肢のCは、土地の所有権を時効取得できる場合もあります。

66
Q

時効について。DがEの所有する乙土地を時効取得する場合、取得時効による所有権の取得は、原始取得であるが、その土地が農地である場合には、Dは、農地法に基づく許可を受けたときに限り、時効によって乙土地の所有権を取得することができる。

A

誤り。 農地の所有権を時効取得するのに、農地法の許可は不要。

取得時効による所有権の取得には、農地法の許可を受ける必要はありません(判例)。

67
Q

時効について。Fが丙土地に所有権を有する場合、その所有権は、取得のときから20年間行使しなかった場合、時効により消滅する。

A

誤り。 所有権は、消滅時効にかからない。

所有権が、時効により消滅することはありません(166 条)。

68
Q

時効について。GがHに対して貸金債権を有する場合、当該債権の消滅時効が完成した後に権利の承認があった場合には、Hが時効完成の事実を知らなかったとしても、Hは完成した消滅時効を援用することはできない。

A

正しい。 時効完成を知らずに承認→時効援用権喪失。

時効完成後に権利の承認があった場合、時効完成の事実を知らなかったときでも、消滅時効の援用はできなくなります(145 条、判例)。

69
Q

A・B・C3人の建物の共有(持分均一)について。

その建物の増築は、A・B・C3人の持分価格の過半数の同意があれば、することができる。

A

誤り。 増築は変更行為→全員の同意が必要。

共有建物の増改築は変更・処分行為にあたり、これを行うには共有者全員の同意が必要になります(民法 251 条)。

70
Q

A・B・C3人の建物の共有(持分均一)について。

その建物をDに賃貸している場合において、Dに賃貸借契約解除の事由があるときは、Aは、B及びCの同意を得ることなく、Dとの契約を解除することができる。

A

誤り。 共有物の賃貸借の解除は利用改良行為→持分過半数の同意が必要。
共有物の賃貸借の解除は利用改良行為にあたり、これを行うには持分の過半数の同意が必要になります(252 条)。本問ではABC3人の持分は均一であり、Aの持分は3分の1ですので、A は少なくともBまたはCどちらか一方の同意を得なければ、賃貸借を解除することはできません。

71
Q

A・B・C3人の建物の共有(持分均一)について。

A・B・Cは、その合意により建物の分割をしない契約をすることができるが、その期間は5年を超えることができず、また、更新することができない。

A

誤り。 不分割契約は、更新できる。

各共有者は、いつでも共有物の分割を請求できますが、5年を超えない期間内は、分割をしない旨の契約(不分割契約)をすることもできます。また、不分割契約は、更新することもできます(256 条)。

72
Q

A・B・C3人の建物の共有(持分均一)について。

その建物の管理に関してAがB及びCに債務を負っている場合、B及びCは、Aがその債務を支払わずに持分をEに譲渡しても、Eに対して、その債務の支払いを請求することができる。

A

正しい。 共有物に関する債権は、特定承継人に行使できる。

共有者の一人が他の共有者に対して共有物に関する債権(共有物の修理代等)を有するときは、 債務者たる共有者の特定承継人(その共有者から持分の譲渡を受けた者など)に対しても債権を行使できます(254 条)。

73
Q

A・B・C3人の土地の共有(持分均一)について。

Aの反対にかかわらず、B及びCが同意して管理行為(利用・改良行為)を行った場合、Aは、その費用の分担を拒むことができる。

A

誤り。 各共有者は、その持分に応じ、管理費用を負担する。

共有物の利用・改良行為については持分の価格に従いその過半数で決し、その費用は持分に応じて各共有者が分担する義務を負います(民法 252 条、253 条)。したがって、Aは、管理費用の負担を拒むことはできません。

74
Q

A・B・C3人の土地の共有(持分均一)について。

Dが不法に土地を占拠した場合、Bは、Dに対し、単独で土地の明渡請求をすることができる。

A

正しい。 不法占拠者に対する明渡請求→保存行為なので単独で可。

共有土地の不法占拠者に対する明渡請求は、共有物の保存行為にあたりますので、各共有者は単独で行うことができます(252 条、判例)。

75
Q

A・B・C3人の土地の共有(持分均一)について。

Cが相続人なくして死亡し、特別縁故者に対する財産分与もなされない場合、Cの持分は、A及びBに帰属する。

A

正しい。 放棄された持分は、他の共有者に帰属する。

共有者の一人が持分を放棄したり、相続人なくして死亡し特別縁故者に対する財産分与もなされない場合は、持分は他の共有者に帰属します(255 条、判例)。

76
Q

A・B・C3人の土地の共有(持分均一)について。

Aは、特約がなければ、いつでも土地の分割を請求することができる。

A

正しい。 各共有者は、いつでも分割請求できる。

各共有者は、原則として、いつでも共有物の分割を請求することができます(256 条)。

77
Q

A、B及びCが、建物を共有している場合(持分を各3分の1とする。)について。

Aは、BとCの同意を得なければ、この建物に関するAの共有持分権を売却することはできない。

A

誤り。 共有持分は、各共有者が単独で処分できる。

持分は、各共有者が単独で有する権利ですから、他の共有者の同意を得ることなく、自由に譲渡することができます。したがって、Aは、B・Cの同意を得なくても、この建物に関するАの共有持分権を売却することができます(民法 206 条)。

78
Q

A、B及びCが、建物を共有している場合(持分を各3分の1とする。)について。

Aは、BとCの同意を得なければ、この建物に物理的損傷及び改変などの変更を加えることはできない。

A

正しい。 共有物の変更は、共有者全員の同意が必要。

共有物に変更を加える場合には、他の共有者全員の同意が必要です。したがって、Aは、Bと Cの同意を得なければ、建物に物理的損傷および改変などの変更を加えることはできません (251 条)。

79
Q

A、B及びCが、建物を共有している場合(持分を各3分の1とする。)について。

Aが、その共有持分を放棄した場合、この建物は、BとCの共有となり、共有持分は各2分の1となる。

A

正しい。 放棄された持分は、他の共有者に帰属する。

共有者の1人がその持分を放棄したときは、その放棄した持分は、他の共有者に持分の割合に応じて帰属します。したがって、Аが、共有持分を放棄した場合、建物は、BとCの共有となり、共有持分は各1/2となります(255 条)。

80
Q

A、B及びCが、建物を共有している場合(持分を各3分の1とする。)について。

各共有者は何時でも共有物の分割を請求できるのが原則であるが、5年を超えない期間内であれば分割をしない旨の契約をすることができる。

A

正しい。 5年を超えない期間で、分割禁止の特約ができる。

各共有者はいつでも共有物の分割を請求することができるのが原則です。ただし、共有者全員で、5年を超えない期間内で分割をしない旨の特約をすることができます。その場合、その期間内は分割を請求することができません(256 条)。