Season 4 Episode 1 Flashcards

1
Q

未成年者について。父母とまだ意思疎通することができない乳児は、不動産を所有することができない。

A

誤り。 出生した者は乳児であっても物を所有することができる。

私権の享有は、出生に始まります。つまり、出生した者は所有者となることができます。意思疎通できない乳児であっても同様です。

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2
Q

未成年者について。営業を許可された未成年者が、その営業のための商品を仕入れる売買契約を有効に締結するには、父母双方がいる場合、父母のどちらか一方の同意が必要である。

A

誤り。 営業を許可された未成年者は、父母の同意不要。

営業を許可された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有します。その結果、父母の同意を得ることなく、その営業のための契約を有効に締結することができます。

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3
Q

未成年者について。男は18歳に、女は16歳になれば婚姻することができるが、父母双方がいる場合には、必ず父母双方の同意が必要である。

A

誤り。 未成年者が婚姻をする場合の父母の同意は、一方でよい。

未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければなりません。ただし、父母の一方が同意しないときは、他の一方の同意だけで足ります。また、父母の一方が知れないとき、死亡したとき、又はその意思を表示することができないときも、同様です。

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4
Q

未成年者について。Aが死亡し、Aの妻Bと嫡出でない未成年の子CとDが相続人となった場合に、CとDの

親権者である母EがCとDを代理してBとの間で遺産分割協議を行っても、有効な追認がない限り無効である。

A

正しい。 親権者が数人の子を代理して遺産分割協議→利益相反。 親権者が共同相続人である数人の子を代理して遺産分割の協議をすることは、1人の子と他の子の利益とが相反する行為にあたりますから、追認がない限り、無効となります。

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5
Q

民法第95条第1項は、意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
一,意思表示に対応する意思を欠く錯誤、
二,表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤と定めている。
意思表示をなすに当たり、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、原則として、自らその取消しを主張することができない。

A

正しい。 表意者に重大な過失があると、原則として、取消しを主張できない。
錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、
1,相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき、
2,相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたときを除き、意思表示の取消しをすることができません。
したがって、表意者に重大な過失があったときは、原 則として、自らその取消しを主張することができません。

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6
Q

民法第95条第1項は、意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
一,意思表示に対応する意思を欠く錯誤、
二,表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤と定めている。
表意者自身において、その意思表示に瑕疵を認めず、民法第95条に基づく意思表示の取消しを主張する意思がない場合は、第三者がその意思表示の取消しを主張することはできない。

A

正しい。 錯誤による取消しは、表意者その他一定の者に限られる。

錯誤、詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵ある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り、取り消すことができます。

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7
Q

民法第95条第1項は、意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
一,意思表示に対応する意思を欠く錯誤、
二,表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤と定めている。
意思表示をなすについての動機は、表意者が当該意思表示の内容とし、かつ、その旨を相手方に明示的に表示した場合は、法律行為の基礎となる。

A

正しい。 動機の錯誤に基づく取消しは、表示されていたときに限り可。

表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤(=いわゆる動機の錯誤)に基づく意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができます。

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8
Q

民法第95条第1項は、意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
一,意思表示に対応する意思を欠く錯誤、
二,表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤と定めている。
意思表示をなすについての動機は、表意者が当該意思表示の内容としたが、その旨を相手方に黙示的に表示したにとどまる場合は、法律行為の基礎とならない。

A

誤り。 動機の表示は、黙示でもよい。
3で述べたように、表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤(=いわゆる動機の錯誤)に基づく意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができます。この表示は、黙示的なものでもかまいません。

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9
Q

AがA所有の土地の売却に関する代理権をBに与えた場合について。

Bが自らを「売主Aの代理人B」ではなく、「売主B」と表示して、買主Cとの間で売買契約を締結した場合には、Bは売主Aの代理人として契約しているとCが知っていても、売買契約はBC間に成立する。

A

誤り。 相手方が悪意であれば、顕名しなくても有効。

代理人Bが自らを売主と表示して契約を締結した場合であっても、相手方Cが、Bは本人Aの代理人として契約をしていることを知っていたときは、売買契約の効力はAC間に帰属します。

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10
Q

AがA所有の土地の売却に関する代理権をBに与えた場合について。

Bが自らを「売主Aの代理人B」と表示して買主Dとの間で締結した売買契約について、Bが未成年であったとしても、制限行為能力者ではないAは、Bが未成年であることを理由に取り消すことはできない。

A

正しい。 代理人が制限行為能力者であることを理由に取消し不可。
制限行為能力者が代理人としてした行為は、原則として、行為能力の制限によっては取り消すことができません。なぜなら、代理人の契約から生じた権利義務はすべて本人に帰属するため、代理人が不利益を受けることはないからです。ただし、制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為については、この限りではありません。したがって、制限行為能力者でない本人Aは、代理人B が未成年者であることを理由に、売買契約を取り消すことはできません。

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11
Q

AがA所有の土地の売却に関する代理権をBに与えた場合について。

Bは、自らが選任及び監督するのであれば、Aの意向にかかわらず、いつでもEを復代理人として選任して売買契約を締結させることができる。

A

誤り。 復代理人の選任は、本人の許諾又はやむを得ない場合。

本問のBは、Aから代理権を授与されている任意代理人です。任意代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事情があるときでなければ、復代理人を選任することはできません。

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12
Q

AがA所有の土地の売却に関する代理権をBに与えた場合について。

Bは、Aに損失が発生しないのであれば、Aの意向にかかわらず、買主Fの代理人にもなって、売買契約を締結することができる。

A

誤り。 双方代理は原則無権代理。例外は、債務の履行と本人双方の許諾。
同一の法律行為について、当事者双方の代理人としてした行為は、原則として、代理権を有しない者 がした行為(無権代理行為)とみなされます。ただし、
1,債務の履行のように、新たに本人に不利益を与えない場合か、
2,本人(両当事者)があらかじめ許諾した場合は、双方の代理人となることができます。
本肢の場合は、Aに損失が発生しなくても、Fには損失が生じる可能性があるため、AとF双方のあらかじめの許諾が必要とされます。

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13
Q

A所有の甲土地を占有しているBによる権利の時効取得について。

Bが父から甲土地についての賃借権を相続により承継して賃料を払い続けている場合であっても、相続から20年間甲土地を占有したときは、Bは、時効によって甲土地の所有権を取得することができる。

A

誤り。 賃料を支払い続けている場合は、所有の意思はない。
20 年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得します。このように、所有権を時効によって取得するためには、「所有の意思」が必要です。この「所有の意思」の有無は、外観的・客観的に判断されます。すると、本肢では「賃料を払い続けている」のですから、外観的・客観的にみて、占有者が他人の所有権を排斥して占有する意思を有していなかったと解されますので、所有の意思はありません。

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14
Q

A所有の甲土地を占有しているBによる権利の時効取得について。

Bの父が11年間所有の意思をもって平穏かつ公然に甲土地を占有した後、Bが相続によりその占有を承継し、引き続き9年間所有の意思をもって平穏かつ公然に占有していても、Bは、時効によって甲土地の所有権を取得することはできない。

A

誤り。 前の占有者の占有を併せて主張することもできる。
占有者の承継人は、その選択に従って、自己の占有のみを主張し、又は自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張することができます。したがって、本肢のBは、自己の9年間の占有にBの父の 11 年間の占有を併せて、合計 20 年間の占有を主張して、時効によって甲土地の所有権を取得することができます。

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15
Q

A所有の甲土地を占有しているBによる権利の時効取得について。

Aから甲土地を買い受けたCが所有権の移転登記を備えた後に、Bについて甲土地所有権の取得時効が完成した場合、Bは、Cに対し、登記がなくても甲土地の所有者であることを主張することができる。

A

正しい。 時効完成前の第三者に対しては、登記がなくても対抗可能。

第三者が登記をした後に時効が完成した場合は、占有者(時効取得者)は、その第三者(=時効完成前の第三者)に対して、登記をしなくても時効取得を対抗することができます。

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16
Q

A所有の甲土地を占有しているBによる権利の時効取得について。

甲土地が農地である場合、BがAと甲土地につき賃貸借契約を締結して20年以上にわたって賃料を支払って継続的に耕作していても、農地法の許可がなければ、Bは、時効によって甲土地の賃借権を取得することはできない。

A

誤り。 土地の賃借権の時効取得に、農地法の許可は不要。
所有権以外の財産権も、取得時効によって取得することができます。そして、土地の継続的な用益という外形的事実が存在し、かつ、それが賃借の意思に基づくものであることが客観的に表現されているときは、土地の賃借権も、時効により取得することができます。土地の賃借権の時効取得を認めるための要件が満たされた場合、その者の継続的な占有を保護すべきものとして賃借権の時効取得を認めることは、農地法による規制の趣旨に反するものではありませんから、時効により賃借権を取得する場合には、農地法の許可は不要です。

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17
Q

不動産の共有について。共有物の各共有者の持分が不明な場合、持分は平等と推定される。

A

正しい。 各共有者の持分は、相等しいものと推定される。

各共有者の持分は、相等しいものと推定されます。したがって、各共有者の持分が不明な場合、持分は平等と推定されます。

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18
Q

不動産の共有について。各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。

A

正しい。 他の共有者の全ての同意がなければ、共有物の変更は不可。

各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができません。

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19
Q

不動産の共有について。共有物の保存行為については、各共有者が単独ですることができる。

A

正しい。 保存行為は、各共有者が単独で行うことができる。

共有物の管理に関する事項は、共有物の変更の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決します。ただし、保存行為は、各共有者がすることができます。

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20
Q

不動産の共有について。共有者の一人が死亡して相続人がないときは、その持分は国庫に帰属する。

A

誤り。 共有者の一人が持分放棄・相続人なしで死亡→持分は他の共有者に帰属する。

共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属します。したがって、国庫に帰属するわけではありません。

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21
Q

A所有の甲土地についての所有権移転登記と権利の主張について。

甲土地につき、時効により所有権を取得したBは、時効完成前にAから甲土地を購入して所有権移転登記を備えたCに対して、時効による所有権の取得を主張することができない。

A

誤り。 時効完成前の第三者と時効取得者は当事者の関係。

Bの取得時効が完成する前にA→Cに譲渡がされていた場合、時効取得者Bと、時効完成時点の所有者Cは、契約当事者と同視できます。したがって、Bは登記がなくても、時効取得による所有権をCに主張することができます。

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22
Q

A所有の甲土地についての所有権移転登記と権利の主張について。

甲土地の賃借人であるDが、甲土地上に登記ある建物を有する場合に、Aから甲土地を購入したEは、所有権移転登記を備えていないときであっても、Dに対して、自らが賃貸人であることを主張することができる。

A

誤り。 賃貸人たる地位を主張するには、登記が必要。
賃借人Dは、借地上に登記ある建物を有しているため、対抗要件を備えた賃借人です。他方、Dに賃貸している不動産を所有者Aから譲り受けたEは、賃貸人たる地位をも譲り受けます。しかし、Eが賃貸人たる地位を賃借人Dに主張するには、その所有権の移転登記を受けなければなりません。したがって、Eは、所有権の移転登記を備えていなければ、Dに対して自らが賃貸人であることを主張できません。

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23
Q

A所有の甲土地についての所有権移転登記と権利の主張について。

Aが甲土地をFとGとに対して二重に譲渡してFが所有権移転登記を備えた場合に、AG間の売買契約の方がAF間の売買契約よりも先になされたことをGが立証できれば、Gは、登記がなくても、Fに対して自らが所有者であることを主張することができる。

A

誤り。 二重譲渡は、登記の有無で優劣が決まる。
甲土地がAからF・Gに二重に譲渡された場合、FとGは、先に登記を備えた方が他方に所有権の取得を対抗することができます。契約締結の時期は関係ありません。したがって、AG間の売買契約の方がAF間の売買契約よりも先になされたことをGが立証したとしても、Gは、登記を備えたFに対して自らが所有者であることを主張することができません。

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24
Q

A所有の甲土地についての所有権移転登記と権利の主張について。
Aが甲土地をHとIとに対して二重に譲渡した場合において、Hが所有権移転登記を備えない間にIが甲土地を善意のJに譲渡してJが所有権移転登記を備えたときは、Iがいわゆる背信的悪意者であっても、Hは、Jに対して自らが所有者であることを主張することがで
きない。

A

正しい。 背信的悪意者からの譲受人は、所有権を取得できる。
いわゆる背信的悪意者であるIは、所有権移転登記を備えたとしても、信義則上、Hに登記がないことを主張することができません。もっとも、背信的悪意者は、信義則上、相手に登記がないことの主張をすることが許されないにすぎず、所有権自体を取得できないわけではありません。したがって、背信的悪意者からの譲受人であるJは有効に所有権を取得できます。よって、Hは、登記を備えたJに対して自らが所有者であることを主張することができません。

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25
Q

Aは、A所有の甲土地にBから借り入れた3,000万円の担保として抵当権を設定した。

Aが甲土地に抵当権を設定した当時、甲土地上にA所有の建物があり、当該建物をAがCに売却した後、Bの抵当権が実行されてDが甲土地を競落した場合、DはCに対して、甲土地の明渡しを求めることはできない。

A

正しい。 法定地上権が成立すると、競落人は、土地の明渡しを請求できない。
1,抵当権の設定時に、土地の上に建物が存在し、
2,抵当権の設定時に、土地及びその上に存する建物 が同一の所有者に属する場合、
3,その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物に地上権が設定されたものとみなされます(法定地上権)。
したがって、本肢の場合は法定地上権が成立していますので、競落人のDは、建物所有者であるCに対して、 甲土地の明渡しを求めることはできません。

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26
Q

Aは、A所有の甲土地にBから借り入れた3,000万円の担保として抵当権を設定した。

甲土地上の建物が火災によって焼失してしまったが、当該建物に火災保険が付されていた場合、Bは、甲土地の抵当権に基づき、この火災保険契約に基づく損害保険金を請求することができる。

A

誤り。 土地に設定した抵当権は、土地上の建物には効力が及ばない。
抵当権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって抵当権設定者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができます(物上代位)。しかし、土地と建物は別個の不動産ですから、 土地に設定された抵当権は、その土地上の建物には効力が及びません。したがって、Bは、甲土地に設定された抵当権に基づいて、甲土地上の「建物」に付されていた火災保険契約に基づく損害保険金を請求することはできません。

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27
Q

Aは、A所有の甲土地にBから借り入れた3,000万円の担保として抵当権を設定した。

AがEから500万円を借り入れ、これを担保するために甲土地にEを抵当権者とする第2順位の抵当権を設定した場合、BとEが抵当権の順位を変更することに合意すれば、Aの同意がなくても、甲土地の抵当権の順位を変更することができる。

A

正しい。 抵当権の順位の変更には、抵当権設定者の同意は不要。
抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができます(利害関係を有する者がいるときは、その承諾も必要)。したがって、本肢の場合、抵当権者であるBとEが合意すれば、抵当権設定 者Aの同意がなくても、抵当権の順位を変更することができます。なお、抵当権の順位の変更は、登記をしなければ、効力を生じません。

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28
Q

Aは、A所有の甲土地にBから借り入れた3,000万円の担保として抵当権を設定した。

Bの抵当権設定後、Aが第三者であるFに甲土地を売却した場合、FはBに対して、民法第383条所定の書面を送付して抵当権の消滅を請求することができる。

A

正しい。 抵当権消滅請求は、第三取得者が書面を抵当権者に送付して行う。

抵当不動産の第三取得者は、登記をした各債権者に対し、所定の書面を送付するという手続きによって、抵当権消滅請求をすることができます。

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29
Q

保証について。なお、保証契約は令和3年4月1日に締結されたものとする。

特定物売買における売主の保証人は、特に反対の意思表示がない限り、売主の債務不履行により契約が解除された場合には、原状回復義務である既払代金の返還義務についても保証する責任がある。

A

正しい。 保証人は、債務不履行解除の原状回復義務についても責任を負う。
保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含します。そして、特定物の売買契約における売主のための保証人は、特に反対の意思表示のない限り、 売主の債務不履行により契約が解除された場合における原状回復義務についても、保証の責任を負います。

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30
Q

保証について。なお、保証契約は令和3年4月1日に締結されたものとする。

主たる債務の目的が保証契約の締結後に加重されたときは、保証人の負担も加重され、主たる債務者が時効の利益を放棄すれば、その効力は連帯保証人に及ぶ。

A

誤り。 保証債務は当然には加重されず、時効の利益の放棄も及ばない。

主たる債務の目的又は態様が保証契約の締結後に加重されたときであっても、保証人の負担は加重されません。また、主たる債務者が時効の利益の放棄をしても、その効力は連帯保証人には及びません。

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31
Q

保証について。なお、保証契約は令和3年4月1日に締結されたものとする。
委託を受けた保証人が主たる債務の弁済期前に債務の弁済をしたが、主たる債務者が当該保証人からの求償に対して、当該弁済日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。

A

正しい。 主債務者が相殺主張→弁済した受託保証人は債権者に履行請求可。
保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務の弁済期前に債務の消滅行為をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対し、主たる債務者がその当時利益を受けた限度 において求償権を有します。また、この場合において、主たる債務者が債務の消滅行為の日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができます。

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32
Q

保証について。なお、保証契約は令和3年4月1日に締結されたものとする。

委託を受けた保証人は、履行の請求を受けた場合だけでなく、履行の請求を受けずに自発的に債務の消滅行為をする場合であっても、あらかじめ主たる債務者に通知をしなければ、 同人に対する求償が制限されることがある。

A

正しい。 主債務者への事前通知なし→受託保証人の求償権が制限。 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者にあらかじめ通知しないで債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者は、債権者に対抗することができた事由をもってその保証人に対抗することができます。これは、履行の請求を受けた場合だけでなく、履行の請求を受け ずに自発的に債務の消滅行為をする場合であっても、同様です。

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33
Q

Aが、Bに対する債権をCに譲渡した場合について(なお、民法第466条の5に規定する預金口座又は貯金口 座に係る預金又は貯金に係る債権(預貯金債権)については、考慮しないものとする)。
AのBに対する債権に譲渡制限の意思表示があり、Cがその意思表示の存在を知りながら債権の譲渡を受けていれば、Cからさらに債権の譲渡を受けた転得者Dがその意思表示の存在を知らなかったことにつき重大な過失がない場合でも、BはDに対して債務の履行を拒むことができる。

A

誤り。 譲渡制限の意思表示→悪意・重過失の第三者に債務の履行拒否できる。
当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示(譲渡制限の意思表示)をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられません。しかし、譲渡制限の意思表示がされたことを知り(悪意)、又は重大な過失によって知らなかった(善意・重過失)譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができます。この「第三者」には、転得者も含まれます。したがって、 たとえ第三者Cが悪意であっても、転得者D自身が善意かつ無重過失であれば、債務者Bは、転得者Dに対して、債務の履行を拒むことができません。

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34
Q

Aが、Bに対する債権をCに譲渡した場合について(なお、民法第466条の5に規定する預金口座又は貯金口 座に係る預金又は貯金に係る債権(預貯金債権)については、考慮しないものとする)。
AがBに債権譲渡の通知を発送し、その通知がBに到達していなかった場合には、Bが債権譲渡の承諾をしても、BはCに対して当該債権に係る債務の履行を拒否することができる。

A

誤り。 債権譲渡の債務者への対抗要件→譲渡人の通知又は債務者の承諾。
債権譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができません。
この場合は、
1,譲渡人の通知か、
2,債務者の承諾のいずれかがあれば足ります。
したがって、譲渡人Aの通知が債務者Bに到達していなくても、債務者Bが承諾をしていれば、 譲受人Cは債権を譲り受けたことを債務者Bに対抗することができますので、Bは、Cに対して履行を拒否することはできません。

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35
Q

Aが、Bに対する債権をCに譲渡した場合について(なお、民法第466条の5に規定する預金口座又は貯金口 座に係る預金又は貯金に係る債権(預貯金債権)については、考慮しないものとする)。
AのBに対する債権に譲渡制限の意思表示がなく、Cに譲渡された時点ではまだ発生していない将来の取引に関する債権であった場合、その取引の種類、金額、期間などにより当該債権が特定されていたときは、特段の事情がない限り、AからCへの債権譲渡は有効である。

A

正しい。 将来発生する債権の譲渡→債権を特定すれば、原則として有効。
債権の譲渡は、その意思表示の時に債権が現に発生していることを必要としません。将来発生すべき債権を目的とする債権譲渡契約については、譲渡の目的とされる債権が特定されている限り、原則として有効です。したがって、譲渡された時点ではまだ発生していない将来の取引に関する債権であっても、取引の種類・金額・期間などにより当該債権が特定されていたときは、特段の事情がない限り、債権譲渡は有効です。

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36
Q

Aが、Bに対する債権をCに譲渡した場合について(なお、民法第466条の5に規定する預金口座又は貯金口 座に係る預金又は貯金に係る債権(預貯金債権)については、考慮しないものとする)。
Aに対し弁済期が到来した貸金債権を有していたBは、Aから債権譲渡の通知を受けるまでに、債権譲渡の承諾をせず、相殺の意思表示もしていなかった。その後、Bは、Cから支払請求を受けた際に、Aに対する貸金債権との相殺の意思表示をしたとしても、Cに対抗することはできない。

A

誤り。 債務者は、対抗要件具備時より前に取得した債権による相殺を対抗可。
債務者は、対抗要件具備時より前に取得した譲渡人に対する債権による相殺をもって譲受人に対抗することができます。したがって、債務者Bは、AのBに対する債権をCに譲渡した旨の通知を受ける前に、Aに対する貸金債権を有していますので、Aに対する貸金債権との相殺をCに対抗することができます。

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37
Q

債務不履行に基づく損害賠償請求権について。
AがBと契約を締結する前に、信義則上の説明義務に違反して契約締結の判断に重要な影響を与える情報をBに提供しなかった場合、Bが契約を締結したことにより被った損害につき、Aは、不法行為による賠償責任を負うことはあっても、債務不履行による賠償責任を負うことはない。

A

正しい。 契約締結前は、債務不履行による賠償責任は生じない。

契約を締結していなければ、契約上の債務は発生しません。したがって、不法行為による賠償責任を負うことはありますが、債務不履行による賠償責任を負うことはありません。

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38
Q

債務不履行に基づく損害賠償請求権について。

AB間の利息付金銭消費貸借契約において、利率に関する定めがない場合、借主Bが債務不履行に陥ったことによりAがBに対して請求することができる遅延損害金は、年3%の利率により算出する。

A

正しい。 法定利率は、年3%(変動制)。
利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、その利息が生じた最初の時点における法定利率によります。そして、法定利率は、年3%です。この「利息」には遅延損害金も含みます。したがって、本肢において、AはBに対して年3%の利率により算出した遅延損害金を請求することができます。なお、法定利率は、3年を1期とし、1期ごとに、所定の規定により変動する可能性があります。

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39
Q

債務不履行に基づく損害賠償請求権について。

AB間でB所有の甲不動産の売買契約を締結した後、Bが甲不動産をCに二重譲渡してCが登記を具備した場合、AはBに対して債務不履行に基づく損害賠償請求をすることができる。

A

正しい。 不動産の二重譲渡は債務不履行となる。
不動産の売主は、買主に対して、目的不動産を引き渡し、登記を移転する債務を負っています。不動産を二重に譲渡した売主Bは、対抗要件を具備できなかった買主Aに対して、債務の本旨に従った履行をしなかったといえます。したがって、AはBに対して、債務不履行(履行不能)に基づく損害賠償請求をすることができます。

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40
Q

債務不履行に基づく損害賠償請求権について。
AB間の金銭消費貸借契約において、借主Bは当該契約に基づく金銭の返済をCからBに支払われる売掛代金で予定していたが、その入金がなかった(Bの責めに帰すべき事由はない。)ため、返済期限が経過してしまった場合、Bは債務不履行には陥らず、Aに対して遅延損害金の支払義務を負わない。

A

誤り。 金銭債務については、不可抗力を抗弁とできない。
金銭債務の不履行について損害賠償請求がされた場合、債務者は、不可抗力を抗弁とすることができません。BはCの未入金のせいで返済できなかったとしても、返済期限に弁済できなかった以上、債務不履行に陥ります。したがって、BはAに対して遅延損害金の支払義務を負います。

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41
Q

Aを売主、Bを買主として甲建物の売買契約が締結された場合におけるBのAに対する代金債務(以下「本件代金債務」という)について。
Bが、本件代金債務につき受領権限のないCに対して弁済した場合、Cに受領権限がないことを知らないことにつきBに過失があれば、Cが受領した代金をAに引き渡したとしても、Bの弁済は有効にならない。

A

誤り。 受領権者以外の者への弁済→債権者が利益を受けた限度で有効となる。

受領権者以外の者に対してした弁済は、債権者がこれによって利益を受けた限度においてのみ、その効力を有します。したがって、弁済を権限なく受領したCが、受領した代金を債権者Aに引き渡したのであれば、その限度で、Bの弁済は有効になります。

42
Q

Aを売主、Bを買主として甲建物の売買契約が締結された場合におけるBのAに対する代金債務(以下「本件代金債務」という)について。
Bが、Aの代理人と称するDに対して本件代金債務を弁済した場合、Dに受領権限がないことにつきBが善意かつ無過失であれば、Bの弁済は有効となる。

A

正しい。 代理人と称した者に対して、善意・無過失で行った弁済は有効。 受領権者(債権者及び法令の規定又は当事者の意思表示によって弁済を受領する権限を付与された第三者)以外の者であって取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有する者に対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有します。 そして、債権者の代理人と称して債権を行使する者についても、この規定が適用されます。

43
Q

Aを売主、Bを買主として甲建物の売買契約が締結された場合におけるBのAに対する代金債務(以下「本件代金債務」という)について。
Bが、Aの相続人と称するEに対して本件代金債務を弁済した場合、Eに受領権限がないことにつきBが善意かつ無過失であれば、Bの弁済は有効となる。

A

正しい。 相続人と称した者に対して、善意・無過失で行った弁済は有効。
受領権者(債権者及び法令の規定又は当事者の意思表示によって弁済を受領する権限を付与された第三者)以外の者であって取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有する者に対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有します。 そして、債権者の相続人と称して債権を行使する者についても、この規定が適用されます。

44
Q

Aを売主、Bを買主として甲建物の売買契約が締結された場合におけるBのAに対する代金債務(以下「本件代金債務」という)について。
Bは、本件代金債務の履行期が過ぎた場合であっても、特段の事情がない限り、甲建物の引渡しに係る履行の提供を受けていないことを理由として、Aに対して代金の支払を拒むことができる。

A

正しい。 同時履行の抗弁権を主張して、履行期が過ぎても代金の支払拒絶可。
双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができます(同時履行の抗弁権)。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りではありません。したがって、Bは、原則として、Aから履行の提供を受けていないことを理由として、同時履行の抗弁権を主張して代金の支払いを拒むことができます。これは、代金債務の履行期が過ぎた場合であっても可能です。

45
Q

Aは、令和3年10月1日、A所有の甲土地につき、Bとの間で、代金1,000万円、 支払期日を同年12月1日とする売買契約を締結した。
BがAに対して同年12月31日を支払期日とする貸金債権を有している場合には、Bは同年12月1日に売買代金債務と当該貸金債権を対当額で相殺することができる。

A

誤り。 相殺するには、少なくとも自働債権が弁済期にある必要がある。
2人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、 各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができます。ただ、受働債権については期限の利益を放棄することが可能ですから、少なくとも、自働債権については弁済期にある必要があります。したがって、本肢の場合、Bが相殺するには、自働債権である貸金債権の支払期日である 12 月 31 日にならなければ、相殺をすることができません。

46
Q

Aは、令和3年10月1日、A所有の甲土地につき、Bとの間で、代金1,000万円、 支払期日を同年12月1日とする売買契約を締結した。
同年11月1日にAの売買代金債権がAの債権者Cにより差し押さえられても、Bは、同年11 月2日から12月1日までの間にAに対する別の債権を取得した場合には、同年12月1日に売買代金債務と当該債権を対当額で相殺することができる。

A

誤り。 差押え後に取得した債権で相殺を対抗することは不可。
差押えを受けた債権の債務者は、差押え後に取得した債権による相殺を差押債権者に対抗することができませんが、差押え前に取得した債権による相殺を対抗することができます。よって、AのBに対する代金債権がCによって差止めを受けた後に、別の債権を取得したBは、相殺をCに対抗することはできません。

47
Q

Aは、令和3年10月1日、A所有の甲土地につき、Bとの間で、代金1,000万円、 支払期日を同年12月1日とする売買契約を締結した。
同年10月10日、BがAの自動車事故によって身体の被害を受け、Aに対して不法行為に基づく損害賠償債権を取得した場合には、Bは売買代金債務と当該損害賠償債権を対当額で相殺することができる。

A
正しい。 不法行為の被害者から相殺をすることは可能。
1,悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務、
2,人の生命又は身体の侵害による損害賠償の債務
の債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができません。
つまり、人の生命又は身体の侵害による不法行為等の「加害者」の側から相殺をすることはできません。しかし、被害者から相殺することは可能です。したがって、Bは、売買代金債務と当該損害賠償債権を対当額で相殺することができます。
48
Q

Aは、令和3年10月1日、A所有の甲土地につき、Bとの間で、代金1,000万円、 支払期日を同年12月1日とする売買契約を締結した。
BがAに対し同年9月30日に消滅時効の期限が到来する貸金債権を有していた場合には、Aが当該消滅時効を援用したとしても、Bは売買代金債務と当該貸金債権を対当額で相殺することができる。

A

誤り。 時効消滅以前に相殺適状にないと、相殺不可。
時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていた場合には、その債権者は、相殺をすることができます。しかし、本肢の場合、BのAに対する貸金債権は9月 30 日に時効で消滅していますが、AがBに対して代金債権を取得したのは 10 月1日ですから、時効消滅以前に両債権は相殺に適するようになっていません。したがって、Bは、相殺することはできません。

49
Q

買主Aと売主Bとの間で建物の売買契約を締結し、AはBに手付を交付したが、その手付は解約手付である旨約定した。

手付の額が売買代金の額に比べて僅少である場合には、本件約定は、効力を有しない。

A

誤り。 額が僅少でも、解約手付として有効。

本肢では、当事者間において、手付を解約手付であると約定しています。したがって、その額が僅少であっても、解約手付としての効力を有します。

50
Q

買主Aと売主Bとの間で建物の売買契約を締結し、AはBに手付を交付したが、その手付は解約手付である旨約定した。

Aが、売買代金の一部を支払う等売買契約の履行に着手した場合は、Bが履行に着手していないときでも、Aは、本件約定に基づき手付を放棄して売買契約を解除することができない。

A

誤り。 手付解除は、相手方が履行に着手するまで。 相手方が履行に着手すれば、解約手付による解除をすることはできません。

本肢では、A自らが契約の履行に着手したに過ぎず、いまだ相手方Bは履行に着手していないので、解約手付による解除ができます。

51
Q

買主Aと売主Bとの間で建物の売買契約を締結し、AはBに手付を交付したが、その手付は解約手付である旨約定した。

Aが本件約定に基づき売買契約を解除した場合で、Aに債務不履行はなかったが、Bが手付の額を超える額の損害を受けたことを立証できるとき、Bは、その損害全部の賠償を請求することができる。

A

誤り。 手付解除の場合、別途損害賠償請求はできない。

解約手付により解除した場合は、債務不履行による解除とは異なりますので、損害賠償請求権は発生しません。したがって、Bは、手付の額を超える額の損害を受けたことを立証したとしても、損害賠償請求をすることはできません。

52
Q

買主Aと売主Bとの間で建物の売買契約を締結し、AはBに手付を交付したが、その手付は解約手付である旨約定した。

Bが本件約定に基づき売買契約を解除する場合は、Bは、Aに対して、単に口頭で手付の額の倍額を償還することを告げて受領を催告するだけでは足りず、これを現実に提供しなければならない。

A

正しい。 手付解除では、現実の提供が必要である。
手付は、買主から売主に現実に交付されているのが通常です。
したがって、公平にするため、売主が手付により契約を解除するためには、手付の倍額を現実に提供することを要します。

53
Q

事業者ではないAが所有し居住している建物につきAB間で売買契約を締結するに当たり、Aは建物引渡しから3か月に限り担保責任を負う旨の特約を付けたが、売買契約締結時点において当該建物の構造耐力上主要な部分の種類又は品質が契約の内容に適合しないものであり、Aはそのことを知っていたがBに告げず、Bはそのことを知らなかった。
Bが当該不適合の存在を建物引渡しから1年が経過した時に知ったとき、当該不適合の存在を知った時から1年以内にその旨をAに通知しなくても、BはAに対して担保責任を追及することができる。

A

本問では、売主Aが「建物引渡しから3か月に限り担保責任を負う」旨の特約を付けていますが、売買契約締結の時点において当該建物の構造耐力上主要な部分の種類又は品質が契約の内容に適合しないものであって、Aはそのことを知っていましたが、Bに告げていません。すると、売主は、担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実については、その責任を免れることができません(民法 572 条)。したがって、売主Aは、引渡しから3か月を超えたとしても、当該建物の契約内容の不適合について担保責任を負うことが、各選択肢の前提となっています。

正しい。 原則、買主が不適合を知った時から1年以内に売主に通知。 売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができません。ただし、売主がその引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったとき は、この限りではありません。本肢では、売主Aは不適合であることを知っていたため、Bは、Aに通 知をしなくても、担保責任を追及することができます。

54
Q

事業者ではないAが所有し居住している建物につきAB間で売買契約を締結するに当たり、Aは建物引渡しから3か月に限り担保責任を負う旨の特約を付けたが、売買契約締結時点において当該建物の構造耐力上主要な部分の種類又は品質が契約の内容に適合しないものであり、Aはそのことを知っていたがBに告げず、Bはそのことを知らなかった。
建物の構造耐力上主要な部分の種類又は品質が契約の内容に適合しないものであるときは、 契約の目的を達成することができない場合に限り、Bは当該不適合を理由に売買契約を解除することができる。

A

本問では、売主Aが「建物引渡しから3か月に限り担保責任を負う」旨の特約を付けていますが、売買
契約締結の時点において当該建物の構造耐力上主要な部分の種類又は品質が契約の内容に適合しないものであって、Aはそのことを知っていましたが、Bに告げていません。すると、売主は、担保の責任を負 わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実については、その責任を免れることができません(民法 572 条)。したがって、売主Aは、引渡しから3か月を超えたとしても、当該建物の 契約内容の不適合について担保責任を負うことが、各選択肢の前提となっています。

誤り。 契約の解除→契約をした目的を達することができるか否かを問わない。
引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、債務不履行の規定に基づき解除権の行使をすることができます。この解除権の行使は、不適合により契約をした目的を達することができるか否かを問いません。

55
Q

事業者ではないAが所有し居住している建物につきAB間で売買契約を締結するに当たり、Aは建物引渡しから3か月に限り担保責任を負う旨の特約を付けたが、売買契約締結時点において当該建物の構造耐力上主要な部分の種類又は品質が契約の内容に適合しないものであり、Aはそのことを知っていたがBに告げず、Bはそのことを知らなかった。
Bが当該不適合を理由にAに対して損害賠償請求をすることができるのは、当該不適合を理由に売買契約を解除することができない場合に限られる。

A

本問では、売主Aが「建物引渡しから3か月に限り担保責任を負う」旨の特約を付けていますが、売買
契約締結の時点において当該建物の構造耐力上主要な部分の種類又は品質が契約の内容に適合しないものであって、Aはそのことを知っていましたが、Bに告げていません。すると、売主は、担保の責任を負 わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実については、その責任を免れることができません(民法 572 条)。したがって、売主Aは、引渡しから3か月を超えたとしても、当該建物の 契約内容の不適合について担保責任を負うことが、各選択肢の前提となっています。

誤り。 契約の解除と併せて損害賠償の請求をすることもできる。
引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、債務不履行の規定に基づき損害賠償の請求並びに解除権の行使をすることができます。損害賠償の請求は、契約の解除をすることができるときであっても、することができます。

56
Q

事業者ではないAが所有し居住している建物につきAB間で売買契約を締結するに当たり、Aは建物引渡しから3か月に限り担保責任を負う旨の特約を付けたが、売買契約締結時点において当該建物の構造耐力上主要な部分の種類又は品質が契約の内容に適合しないものであり、Aはそのことを知っていたがBに告げず、Bはそのことを知らなかった。
AB間の売買をBと媒介契約を締結した宅地建物取引業者Cが媒介していた場合には、B はCに対して担保責任を追及することができる。

A

本問では、売主Aが「建物引渡しから3か月に限り担保責任を負う」旨の特約を付けていますが、売買
契約締結の時点において当該建物の構造耐力上主要な部分の種類又は品質が契約の内容に適合しないものであって、Aはそのことを知っていましたが、Bに告げていません。すると、売主は、担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実については、その責任を免れることができません(民法 572 条)。したがって、売主Aは、引渡しから3か月を超えたとしても、当該建物の 契約内容の不適合について担保責任を負うことが、各選択肢の前提となっています。

誤り。 売主の担保責任は、売主に対してのみ行うことができる。 売主の担保責任は、売主に対してのみ行うことができます。したがって、その売買契約を宅建業者が媒介していた場合であっても、その媒介を行った宅建業者に対して、担保責任を追及することはできません。

57
Q

賃貸人Aから賃借人Bが借りたA所有の甲土地の上に、Bが乙建物を所有する場合について(なお、Bは、 自己名義で乙建物の保存登記をしているものとする)。
BがAに無断で乙建物をCに月額10万円の賃料で貸した場合、Aは、借地の無断転貸を理由に、甲土地の賃貸借契約を解除することができる。

A

誤り。 借地上の建物の「賃貸」には、賃貸人の承諾は不要。
賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができません。賃借人がこれに違反して第三者に賃借物の使用・収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができます。ですから、借地上の建物を「譲渡」する場合は、土地の賃借権の譲渡を伴うので、 土地の賃貸人の承諾が必要です。しかし、本肢のように借地上の建物を「賃貸」する場合は、土地の賃貸人の承諾は不要です。なぜなら、借地上の建物を第三者に賃貸して収益することも、土地の賃借人に設定された利用権の範囲内といえるからです。

58
Q

賃貸人Aから賃借人Bが借りたA所有の甲土地の上に、Bが乙建物を所有する場合について(なお、Bは、 自己名義で乙建物の保存登記をしているものとする)。
Cが甲土地を不法占拠してBの土地利用を妨害している場合、Bは、Aの有する甲土地の所有権に基づく妨害排除請求権を代位行使してCの妨害の排除を求めることができるほか、自己の有する甲土地の賃借権に基づいてCの妨害の排除を求めることができる。

A

正しい。 賃借権に基づく妨害排除請求も可能。
賃借人は、賃貸人である所有者の有する所有権に基づく妨害排除請求権を代位行使して、不法占拠者に対して妨害排除の請求をすることができます。また、不動産の賃借人は、対抗要件を備えた場合、
1,その不動産の占有を第三者が妨害しているときはその第三者に対する妨害の停止の請求、
2,その不動産を第三者が占有しているときはその第三者に対する返還の請求をすることができます。
不動産の賃借権は、債権ですが、実質的には地上権などの物権と同じような実態を備えていますので、同様に直接的な妨害排除請求が認められているのです。

59
Q

賃貸人Aから賃借人Bが借りたA所有の甲土地の上に、Bが乙建物を所有する場合について(なお、Bは、 自己名義で乙建物の保存登記をしているものとする)。
BがAの承諾を得て甲土地を月額15万円の賃料でCに転貸した場合、AB間の賃貸借契約がBの債務不履行で解除されても、AはCに解除を対抗することができない。

A

誤り。 債務不履行による解除の場合は、転借人に対抗可能。

賃借人の債務不履行に基づいて賃貸借契約が解除された場合、賃貸人は、転借人に対してその解除を対抗することができます。

60
Q

賃貸人Aから賃借人Bが借りたA所有の甲土地の上に、Bが乙建物を所有する場合について(なお、Bは、 自己名義で乙建物の保存登記をしているものとする)。
AB間で賃料の支払時期について特約がない場合、Bは、当月末日までに、翌月分の賃料を支払わなければならない。

A

誤り。 民法上は、賃料は後払いが原則。

賃貸借契約においては、賃料は、動産、建物及び宅地については毎月末に、その他の土地については毎年末に、支払わなければなりません。つまり、いわゆる後払いが原則です。

61
Q

Aは、自己所有の建物について、災害により居住建物を失った友人Bと、適当な家屋が見つかるまでの一時的住居とするとの約定のもとに、使用貸借契約を締結した。
Bが死亡した場合、使用貸借契約は当然に終了する。

A

正しい。 借主の死亡により、使用貸借は終了する。

使用貸借契約は、親子、兄弟といった特殊な人的信頼関係を基礎とする場合が多いため、借主Bの死亡によって、当然に終了します。なお、貸主の死亡によっては終了しません。

62
Q

Aは、自己所有の建物について、災害により居住建物を失った友人Bと、適当な家屋が見つかるまでの一時的住居とするとの約定のもとに、使用貸借契約を締結した。
Aがこの建物をCに売却し、その旨の所有権移転登記を行った場合でも、Aによる売却の前にBがこの建物の引渡しを受けていたときは、Bは使用貸借契約をCに対抗できる。

A

誤り。 使用借権には、対抗力が認められない。

使用借権は登記することができず、対抗力が認められていません。したがって、Aの売却の前にBがこの建物の引渡しを受けていたとしても、Bは使用借権を新所有者Cに対抗できません。

63
Q

Aは、自己所有の建物について、災害により居住建物を失った友人Bと、適当な家屋が見つかるまでの一時的住居とするとの約定のもとに、使用貸借契約を締結した。
Bは、Aの承諾がなければ、この建物の一部を、第三者に転貸して使用収益させることはできない。

A

正しい。 転貸には、貸主の承諾が必要である。

賃貸借の借主と同様に、使用貸借の借主は、貸主の承諾を得なければ、第三者に目的物の一部を転貸して使用収益させることができません。

64
Q

Aは、自己所有の建物について、災害により居住建物を失った友人Bと、適当な家屋が見つかるまでの一時的住居とするとの約定のもとに、使用貸借契約を締結した。
適当な家屋が現実に見つかる以前であっても、適当な家屋を見つけるのに必要と思われる客観的な期間を経過した場合は、AはBに対し、この建物の返還を請求することができる。

A

正しい。 使用収益できる期間を経過すれば、貸主は返還請求可。
返還時期の定めのない使用貸借の場合、契約に定めた目的に従った使用及び収益をするのに相当な期間が経過したときは、貸主は、直ちに返還を請求することができます。したがって、適当な家屋を見つけるのに必要と思われる客観的な期間を経過した場合は、AはBに対し、建物の返還を請求することができます。

65
Q

不法行為について。

不法行為による損害賠償請求権の期間の制限を定める民法第724条第1号における、被害者が損害を知った時とは、被害者が損害の発生を現実に認識した時をいう。

A

正しい。 被害者が損害を知った時→被害者が損害の発生を現実に認識した時。
不法行為による損害賠償の請求権は、
1,「被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時」 から3年間(人の生命又は身体を害する不法行為の場合は5年間)、又は
2,不法行為の時から20年間行使しないときは、時効によって消滅します。
この1の「被害者が損害を知った時」というのは、「被害者が損害の発生を現実に認識した時をいう」とされています。

66
Q

不法行為について。不法行為による損害賠償債務の不履行に基づく遅延損害金債権は、債権者が当該債権を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき、又は、当該債権を行使することができる時から10年間行使しないことにより、時効によって消滅する。

A

誤り。 遅延損害金の時効→元の不法行為の損害賠償請求権と同じ。
不法行為に基づく損害賠償債務の不履行に基づく遅延損害金債権は、不法行為に基づく損害賠償債権とは別の債権です。ですから、一般の債権として、
1,債権者が債権を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき、又は、
2,債権を行使することができる時から10年間行使しないとき、時効によって消滅するということになりそうです。しかし、両者は実質的には同一のものというこ とができますので、不法行為による損害賠償の請求権として、
1,被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間(人の生命又は身体を害する不法行為については5年間)、又は、
2,不法行為の時から20年間行使しないとき、時効によって消滅するとされています。

67
Q

不法行為について。不法占拠により日々発生する損害については、加害行為が終わった時から一括して消滅時効が進行し、日々発生する損害を知った時から別個に消滅時効が進行することはない。

A

誤り。 1の消滅時効期間は、現実に認識した時から個別に進行する。
不法行為による損害賠償の請求権は、
1,「被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時」から3年間(人の生命又は身体を害する不法行為の場合は5年間)、又は
2,不法行為の時から20年間行 使しないときは、時効によって消滅します。そして、1については、1で述べたように、被害者が損害の発生(及び加害者)を現実に認識した時から進行しますので、個別に消滅時効が進行します。

68
Q

不法行為について。不法行為の加害者が海外に在住している間は、民法第724条第2号の20年の時効期間は進行しない。

A

誤り。 不法行為の時から 20 年行使しないことで、時効で消滅する。

不法行為による損害賠償の請求権は、不法行為の時から20年行使しないときは、時効によって消滅します。請求権は、この期間の経過によって消滅し、加害者が海外に在住している間も、時効期間は進行します。

69
Q

AがBから事業のために1,000万円を借り入れている場合について。

AとBが婚姻した場合、AのBに対する借入金債務は混同により消滅する。

A

誤り。 債権と債務が同一人に帰属すれば、混同により消滅。

債権と債務が同一人に帰属すれば、その債権は混同により消滅しますが、婚姻しても同一人となるわけではありませんので、混同による消滅はしません。

70
Q

AがBから事業のために1,000万円を借り入れている場合について。

AがCと養子縁組をした場合、CはAのBに対する借入金債務についてAと連帯してその責任を負う。

A

誤り。 養子縁組によって連帯債務を負うことはない。

「養子縁組をしたことによって連帯債務の負担が生じる」などという規定は存在しません。したがって、Cは、Aと連帯して責任を負うことにはなりません。

71
Q

AがBから事業のために1,000万円を借り入れている場合について。

Aが死亡し、相続人であるDとEにおいて、Aの唯一の資産である不動産をDが相続する旨の遺産分割協議が成立した場合、相続債務につき特に定めがなくても、Bに対する借入金返済債務のすべてをDが相続することになる。

A

誤り。 相続債務は、相続分に応じて承継する。
遺産分割の対象となるのは、被相続人の持っていた「プラス」の財産だけで、金銭債務(「マイナス」の財産)等の可分債務は当然に分割されますから、各共同相続人が、その相続分に応じて承継します。
したがって、Bに対する借入金返済債務のすべてを、Dが相続するわけではありません。

72
Q

AがBから事業のために1,000万円を借り入れている場合について。

Aが死亡し、唯一の相続人であるFが相続の単純承認をすると、FがBに対する借入金債務の存在を知らなかったとしても、Fは当該借入金債務を相続する。

A

正しい。 単純承認は、無限に被相続人の権利義務を承継する。

相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継します。したがって、FがAの Bに対する借入金債務の存在を知らなかったとしても、Fは、当該借入金債務を相続します。

73
Q

遺言及び遺留分について。自筆証書の内容を遺言者が一部削除する場合、遺言者が変更する箇所に二重線を引いて、その箇所に押印するだけで、一部削除の効力が生ずる。

A

誤り。 自筆証書遺言の変更には、変更した旨を付記して、署名かつ押印が必要。
自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければなりません。また、財産目録を添付する場合は、その目録については、自書することを要しませんが、その目録の毎葉に署名し、印を押さなければなりません。そして、自筆証書(その目録を含む) 中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じません。したがって、変更箇所に二重線を引いて、その個所に押印するだけでは、その一部削除(変更)の効力は生じません。

74
Q

遺言及び遺留分について。自筆証書による遺言をする場合、遺言書の本文の自署名下に押印がなければ、自署と離れた箇所に押印があっても、押印の要件として有効となることはない。

A

誤り。 押印は、遺言書の本文の自署名下でなくてもよい。
自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければなりません。そして、必ずしも遺言書の本文の自署名下に押印がなくても、自筆証書遺言の押印として有効です。たとえば、遺言書を入れた封筒の封じ目にされた押印があれば、押印の要件に欠けるところはないとされています。

75
Q

遺言及び遺留分について。遺言執行者が管理する相続財産を相続人が無断で処分した場合、当該処分行為は、遺言執行者に対する関係で無効となり、この無効を善意の第三者にも対抗することができる。

A

誤り。 遺言執行者に無断の相続財産処分行為→善意の第三者には対抗不可。

遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができません。そして、この規定に違反してした行為は、無効となります。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することはできません。

76
Q

遺言及び遺留分について。遺留分権利者及びその承継人は、受遺者(特定財産承継遺言により財産を承継し又は相続分の指定を受けた相続人を含む。)又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を
請求することができる。

A

正しい。 遺留分侵害額の請求は、金銭の支払いを請求することができるだけ。
遺留分権利者及びその承継人は、受遺者(特定財産承継遺言により財産を承継し又は相続分の指定を受けた相続人を含む)又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができます。なお、「特定財産承継遺言」というのは、遺産の分割の方法の指定として遺産に属する特定の財産を共同相続人の1人又は数人に承継させる旨の遺言のことをいいます。

77
Q

AとBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約(以下この問に おいて「本件契約」という)を締結する場合について。
本件契約が専ら事業の用に供する建物の所有を目的とする場合には、公正証書によらなければ無効となる。

A

誤り。 事業用建物を目的としても、一般の借地権は公正証書による必要なし。
契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく、建物の買取の請求をしない「事業用定期借地権」とするのであれば、公正証書によってしなければなりません。しかし、単に事業の用に供する建物の所有を目的とする借地権(一般の借地権)を設定するのであれば、公正証書による必要はありません。

78
Q

AとBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約(以下この問に おいて「本件契約」という)を締結する場合について。
本件契約が居住用の建物の所有を目的とする場合には、借地権の存続期間を20年とし、かつ、契約の更新請求をしない旨を定めても、これらの規定は無効となる。

A

正しい。 30 年未満の存続期間の定めや更新請求しない旨の特約は、無効。
借地権の存続期間は、最低30年です。また、借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなします。これらの規定に反する特約で借地権者に不利なものは、無効となります。

79
Q

AとBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約(以下この問に おいて「本件契約」という)を締結する場合について。
本件契約において借地権の存続期間を60年と定めても、公正証書によらなければ、その期間は30年となる。

A

誤り。 30 年より長い期間の定めは、そのまま有効。
借地権の存続期間は、30年です。
ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間となります。したがって、契約で存続期間を60年と定めたのであれば、60年がそのまま本件契約の存続期間となります。また、公正証書によって定める必要はありません。

80
Q

AとBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約(以下この問に おいて「本件契約」という)を締結する場合について。
Bは、甲土地につき借地権登記を備えなくても、Bと同姓でかつ同居している未成年の長男名義で保存登記をした建物を甲土地上に所有していれば、甲土地の所有者が替わっても、 甲土地の新所有者に対し借地権を対抗することができる。

A

誤り。 借地上の建物の登記は、本人名義に限る。 借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができます。
この登記は、借地権者本人名義でなされている必要があります。したがって、土地賃借人は、当該土地上に自己と氏を同じくしかつ同居する未成年の長男名義で保存登記をした建物を所有していても、その後当該土地の所有権を取得した第三者に対し、当該土地の賃借権を対抗することができません。

81
Q

A所有の甲土地につき、令和3年10月1日にBとの間で賃貸借契約(以下「本件契約」という)が締結された場合について。

Aが甲土地につき、本件契約とは別に、令和3年9月1日にCとの間で建物所有を目的として賃貸借契約を締結していた場合、本件契約が資材置場として更地で利用することを目的とするものであるときは、本件契約よりもCとの契約が優先する。

A

建物の所有を目的とする土地の賃借権については、借地借家法の借地の規定が適用されます(民法の賃貸借の規定に優先して適用されます)。これに対して、資材置場として更地で利用することを目的として土地の賃貸借契約をする場合は、建物の所有を目的としていませんので、借地借家法の規定は適用され ず、民法の賃貸借の規定が適用されます。

誤り。 借地借家法の借地権と民法上の賃借権は、対抗要件で優劣を決める。同一の土地が二重に賃貸された場合は、その土地の賃借権の優劣関係は、対抗要件の先後で決まります。契約の先後では優先関係は決まりませんし、借地借家法の適用がある建物所有を目的とした土地の賃借権というだけで、民法上の賃借権に優先するわけでもありません。

82
Q

A所有の甲土地につき、令和3年10月1日にBとの間で賃貸借契約(以下「本件契約」という)が締結された場合について。

賃借権の存続期間を10年と定めた場合、本件契約が居住の用に供する建物を所有することを目的とするものであるときは存続期間が30年となるのに対し、本件契約が資材置場として更地で利用することを目的とするものであるときは存続期間は10年である。

A

建物の所有を目的とする土地の賃借権については、借地借家法の借地の規定が適用されます(民法の賃貸借の規定に優先して適用されます)。これに対して、資材置場として更地で利用することを目的として土地の賃貸借契約をする場合は、建物の所有を目的としていませんので、借地借家法の規定は適用されず、民法の賃貸借の規定が適用されます。

正しい。 借地権の存続期間は 30 年以上、民法上の賃借権は 50 年以下。借地権の存続期間は、30 年(契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間)です。そして、この規定に反する特約で借地権者に不利なものは、無効となります。したがって、10 年と定めた場合、 借地権の存続期間は 30 年となります。これに対して、民法上の賃貸借の存続期間は、50 年を超えることができませんが、50 年を超えない範囲であれば、定めた期間がそのまま存続期間となります。

83
Q

A所有の甲土地につき、令和3年10月1日にBとの間で賃貸借契約(以下「本件契約」という)が締結された場合について。

本件契約が建物所有を目的として存続期間60年とし、賃料につき3年ごとに1%ずつ増額する旨を公正証書で定めたものである場合、社会情勢の変化により賃料が不相当となったときであっても、AもBも期間満了まで賃料の増減額請求をすることができない。

A

建物の所有を目的とする土地の賃借権については、借地借家法の借地の規定が適用されます(民法の賃
貸借の規定に優先して適用されます)。これに対して、資材置場として更地で利用することを目的として 土地の賃貸借契約をする場合は、建物の所有を目的としていませんので、借地借家法の規定は適用され ず、民法の賃貸借の規定が適用されます。

誤り。 契約の条件にかかわらず、社会情勢の変化等により借賃の増減請求可。 土地の借賃(地代等)が、土地に対する租税その他の公課の増減により、土地の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったときは、 契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって地代等の額の増減を請求することができます。ただし、一定の期間地代等を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従います。したがって、社会情勢の変化により賃料が不相当となったときであれば、借賃の増減請求をすることができます。これは、賃料を一定の割合で増額する旨を公正証書で定めていたとしても、同様です。

84
Q

A所有の甲土地につき、令和3年10月1日にBとの間で賃貸借契約(以下「本件契約」という)が締結された場合について。

本件契約が建物所有を目的としている場合、契約の更新がなく、建物の買取りの請求をしないこととする旨を定めるには、AはあらかじめBに対してその旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。

A

建物の所有を目的とする土地の賃借権については、借地借家法の借地の規定が適用されます(民法の賃
貸借の規定に優先して適用されます)。これに対して、資材置場として更地で利用することを目的として 土地の賃貸借契約をする場合は、建物の所有を目的としていませんので、借地借家法の規定は適用され ず、民法の賃貸借の規定が適用されます。

誤り。 定期借地権は、書面で特約すればよく、説明は不要。
存続期間を 50 年以上として借地権を設定する場合においては、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに建物の買取りの請求をしないこととする旨を定めることができます(定期借地権)。この場合、その特約は、公正証書による等書面によってしなければなりません。しかし、賃貸人が、あらかじめ賃借人に対してその旨を記載した書面を交付して説明する必要はありません。

85
Q

AはBと、B所有の甲建物につき、居住を目的として、期間3年、賃料月額20万円 と定めて賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という)を締結した。
AもBも相手方に対し、本件契約の期間満了前に何らの通知もしなかった場合、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされるが、その期間は定めがないものとなる。

A

正しい。 期間の定めのある契約が法定更新→期間の定めがないものとなる。
建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の1年前から6月前までの間に相手方に対して更新をしない旨等の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされます。ただし、その期間は、定めがないものとなります。

86
Q

AはBと、B所有の甲建物につき、居住を目的として、期間3年、賃料月額20万円 と定めて賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という)を締結した。
BがAに対し、本件契約の解約を申し入れる場合、甲建物の明渡しの条件として、一定額以上の財産上の給付を申し出たときは、Bの解約の申入れに正当事由があるとみなされる。

A
誤り。 財産上の給付の申出だけで、正当事由があるとはみなされない。
建物の賃貸人による更新をしない旨等の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、
1,建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む)が建物の使用を必要とする事情のほか、
2,建物の賃貸借に関する従前の経過、
3,建物の利用状況及び建物の現況、
4,建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として
又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、「正当の事由」があると認められる場合でなければ、することができません。
この「正当事由」があるかどうかは、上記1~4の事由のすべてを総合的に判断しますので、上記4の一定額以上の財産上の給付を申し出たからといって、それだけで正当事由があるとみなされるわけではありません。
87
Q

AはBと、B所有の甲建物につき、居住を目的として、期間3年、賃料月額20万円 と定めて賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という)を締結した。
甲建物の適法な転借人であるCが、Bの同意を得て甲建物に造作を付加した場合、期間満了により本件契約が終了するときは、CはBに対してその造作を時価で買い取るよう請求することができる。

A

正しい。 造作買取請求権は、転借人から賃貸人に対しても行使できる。
建物の賃貸人の同意を得て建物に付加した畳、建具その他の造作がある場合には、建物の賃借人は、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了するときに、建物の賃貸人に対し、その造作を時価で買い取るべきことを請求することができます(造作買取請求権)。そして、この規定は、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了する場合における建物の転借人と賃貸人との間についても準用されます。したがって、転借人Cは、賃貸人Bに対して造作を時価で買い取るよう請求することができます。

88
Q

AはBと、B所有の甲建物につき、居住を目的として、期間3年、賃料月額20万円 と定めて賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という)を締結した。
本件契約が借地借家法第38条の定期建物賃貸借で、契約の更新がない旨を定めた場合でも、BはAに対し、同条所定の通知期間内に、期間満了により本件契約が終了する旨の通知をしなければ、期間3年での終了をAに対抗することができない。

A

正しい。 定期建物賃貸借では、通知期間内に、終了する旨の通知が必要。
定期建物賃貸借において、期間が1年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の1年前から6月前までの間(通知期間)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、原則として、その終了を建物の賃借人に対抗することができません。なお、建物の賃貸人は、通知期間の経過後、建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から6月を経過した後は、終了を対抗することができます。

89
Q

A所有の居住用建物(床面積50m²)につき、Bが賃料月額10万円、期間を2年として、賃貸借契約(借地借家法第38条に規定する定期建物賃貸借、同法第39条に規定する取壊し予定の建物の賃貸借及び同法第40条に規定する一時使用目的の建物の賃貸借を除く。以下この問において「本件普通建物賃貸借契約」という)を締結する場合と、同法第38条の定期建物賃貸借契約(以下この問において「本件定期建物賃貸借契約」という)を締結する場合について。
本件普通建物賃貸借契約でも、本件定期建物賃貸借契約でも、賃借人が造作買取請求権を行使できない旨の特約は、有効である。

A

正しい。 造作買取請求権をあらかじめ放棄する特約は、有効。

借地借家法の規定に反する特約で、建物の賃借人に不利なものは無効となるのが原則ですが、造作買取請求権をあらかじめ放棄する旨の特約は有効です。これは、普通建物賃貸借契約か定期建物賃貸借契約かに関係ありません。

90
Q

A所有の居住用建物(床面積50m²)につき、Bが賃料月額10万円、期間を2年として、賃貸借契約(借地借家法第38条に規定する定期建物賃貸借、同法第39条に規定する取壊し予定の建物の賃貸借及び同法第40条に規定する一時使用目的の建物の賃貸借を除く。以下この問において「本件普通建物賃貸借契約」という)を締結する場合と、同法第38条の定期建物賃貸 借契約(以下この問において「本件定期建物賃貸借契約」という)を締結する場合について。
本件普通建物賃貸借契約でも、本件定期建物賃貸借契約でも、賃料の改定についての特約が定められていない場合であって経済事情の変動により賃料が不相当になったときには、当事者は将来に向かって賃料の増減を請求することができる。

A

正しい。 賃料改定の特約がなければ、借賃増減請求ができる。
普通建物賃貸借契約においては、経済事情の変動により賃料が不相当となったとき、当事者が借賃の額の増減を請求することが認められています(借賃増減請求権)。また、定期建物賃貸借契約であっても、賃料改定について特約がない場合は、借賃増減請求権に関する規定が適用されます。したがって、 契約期間中に賃料が不相当になった場合、当事者は借賃の増減を請求することができます。

91
Q

A所有の居住用建物(床面積50m²)につき、Bが賃料月額10万円、期間を2年として、賃貸借契約(借地借家法第38条に規定する定期建物賃貸借、同法第39条に規定する取壊し予定の建物の賃貸借及び同法第40条に規定する一時使用目的の建物の賃貸借を除く。以下この問において「本件普通建物賃貸借契約」という)を締結する場合と、同法第38条の定期建物賃貸借契約(以下この問において「本件定期建物賃貸借契約」という)を締結する場合について。
本件普通建物賃貸借契約では、更新がない旨の特約を記載した書面を契約に先立って賃借人に交付しても当該特約は無効であるのに対し、本件定期建物賃貸借契約では、更新がない旨の特約を記載した書面を契約に先立って賃借人に交付さえしておけば当該特約は有効とな る。

A

誤り。 定期建物賃貸借では、書面の交付と説明が必要。
普通建物賃貸借契約では、契約の更新に関する規定が借地借家法上定められています。この規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは無効となりますから、普通建物賃貸借契約において、更新がない旨の特約は無効になります。他方、定期建物賃貸借の契約を締結しようとする場合、賃貸人は、あら かじめ賃借人に対し、契約の更新がなく、期間の満了により賃貸借が終了することについて、書面を交付して説明しなければなりません。したがって、書面を賃借人に交付するだけでは、更新がない旨の特約は有効となりません。なお、この事前説明は書面を交付したうえで、テレビ電話等のITを活用して行うことができます。

92
Q

A所有の居住用建物(床面積50m²)につき、Bが賃料月額10万円、期間を2年として、賃貸借契約(借地借家法第38条に規定する定期建物賃貸借、同法第39条に規定する取壊し予定の建物の賃貸借及び同法第40条に規定する一時使用目的の建物の賃貸借を除く。以下この問において「本件普通建物賃貸借契約」という)を締結する場合と、同法第38条の定期建物賃貸借契約(以下この問において「本件定期建物賃貸借契約」という)を締結する場合について。
本件普通建物賃貸借契約では、中途解約できる旨の留保がなければ賃借人は2年間は当該建物を借りる義務があるのに対し、本件定期建物賃貸借契約では、一定の要件を満たすのであれば、中途解約できる旨の留保がなくても賃借人は期間の途中で解約を申し入れることが できる。

A

正しい。 定期建物賃貸借では、一定の要件を満たせば中途解約可。
普通建物賃貸借契約の場合、中途解約できる旨の特約がない限り、契約期間中は賃借人から中途解約を申し入れることはできません。これに対して、定期建物賃貸借契約において、居住部分が200m²未満の居住用建物を目的とする場合、転勤、療養、親族の介護その他やむを得ない事情により、建物の賃借人が自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、契約期間中でも、賃借人から中途解約を申し入れることができます。

93
Q

建物の区分所有等について。管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない。

A

正しい。 管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない。

管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければなりません。

94
Q

建物の区分所有等について。区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができるが、この定数は規約で減ずることはできない。

A

誤り。 管理者に対する集会招集請求の定数は、規約で減ずることができる。

区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができます。ただし、この定数は、規約で減ずることができ ます。

95
Q

建物の区分所有等について。集会の招集の通知は、区分所有者が管理者に対して通知を受け取る場所をあらかじめ通知した場合には、管理者はその場所にあててすれば足りる。

A

正しい。 集会招集通知は、区分所有者の通知した場所にあててする。

集会の招集通知は、区分所有者が管理者に対して通知を受け取る場所をあらかじめ通知した場合には、管理者は、その指定された通知を受け取る場所にあてて通知すれば足ります。

96
Q

建物の区分所有等について。集会は、区分所有者全員の同意があれば、招集の手続を経ないで開くことができる。

A

正しい。 区分所有者全員の同意で、招集手続を省略できる。

集会は、区分所有者全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができます。

97
Q

不動産の登記について。新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に、所有権の保存の登記を申請しなければならない。

A

誤り。 新築した建物の取得→1月以内に表題登記の申請。

新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に、表題登記を申請しなければなりません。これに対して、所有権の保存の登記は、 権利に関する登記ですから、申請義務がありません。

98
Q

不動産の登記について。登記することができる権利には、抵当権及び賃借権が含まれる。

A

正しい。 登記できる権利には、抵当権や賃借権も含まれる。 登記は、不動産の表示又は不動産についての
1,所有権、2,地上権、3,永小作権、4,地役権、5,先取特権、6,質権、7,抵当権、8,賃借権、9,配偶者居住権、10,採石権、の保存・設定・移転・変更・処分の制限又は消滅について行います。
したがって、登記することができる権利には、抵当権や賃借権も含まれ ています。

99
Q

不動産の登記について。建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から1月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。

A

正しい。 建物の滅失→滅失の日から1月以内に滅失の登記の申請。

建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から1月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければなりません。

100
Q

不動産の登記について。区分建物の所有権の保存の登記は、表題部所有者から所有権を取得した者も、申請することができる。

A

正しい。 区分建物の所有権保存登記→表題部所有者からの所有権取得者も可。

区分建物にあっては、表題部所有者から所有権を取得した者も、所有権の保存の登記を申請することができます。