Season 2 Episode 1 Flashcards
意思無能力者又は制限行為能力者について。
意思能力を欠いている者が土地を売却する意思表示を行った場合、その親族が当該意思表示を取り消せば、取消しの時点から将来に向かって無効となる。
誤り。 意思無能力者の行為は、当然に無効。
意思能力を欠いている者がした意思表示は、取り消すまでもなく当然に無効です(民法3条の2)。したがって、取消しは、そもそも問題となりません。
意思無能力者又は制限行為能力者について。
未成年者が土地を売却する意思表示を行った場合、その未成年者が婚姻をしていても、親権者が当該意思表示を取り消せば、意思表示の時点にさかのぼって無効となる。
誤り。 婚姻により、成年者とみなされる。
未成年者が婚姻をした場合は、成年者とみなされます。したがって、未成年者であることを理由に、意思表示を取り消すことはできません(753 条)。
意思無能力者又は制限行為能力者について。
成年被後見人が成年後見人の事前の同意を得て土地を売却する意思表示を行った場合、成年後見人は、当該意思表示を取り消すことができる。
正しい。 成年後見人の同意があっても、取り消すことができる。
成年被後見人のした意思表示は、日用品の購入など日常生活に関する法律行為を除いて、たとえ成年後見人の同意を得ていても、取り消すことができます。なぜなら、成年被後見人は事理を弁識する能力を欠く常況にあるため、同意したとおりに意思表示をするとは限らないからです (9条、120 条)。
意思無能力者又は制限行為能力者について。
被保佐人が保佐人の事前の同意を得て土地を売却する意思表示を行った場合、保佐人は、当該意思表示を取り消すことができる。
誤り。 保佐人の同意を得ると、取り消すことができない。
被保佐人が保佐人の事前の同意を得てした土地の売却の意思表示(重要な財産上の行為)は、取り消すことがきません(13 条)。
A所有の土地が、AからB、Bから善意無過失のCへと売り渡され、移転登記もなされている。
Aが成年被後見人の場合、Aは、契約の際完全な意思能力を有していても、AB間の契約を取り消し、Cに対して所有権を主張することができる。
正しい。 成年被後見人の行為は、日常行為以外は取り消すことができる。
成年被後見人の行為は、契約の際完全に意思能力を有している状態で行ったものであっても、取り消すことができます。また、その取消しは善意無過失の第三者にも対抗できます(民法9条)。
A所有の土地が、AからB、Bから善意無過失のCへと売り渡され、移転登記もなされている。
Aが未成年者の場合、Aは、法定代理人の同意を得ずに契約していても、成年に達すれば、AB間の契約を取り消すことができなくなる。
誤り。 追認できる時から5年で、取消権消滅。
取消権は、追認をすることができる時から5年間行使しないとき(行為の時から 20 年経過したとき)は、時効によって消滅します。成年に達すると、その時から追認できるようになりますが、その後なお5年間は取り消すことができますので、本肢は誤りです(126 条)。
A所有の土地が、AからB、Bから善意無過失のCへと売り渡され、移転登記もなされている。
Aの意思表示はその意思表示に対応する意思を欠く錯誤によるもので、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものである場合、Aは、重大な過失がなければ、AB間の契約を取り消すことができるが、その取消しをもってCに対抗することはできない。
正しい。 錯誤の取消しは、善意無過失の第三者には対抗できない。
錯誤による取消しは、善意無過失の第三者には対抗することができません。(95 条)。
A所有の土地が、AからB、Bから善意無過失のCへと売り渡され、移転登記もなされている。
Aが差押えを免れるため、Bと通謀して登記名義をBに移した場合、Aは、AB間の契約の無効を主張することはできるが、Cに対して所有権を主張することはできない。
正しい。 虚偽表示の無効は善意の第三者に対抗できない。
虚偽表示の無効を、善意の第三者に主張することはできません(94 条)。本肢のCは、善意の第三者です。
A所有の土地が、AからB、BからCへ売り渡され、移転登記もなされてい る。
Aが債権者の差押えを免れるため、Bと通謀して、登記名義を移転しているとき、Cがそのことにつき悪意なら、Aは、Cに対しAB間の売買契約の無効を主張することができる。
正しい。 虚偽表示の無効は、善意の第三者に対抗できない。
虚偽表示の無効を対抗できないのは、「善意の第三者」に対してです。悪意の第三者に対しては、無効を主張することができます(民法 94 条)。
A所有の土地が、AからB、BからCへ売り渡され、移転登記もなされてい る。
AB間の売買契約でAの意思表示に対応する意思を欠く錯誤があり、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであれば、Aは、常に錯誤による当該意思表示の取消しをすることができる。
誤り。 表意者に重過失があると、原則として錯誤の取消しはできない。
意思表示に錯誤があり、その錯誤が法律行為の目的および取引上の社会通念に照らして重要なものである場合、その意思表示を取り消すことができます。ただし、錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合は、原則として、錯誤による意思表示の取消しはできません。(95 条)。
A所有の土地が、AからB、BからCへ売り渡され、移転登記もなされてい る。
AがBの詐欺により当該土地を売却する意思表示をしたとき、Cがそのことにつき善意無過失なら、Aは、Bに対しても取消しを主張することができない。
誤り。 当事者間では、詐欺取消しを主張できる。
詐欺を理由とする取消しは、善意無過失の第三者に対抗することはできません(96 条)。しかし、あくまで第三者に対する関係で取消権が制限されるだけであり、当事者間では取消しを主張することができます。したがって、Aは、善意無過失の第三者であるCに対しては、取消しを対抗することはできませんが、当事者であるBに対しては、取消しを主張することができますので、 本肢は誤りです。
A所有の土地が、AからB、BからCへ売り渡され、移転登記もなされてい る。
AがBの強迫により当該土地を売却する意思表示をしたとき、Cがそのことについて善意なら、Aは、Cに対して強迫による取消しを対抗することができない。
誤り。 強迫の取消しは、善意の第三者にも主張できる。
強迫を理由とする取消しは、善意の第三者にも対抗することができます(96 条)。
Aが、その所有地について、債権者Bの差押えを免れるため、Cと通謀して、 登記名義をCに移転したところ、Cは、その土地をDに譲渡した。
AC間の契約は無効であるから、Aは、Dが善意であっても、Dに対し所有権を主張することができる。
誤り。 虚偽表示の無効は、善意の第三者に対抗できない。
虚偽表示による無効は、善意の第三者に対抗できません。本肢のDは善意の第三者です(民法9 4 条 )。
Aが、その所有地について、債権者Bの差押えを免れるため、Cと通謀して、 登記名義をCに移転したところ、Cは、その土地をDに譲渡した。
Dが善意であっても、Bが善意であれば、Bは、Dに対し売買契約の無効を主張することができる。
誤り。 虚偽表示の無効は、善意の第三者に対抗できない。
肢1同様、本肢のDは善意の第三者ですので、虚偽表示による無効をDに主張することはできません。たとえ(善意の)債権者でも、善意の第三者には対抗することはできません(94 条、判例)。
Aが、その所有地について、債権者Bの差押えを免れるため、Cと通謀して、 登記名義をCに移転したところ、Cは、その土地をDに譲渡した。
Dが善意であっても、Dが所有権移転の登記をしていないときは、Aは、Dに対し所有権を主張することができる。
誤り。 第三者は、善意であれば保護される。
虚偽表示においては、第三者は善意であれば保護されます。登記を備える必要はありません(94 条、判例)。本肢のDは善意である以上、保護されます。
Aが、その所有地について、債権者Bの差押えを免れるため、Cと通謀して、 登記名義をCに移転したところ、Cは、その土地をDに譲渡した。
Dがその土地をEに譲渡した場合、Eは、Dの善意悪意にかかわらず、Eが善意であれば、Aに対し所有権を主張することができる。
正しい。 転得者も、善意であれば保護される。
虚偽表示においては、第三者からの転得者も、善意であれば保護されます。なお、第三者が悪意でも、転得者は善意であれば保護されます(判例)。本肢のEは善意の転得者ですので、Dの善意悪意にかかわらず、保護されます。
意思表示について。
A所有の土地が、AからB、BからCへと売り渡された場合において、AB間の売買契約が通謀による仮装のものであるときは、Cは、善意であれば、所有権移転の登記を受けていなくとも、Aに対して当該土地の所有権を主張することができる。
正しい。 第三者は、善意であれば保護される。
虚偽表示においては、第三者は善意であれば保護されます。登記を備える必要はありません(民法 94 条、判例)。
意思表示について。
AがBと通謀して、その所有する土地をBに仮装譲渡した場合、Bからその土地を買い受けたCが、そのことにつき悪意でも、Aは、Cからさらにその土地を買い受けた善意のDに対して、AB間の売買契約の無効を主張することができない。
正しい。 転得者も、善意であれば保護される。
虚偽表示においては、第三者からの転得者も、善意であれば保護されます(判例)。なお、第三者が善意であれば、転得者は悪意でも保護されます(判例)。
意思表示について。
意思表示に対応する意思を欠く錯誤で、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものである場合、その意思表示をした者は、過失があるときは、常にその意思表示を取り消すことはできない。
誤り。 重過失があると、錯誤の取消しはできない。
錯誤は、表意者に「重過失」があれば、原則として取り消すことはできません(95 条)。単なる「過失」があるにすぎない(軽過失にすぎない)場合には、取り消すことができます。
意思表示について。
Aが、Eの詐欺に基づき、Bと土地の売買契約を締結した場合、Aは、Bが悪意のときは、当該売買契約を取り消すことができる。
正しい。 第三者の詐欺の場合、相手方が悪意または有過失の場合に限って、取消しできる。
第三者が詐欺を行った場合は、相手方が悪意または善意有過失の場合に限って、取り消すことができます。したがって、相手方Bが悪意であれば、取り消すことができます(96 条)。
Aが、Bの詐欺によって、A所有の建物をCに売却する契約をした場合について。
Aは、Bが詐欺をしたことをCが知ることができたときは、当該売買契約の取消しをすることができる。
正しい。 第三者の詐欺は、相手方が悪意または有過失の場合に限って、取消しできる。
第三者が詐欺を行った場合は、相手方が悪意または善意有過失の場合に限って、取り消すことができます。したがって、Aは、Bが詐欺をしたことをCが知ることができた(善意有過失)ときは、売買契約を取り消すことができます(民法 96 条)。
Aが、Bの詐欺によって、A所有の建物をCに売却する契約をした場合について。
AがCに所有権移転登記を済ませ、CがAに代金を完済した後、詐欺による有効な取消しがなされたときには、登記の抹消と代金の返還は同時履行の関係になる。
正しい。 取消後の原状回復義務は、同時履行の関係に立つ。
売買契約が詐欺を理由として取り消された場合、当事者双方の原状回復義務は、同時履行の関係に立ちます。したがって、Cの登記の抹消とAの代金の返還は、同時履行となります(96 条、 121 条の2、533 条、判例)。
Aが、Bの詐欺によって、A所有の建物をCに売却する契約をした場合について。
Aは、詐欺に気が付いていたが、契約に基づき、異議を留めることなく所有権移転登記手続をし、代金を請求していた場合、詐欺による取消しをすることはできない。
正しい。 履行や請求をすると、追認したこととなる(法定追認)。
だまされて契約をした者は、だまされたことに気付いた時に、その契約を取り消すことも、追認することもできます。また、追認の意思表示がなくても、なんら異議を主張することなく所有権移転登記手続きを行い、代金の請求をした場合は、契約を追認したものとみなされます。これを「法定追認」といい、いったん追認があれば、もはや取消しはできません(122 条、125条)。
Aが、Bの詐欺によって、A所有の建物をCに売却する契約をした場合について。
Cが当該建物を、詐欺について善意無過失のDに転売して所有権移転登記を済ませても、Aは詐欺による取消しをして、Dから建物の返還を求めることができる。
誤り。 詐欺による取消しをしても、善意無過失の第三者に対抗できない。
詐欺による取消しは、善意無過失の第三者に対抗することができません。したがって、Aは、第三者Bの詐欺を理由にCとの契約を取り消すことができる場合であっても、善意無過失の第三者Dに対して建物の返還を求めることはできません(96条)。
Aが、Bに代理権を授与してA所有の土地を売却する場合について。
Bが未成年者であるとき、Bは、Aの代理人になることができない。
誤り。 未成年者でも、代理人になることができる。
制限行為能力者であっても代理人となることができます。したがって、未成年者Bは、Aの代理人となることができます(民法 102 条)。
Aが、Bに代理権を授与してA所有の土地を売却する場合について。
Bは、自己の責任により、自由に復代理人を選任することができる。
誤り。 任意代理では、自由に復代理人を選任できない。
代理権を授与されて代理人になった場合(任意代理)、原則として復代理人を選任することはできません。代理人は本人の許諾を得るか、やむを得ない事由がある場合に限り、復代理人を選任することができます(104 条)。
Aが、Bに代理権を授与してA所有の土地を売却する場合について。
Bは、Aの許諾があれば、この土地の買主になることができる。
正しい。 自己契約は、原則禁止。
代理人が当事者の一方となること(自己契約)は、原則としてできません(無権代理行為とみなされます)。本人の利益が害されるおそれがあるからです。もっとも、本人があらかじめ許諾している場合は、許されます(108 条)。
Aが、Bに代理権を授与してA所有の土地を売却する場合について。
Bは、Aが死亡した後でも、Aの代理人としてこの土地を売却できる。
誤り。 本人の死亡で、代理権は消滅する。
本人が死亡すると、代理権は消滅します。したがって、Bは、本人Aの死亡後に代理人として土地を売却することはできません(111 条)。
復代理人について。
未成年者の父母のような法定代理人は、いつでもその責任のもとに復代理人を選任できる。
正しい。 法定代理人は、復代理人を自由に選任できる。
法定代理人は、自己の責任をもって自由に復代理人を選任できます(民法 105 条)。
復代理人について。
委任契約等による任意代理人は、本人の許諾があるか、あるいは、やむをえない事情があるときでなければ復代理人を選任することができない。
2 正しい。 任意代理人は、復代理人を選任できないのが原則。
任意代理人は、復代理人を選任できないのが原則です。しかし、
1,本人の許諾があるとき
2,やむを得ない事由があるときは、例外的に選任できます(104 条)。
復代理人について。
復代理人は代理人により選任されるのであるから、代理人の代理権の範囲をこえる権限をもつことはできない。
正しい。 復代理人の権限は、代理人の権限内にとどまる。
復代理人の代理権は、代理人の代理権に基づくものであり、復代理人の代理権の範囲は、代理人の代理権の範囲を超えることはできません(106 条)。
復代理人について。
代理人が復代理人を適法に選任したときは、復代理人は本人に対して、代理人と同一の権利を有し、義務を負うため、代理人の代理権は消滅する。
誤り。 復代理人を選任しても、代理人の代理権は消滅しない。
代理人の代理権は、復代理人を選任したからといって消滅するわけではありません(106 条参照)。