Season 2 Episode 3 Flashcards

1
Q

同時履行について。売買契約における目的物引渡債務と代金支払債務とは、同時履行の関係に立つ。

A

正しい。 売主の目的物引渡しと買主の代金支払は同時履行。

売買契約における売主の目的物引渡債務と買主の代金支払債務は、相互に対価(ほぼ等しい価値がある)関係にあり、原則として同時履行の関係に立ちます(民法 533 条、判例)。

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2
Q

同時履行について。目的物の引渡しを要する請負契約における目的物引渡債務と報酬支払債務とは、同時履行の関係に立つ。

A

正しい。 請負の目的物の引渡しと報酬支払は同時履行。

目的物の引渡しを要する請負契約における目的物の引渡債務と報酬支払債務は、同時履行の関係に立ちます。なお、目的物の引渡しを要しない請負契約の場合、報酬は原則として後払いとなります(633 条)。

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3
Q

同時履行について。貸金債務の弁済と当該債務の担保のために経由された抵当権設定登記の抹消登記手

続とは、同時履行の関係に立つ。

A

誤り。 債務の弁済と抵当権の抹消では、弁済が先。

貸金債務の弁済と、抵当権設定登記の抹消手続きとは、同時履行の関係に立ちません。先に貸金債務の弁済がなされることによって初めて、抵当権設定登記の抹消義務が生じるからです(判例)。

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4
Q

同時履行について。

売買契約が詐欺を理由として有効に取り消された場合における当事者双方の原状回復義務は、同時履行の関係に立つ。

A

正しい。 取消しによる原状回復は、同時履行。

詐欺を理由として売買契約が取り消された場合、当事者双方の原状回復義務は、同時履行の関係に立ちます(121 条、121 条の2、533 条、判例)。

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5
Q

A所有の土地を購入したBが、Aの債務不履行により、債務不履行に基づく損害賠償請求をする場合について。

損害賠償請求を受けたAは、自己の債務不履行について、帰責事由のないことを主張・立証すれば、免責される。

A

正しい。 帰責事由がなければ、債務不履行責任を負わない。

債務不履行による損害賠償責任は、債務者に帰責事由(故意または過失)がある場合に生じます。したがって、債務者が帰責事由のないことを主張・立証すれば、債務者は責任を負いません(民法 415 条)。

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6
Q

A所有の土地を購入したBが、Aの債務不履行により、債務不履行に基づく損害賠償請求をする場合について。

Aが、Bの過失を立証して、過失相殺の主張をしたとき、裁判所は、損害額の算定にその過失を考慮する。

A

正しい。 債務不履行は、必要的過失相殺。

債権者にも過失があるときは、裁判所は公平の見地から、これを考慮して損害賠償の責任およびその額を定めます(過失相殺、418 条)。

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7
Q

A所有の土地を購入したBが、Aの債務不履行により、債務不履行に基づく損害賠償請求をする場合について。

AB間で、損害賠償額を予定していた場合、裁判所は、賠償額の予定の合意が、暴利行為として公序良俗違反となる場合でも、賠償額の減額をすることができない。

A

誤り。 公序良俗違反の場合、予定額は無効となる。

特約をした損害賠償額の予定が公序良俗に反する場合は、その限度で無効となります。したがって、裁判所は公序良俗違反を理由に、賠償額の減額をすることができます(90 条、420条、判例)。

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8
Q

A所有の土地を購入したBが、Aの債務不履行により、債務不履行に基づく損害賠償請求をする場合について。

特別の事情によって生じた損害でも、Aがその事情を予見すべきであったときは、Bは、その賠償を請求することができる。

A

正しい。 特別事情の損害も、賠償請求できる場合がある。
特別の事情によって生じた損害は、当事者がその事情を予見すべきであったときは、賠償請求することができます(416 条、判例)。例えば、転売目的の不動産売買で、売主の引渡しが遅滞したことにより、転売価格が下落してしまった場合の下落分等が該当します。

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9
Q

Aは、A所有の土地を、Bに対し、1億円で売却する契約を締結し、手付金として 1,000 万円を受領した。Aは、決済日において、登記及び引渡し等の自己の債務の 履行を提供したが、Bが、土地の値下がりを理由に残代金を支払わなかったので、登記及び引渡しはしなかった。
Aは、この売買契約を解除せず、Bに対し、残代金の支払を請求し続けることができる。

A

正しい。 債権者は、解除と履行請求のどちらかを選択できる。

相手方が債務不履行に陥った場合、契約を解除するか、履行の請求をし続けるかは、債権者の意思によります。解除は選択肢のひとつにすぎません。したがって、Aは、解除を選択しないで、履行を請求し続けることができます。

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10
Q

Aは、A所有の土地を、Bに対し、1億円で売却する契約を締結し、手付金として 1,000 万円を受領した。Aは、決済日において、登記及び引渡し等の自己の債務の 履行を提供したが、Bが、土地の値下がりを理由に残代金を支払わなかったので、登記及び引渡しはしなかった。
Aは、この売買契約を解除するとともに、Bに対し、売買契約締結後解除されるまでの土地の値下がりによる損害を理由として、賠償請求できる。

A

正しい。 解除されるまでの値下がり分は、損害として請求できる。
契約を解除した場合、損害が発生していれば、あわせて損害賠償の請求をすることができます。契約の締結後、解除までの期間の土地の値下がり分は、売主Aの損害となりますから、 Aは、解除とともに、その損害について賠償請求をすることができます(民法 545 条)。

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11
Q

Aは、A所有の土地を、Bに対し、1億円で売却する契約を締結し、手付金として 1,000 万円を受領した。Aは、決済日において、登記及び引渡し等の自己の債務の 履行を提供したが、Bが、土地の値下がりを理由に残代金を支払わなかったので、登記及び引渡しはしなかった。
Bが、AB間の売買契約締結後、この土地をCに転売する契約を締結していた場合で、 Cがやはり土地の値下がりを理由としてBに代金の支払をしないとき、Bはこれを理由として、AB間の売買契約を解除することはできない。

A

正しい。 第三者の債務不履行を理由に、当事者間の契約は解除不可。

A→B→Cと土地が転売された場合、Bは、Aに債務不履行があれば、AB間の契約を解除することができますが、Cの債務不履行を理由にAB間の契約を解除することはできません。Cは、AB間の契約の当事者ではないからです。

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12
Q

Aは、A所有の土地を、Bに対し、1億円で売却する契約を締結し、手付金として 1,000 万円を受領した。Aは、決済日において、登記及び引渡し等の自己の債務の 履行を提供したが、Bが、土地の値下がりを理由に残代金を支払わなかったので、登記及び引渡しはしなかった。
Bが、AB間の売買契約締結後、この土地をCに転売する契約を締結していた場合、 Aは、AB間の売買契約を解除しても、Cのこの土地を取得する権利を害することはできない。

A

誤り。 解除前の第三者は、登記を備えれば保護される。

契約を解除すると、契約は最初にさかのぼって消滅しますが、登記を備えた第三者の権利を害することはできません。本肢では、第三者Cは、いまだ登記を備えていませんので、解除権者AはCに対して権利を主張することができます(545 条、判例)。

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13
Q

Aは、Bから土地建物を購入する契約(代金5,000万円、手付300万円、違約金 1,000 万円)を、Bと締結し、手付を支払ったが、その後資金計画に支障を来し、残代金を支払うことができなくなった。
「Aのローンが某日までに成立しないとき、契約は解除される」旨の条項がその契約にあり、ローンがその日までに成立しない場合は、Aが解除の意思表示をしなくても、 契約は効力を失う。

A

正しい。 記述のとおり。
難 契約解除権は、法が定めている場合(履行不能や履行遅滞の場合等)だけでなく、当事者間の約定によっても発生します(約定解除権)。本肢のように、「ローンが某日までに成立しないとき」に解除権が発生する旨を約定しておくこともできます。解除権が発生した場合、 契約の解除は意思表示により行いますが(民法 540 条)、本肢の特約によれば、ローンが成立しなければ、自動的に契約の効力は失われます。すなわち、特約により契約解除権が発生し、 かつ解除の意思表示も不要となるということです。

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14
Q

Aは、Bから土地建物を購入する契約(代金5,000万円、手付300万円、違約金 1,000 万円)を、Bと締結し、手付を支払ったが、その後資金計画に支障を来し、残代金を支払うことができなくなった。
Aは、Bが履行に着手する前であれば、中間金を支払っていても、手付を放棄して契約を解除し、中間金の返還を求めることができる。

A

正しい。 相手方が履行に着手していなければ、手付解除できる。
手付による契約の解除ができなくなるかどうかで問題となるのは、相手方が履行に着手したかどうかです(557 条、判例)。自分が履行に着手しているかどうかは、関係ありません。 本肢では、Aは中間金を支払っているので履行に着手していますが、相手方のBが履行に着手する前であれば、Aは手付により契約を解除できます。

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15
Q

Aは、Bから土地建物を購入する契約(代金5,000万円、手付300万円、違約金 1,000 万円)を、Bと締結し、手付を支払ったが、その後資金計画に支障を来し、残代金を支払うことができなくなった。
Aの債務不履行を理由に契約が解除された場合、Aは、Bに対し違約金を支払わなければならないが、手付の返還を求めることはできる。

A

正しい。 解除後は原状回復。

契約が解除された場合、当事者は原状回復義務を負います(545 条)。本肢の解除は債務不履行を理由とするものですので、BはAに手付を返還する義務を負います。したがって、AはBに対して手付の返還を求めることはできます。

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16
Q

Aは、Bから土地建物を購入する契約(代金5,000万円、手付300万円、違約金 1,000 万円)を、Bと締結し、手付を支払ったが、その後資金計画に支障を来し、残代金を支払うことができなくなった。
Aの債務不履行を理由に契約が解除された場合、Aは、実際の損害額が違約金よりも少なければ、これを立証して、違約金の減額を求めることができる。

A

誤り。 損害賠償額の予定をした場合、その予定額に拘束される。

損害賠償額の予定をした場合、当事者はその額に拘束されます。その後、予定した額を増減することはできません(420 条)。「違約金」を定めた場合も同様に扱われますので、「違約金の減額を求めることができる」とする本肢は誤りです。

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17
Q

AがBに対し、A所有の建物を売り渡し、所有権移転登記を行ったが、まだ建物の引渡しはしていない場合で、代金の支払いと引換えに建物を引き渡す旨の約定があるときについて。
代金の支払い及び建物の引渡し前に、その建物が地震によって全壊したときでも、Bは、Aに対して代金の支払いを拒むことはできない。

A

誤り。 引渡し前に地震で全部滅失→債務者が危険負担。
当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができます(民法 536 条)。本肢では、地震という当事者双方の責めに帰すことのできない事由によって債務を履行することができなくなっていますので、当該建物の引渡し債務に関する債権者である買主Bは、売主Aに対して、反対給付の履行である代金の支払いを拒むことができます。

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18
Q

AがBに対し、A所有の建物を売り渡し、所有権移転登記を行ったが、まだ建物の引渡しはしていない場合で、代金の支払いと引換えに建物を引き渡す旨の約定があるときについて。
代金の支払い及び建物の引渡し前に、その建物が地震によって全壊したときでも、Bは、この建物の売買契約を解除することができない。

A

誤り。 引渡し前に地震で一部損壊→債務者に帰責事由なくても解除可。

債務の全部の履行が不能であるときは、債権者は、催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができます(542 条)。この場合、債務者の責めに帰すべき事由は必ずしも必要ありません。

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19
Q

AがBに対し、A所有の建物を売り渡し、所有権移転登記を行ったが、まだ建物の引渡しはしていない場合で、代金の支払いと引換えに建物を引き渡す旨の約定があるときについて。
Aが自己の費用で建物の内装改修工事を行って引き渡すと約束していた場合で、当該工事着手前に建物がBの失火により全焼したときは、Aは、当該建物の引渡債務を免れるが、内装改修工事費相当額をBに対して償還しなければならない。

A

正しい。 自己の債務を免れて得た利益は、償還必要。
売主は、建物の引渡し債務を免れたことによって利益を得たときは、その利益を買主に償還する必要があります(536 条、判例)。本肢では、売主Aは建物の滅失によって内装改修工事費の支出を免れており、この利益を買主Bに償還する必要があります。したがって、Aは 内装改修工事費相当額をBに対して償還しなければなりません。

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20
Q

AがBに対し、A所有の建物を売り渡し、所有権移転登記を行ったが、まだ建物の引渡しはしていない場合で、代金の支払いと引換えに建物を引き渡す旨の約定があるときについて。
Bが代金の支払いを終え、建物の引渡しを求めたのにAが応じないでいる場合でも、建物が地震で全壊したときは、Bは、契約を解除して代金の返還を請求することができない。

A

誤り。 履行遅滞後、帰責事由なく目的物滅失→債務不履行の問題となる。
債務者が履行遅滞に陥った後に、債権者・債務者双方の責めに帰すことのできない事由で目的物が滅失し、その債務の履行が不能となったときは、その履行の不能は、債務者の責めに帰すべき事由によるものとみなされます(413 条の2)。したがって、Aは債務不履行責任を負いますので、Bは、Aに対して契約を解除して代金の返還を請求できます(543 条、545条)。

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21
Q

Aが、Bに対して不動産を売却し、所有権移転登記及び引渡しをした場合のBの代金の弁済について。

Bの友人Cが、Aに直接代金の支払いを済ませても、それがBの意思に反する弁済である場合には、Bの代金債務は消滅しない。

A

正しい。 正当な利益がなければ、債務者の意思に反して弁済できない。

弁済するについて正当な利益を有する者でない第三者は、債務者の意思に反して弁済することができません(民法 474 条)。本肢のCはBの「友人」にすぎず、正当な利益を有さないため、Cの弁済は無効であり、Bの債務は消滅しません。

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22
Q

Aが、Bに対して不動産を売却し、所有権移転登記及び引渡しをした場合のBの代金の弁済について。

Aが、Bに対し代金債権より先に弁済期の到来した別口の貸金債権を有する場合に、Bから代金債権の弁済として代金額の支払いを受けたとき、Aは、Bの意思に反しても、代金債権より先にその貸金債権に充当することができる。

A

誤り。 弁済の充当について合意のない場合、弁済者が指定する。
債務者が、ある債権者に対して複数の債務を負担する場合、弁済額がそのすべての債務を満足しないときには、弁済者は、給付の時において、その弁済を充当するべき債務を指定することができます(488 条)。債権者はこの指定に反して充当することはできません。したがって、弁済者「Bの意思に反しても」代金債権より先に貸金債権に充当できるとする本肢は誤りです。

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23
Q

Aが、Bに対して不動産を売却し、所有権移転登記及び引渡しをした場合のBの代金の弁済について。

Bが、「AからDに対して代金債権を譲渡した」旨記載された偽造の文書を持参した、取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有するDに弁済した場合で、Dに受領権限がないことにつきBが善意無過失であるとき、Bの弁済は有効になる。

A

正しい。 善意無過失でした弁済は有効。

受領権者以外の者であって、取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有するものに対してした弁済は、弁済者が善意かつ無過失であれば有効となります(478 条)。

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24
Q

Aが、Bに対して不動産を売却し、所有権移転登記及び引渡しをした場合のBの代金の弁済について。

Bの友人Eが、代金債務を連帯保証していたためAに全額弁済した場合、Eは、Aの承諾がないときでも、Aに代位する。

A

正しい。 保証人等は、代位する。

弁済をするについて正当の利益を有する者(連帯保証人等)は、弁済によって当然に債権者に代位します(500 条)。代位について、債権者の承諾は不要です。

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25
Q

AがBに対して300万円の金銭債権、BがAに対して300万円の同種の債権を有する場合の相殺(AB間に特約はないものとする)について。
Aの債権の弁済期が到来していなければ、Bは、Bの債権の弁済期が到来しても、相殺をすることができない。

A

誤り。 原則として自働債権が弁済期にあれば、相殺できる。
相殺は、原則として自働債権の弁済期が到来していれば、することができます(民法 505 条、
判例)。受働債権の弁済期が到来している必要はありません。本肢では、Bの債権の弁済期が到来すれば、原則としてBは相殺することができますので、本肢は誤りです。

ポイント:本肢ではBが相殺しようとしているので、Bの債権が自働債権、Aの債権が受働債権となります。逆に、Aが相殺しようとするなら、Aの債権が自働債権、Bの債権が受働債権となります。

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26
Q

AがBに対して300万円の金銭債権、BがAに対して300万円の同種の債権を有する場合の相殺(AB間に特約はないものとする)について。
CがAの債権を差し押さえた後、BがAに対する債権を取得したときは、Bは、その取得した債権による相殺をもってCに対抗することはできない。

A

正しい。 差押え後に取得した債権による相殺をもって、差押債権者に対抗できない。
差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え後に取得した債権による相殺をもって、差押債権者に対抗することができません(511 条)。本肢では、B(第三債務者)が債権を取得する前に、C(差押債権者)がAの債権を差押えているため、Bは相殺の主張をCにすることができません。

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27
Q

AがBに対して300万円の金銭債権、BがAに対して300万円の同種の債権を有する場合の相殺(AB間に特約はないものとする)について。
Aの債権が、Bの悪意の不法行為によって発生したものであるときには、Bは、Bの債権をもって相殺をすることができない。

A

正しい。 加害者からの相殺の禁止。
不法行為により発生した債権(不法行為に基づく損害賠償請求権)については、これを受働債権として加害者から相殺することは、
1,損害賠償債権が悪意による不法行為に基づく場 合、
2,損害賠償債権が人の生命または身体の侵害による場合は、できません。
したがって、 悪意の不法行為の加害者であるBから相殺することはできません(509 条)。

ポイント:不法行為により発生した債権も、これを自働債権として被害者から相殺することはできることに注意しましょう。

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28
Q

AがBに対して300万円の金銭債権、BがAに対して300万円の同種の債権を有する場合の相殺(AB間に特約はないものとする)について。
相殺の意思表示には、条件又は期限を付することができない。

A

正しい。 相殺の意思表示には、条件または期限を付けることはできない。

相殺の意思表示に、条件または期限を付けることはできません(506 条)。

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29
Q

買主Aは、売主Bと土地の売買契約を締結し、手付を交付したが、手付について、AB間で別段の定めをしていない。

Bは、手付の倍額を現実に提供すれば、いつでも契約を解除することができる。

A

誤り。 相手方が履行に着手した後は、手付解除できない。

相手方が履行に着手した後は、手付による解除はできなくなります(民法 557 条)。したがって、「いつでも」契約を解除できるとする本肢は誤りです。

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30
Q

買主Aは、売主Bと土地の売買契約を締結し、手付を交付したが、手付について、AB間で別段の定めをしていない。

Aは、Bの債務不履行を理由に契約を解除したときは、損害賠償を請求することができるが、その額は手付の倍額である。

A

誤り。 本肢のような規定はない。

債務不履行による解除と手付による解除は別です。債務不履行に基づく損害賠償請求額と手付の金額とは、関係ありません。

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31
Q

買主Aは、売主Bと土地の売買契約を締結し、手付を交付したが、手付について、AB間で別段の定めをしていない。

Aは、Bが契約の履行に着手するまでは、手付を放棄して契約を解除することができる。

A

正しい。 相手方が履行に着手していなければ、手付解除できる。

相手方が履行に着手した後は、手付による解除はできなくなります(557 条)。相手方が履行に着手する前であれば、買主は、手付を放棄して契約を解除できます。

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32
Q

買主Aは、売主Bと土地の売買契約を締結し、手付を交付したが、手付について、AB間で別段の定めをしていない。

Aは、自ら契約の履行に着手しているときは、手付を放棄して契約を解除することはできない。

A

誤り。 相手方が履行に着手していなければ、手付解除できる。

手付による解除ができなくなるのは、相手方が履行に着手した場合です(557 条、判例)。自分が履行に着手しているかどうかは、関係ありません。

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33
Q

買主Aと売主Bとの間で建物の売買契約を締結し、AはBに手付を交付したが、その手付は解約手付である旨約定した。

手付の額が売買代金の額に比べて僅少である場合には、本件約定は、効力を有しない。

A

誤り。 額が僅少でも、解約手付として有効。

本肢では、当事者間において、手付を解約手付であると約定しています。したがって、その額が僅少であっても、解約手付としての効力を有します(民法 557 条、判例)。

34
Q

買主Aと売主Bとの間で建物の売買契約を締結し、AはBに手付を交付したが、その手付は解約手付である旨約定した。

Aが、売買代金の一部を支払う等売買契約の履行に着手した場合は、Bが履行に着手していないときでも、Aは、本件約定に基づき手付を放棄して売買契約を解除することができない。

A

誤り。 手付解除は、相手方が履行に着手するまで。

相手方が履行に着手すれば、解約手付による解除をすることはできません。本肢では、A 自らが契約の履行に着手したに過ぎず、いまだ相手方Bは履行に着手していないので、解約手付による解除ができます(判例)。

35
Q

買主Aと売主Bとの間で建物の売買契約を締結し、AはBに手付を交付したが、その手付は解約手付である旨約定した。

Aが本件約定に基づき売買契約を解除した場合で、Aに債務不履行はなかったが、Bが手付の額を超える額の損害を受けたことを立証できるとき、Bは、その損害全部の賠償を請求することができる。

A

誤り。 手付解除の場合、別途損害賠償請求はできない。

解約手付により解除した場合は、債務不履行による解除とは異なりますので、損害賠償請求権は発生しません。したがって、Bは、手付の額を超える額の損害を受けたことを立証したとしても、損害賠償請求をすることはできません(民法 557 条)。

36
Q

買主Aと売主Bとの間で建物の売買契約を締結し、AはBに手付を交付したが、その手付は解約手付である旨約定した。

Bが本件約定に基づき売買契約を解除する場合は、Bは、Aに対して、単に口頭で手付の額の倍額を償還することを告げて受領を催告するだけでは足りず、これを現実に提供しなければならない。

A

正しい。 手付解除では、現実の提供が必要である。

手付は、買主から売主に現実に交付されているのが通常です。したがって、公平にするため、売主が手付により契約を解除するためには、手付の倍額を現実に提供することを要します(557 条)。

37
Q

土地の売買契約について。その土地が第三者の所有であって、当該第三者に譲渡の意思がないときは、契約は無効となる。

A

誤り。 他人物売買も有効。 他人物売買も契約として有効です。なお、他人の権利(権利の一部が他人に属する場合におけるその権利の一部を含む)を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負います(民法 561 条)。

38
Q

土地の売買契約について。その土地の8割が都市計画街路の区域内にあることが容易に分からない状況にあ

り、契約の内容に適合しない場合であっても、買主は、当該契約を解除することができない。

A
誤り。 契約内容不適合→契約の解除ができる。
引き渡された目的物が種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しない場合や、売主が買主に移転した権利が契約の内容に適合しないものである場合は、買主は、
1,追完請求、
2,代金減額請求、
3,契約の解除、
4,損害賠償の請求
をすることができます(562 条~565 条)。
39
Q

土地の売買契約について。その土地に権利を主張する者がいて、買主が買い受けた土地の所有権の一部を失うおそれがあるときは、買主は、売主が相当の担保を提供しない限り、その危険の程度に応じて代金の一部の支払いを拒むことができる。

A

正しい。 権利を失うおそれがある場合の買主による代金の支払の拒絶。
売買の目的について権利を主張する者があることその他の事由により、買主がその買い受けた権利の全部若しくは一部を取得することができず、または失うおそれがあるときは、買主は、その危険の程度に応じて、代金の全部または一部の支払を拒むことができます。ただ し、売主が相当の担保を供したときは、この限りではありません(576 条)。
ポイント:本肢は正解肢ですが、細かい知識を問うものであり、難問といえます。

40
Q

土地の売買契約について。この土地に登記された抵当権が設定されており、契約の内容に適合しないもので

あった。その抵当権が実行されたため、買主が所有権を失った場合、買主は、当該契約を解除することができるが、損害賠償の請求をすることはできない。

A
誤り。 契約内容不適合(抵当権)→買主は「損害賠償請求」ができる。
売主が買主に移転した権利が契約の内容に適合しない場合、買主は、
1,追完請求、
2,代金・減額請求、
3,契約の解除、
4,損害賠償請求
をすることができます(564 条、565 条)。
41
Q

売主Aと買主Bとの間に土地300m²を1m²当たり5万円として売買契約が成立した。売主の担保責任について。

その土地がAのものではなくCのものであった場合で、Aがこれを取得してBに移転できなかったときは、Bは、契約を解除することができる。

A

正しい。 全部他人物→買主は「契約の解除」ができる。
他人の権利を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負います。そして、売主がこの義務を履行することができない場合、買主は、契約の解除をすることができます。なお、契約の解除は、売主に帰責事由がなくてもすることができます(民法 561 条、542 条)。

42
Q

売主Aと買主Bとの間に土地300m²を1m²当たり5万円として売買契約が成立した。売主の担保責任について。

その土地の一部(100m²)がAのものではなくCのものであった場合で、契約の内容に適合しないときは、Bは、代金の減額を請求することができるが、不足分の引渡しによる履行の追完を請求することはできない。

A

誤り。 契約内容不適合(一部他人物)→買主は「追完請求」・「代金減額請求」ができる。
売主が買主に移転した権利が契約の内容に適合しない場合(一部他人物売買において、売主がその一部の買主に移転できないときを含む)、買主は、
1,追完請求、
2,代金減額請求、
3,契約の解除、
4,損害賠償請求
をすることができます(562 条~565 条)。

43
Q

売主Aと買主Bとの間に土地300m²を1m²当たり5万円として売買契約が成立した。売主の担保責任について。

その土地を実測したところ200m²しかなく、契約の内容に適合しなかった。この場合、Bは、相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。

A

正しい。 契約内容不適合(数量不足)→買主は「代金減額請求」ができる。
引き渡された目的物が種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しないものである場合、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができます。なお、一定の場合には、買主は、催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求することができます (563 条)。

44
Q

売主Aと買主Bとの間に土地300m²を1m²当たり5万円として売買契約が成立した。売主の担保責任について。

その土地にCが登記済の地上権を有していて、契約の内容に適合しない場合、Bは、契約を解除することができる。

A
正しい。 契約内容不適合(用益的権利)→買主は「契約の解除」ができる。
売主が買主に移転した権利が契約の内容に適合しない場合、買主は、
1,追完請求、
2,代金減額請求、
3,契約の解除、
4,損害賠償請求
をすることができます(562 条~565 条)。
45
Q

Аが、BからB所有の土地付中古建物を買い受けて引渡しを受けたが、建物の主要な構造部分に欠陥があり、契約の内容に適合しないものであった。
Aが、この欠陥の存在を知らないまま契約を締結した場合、Bの担保責任を追及して契約の解除を行うことができるのは、欠陥が存在するために契約を行った目的を達成することができない場合に限られる。

A

誤り。 契約の目的を達成できない場合でも、契約の解除はできる。 解除権の行使は、不適合により契約をした目的を達することができるか否かは問いません
(民法 540 条)。

45
Q

Аが、BからB所有の土地付中古建物を買い受けて引渡しを受けたが、建物の主要な構造部分に欠陥があり、契約の内容に適合しないものであった。
Aが、この欠陥の存在を知らないまま契約を締結した場合、Aがその不適合を知った時から1年以内にその旨をBに通知しないときは、АはBに対して担保責任を追及することができなくなる。

A

正しい。 担保責任の追及期間は「知った時から1年」。
売主が種類または品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を「知った時から1年以内」にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、売主に対して担保責任(追完請求・代金減額請求・損害賠償 請求・解除)を追及することができません。(566 条)。

46
Q

Аが、BからB所有の土地付中古建物を買い受けて引渡しを受けたが、建物の主要な構造部分に欠陥があり、契約の内容に適合しないものであった。
Aが、この欠陥の存在を知らないまま契約を締結した場合であっても、Aは、Bに対して目的物の修補による履行の追完を請求することができない。

A

誤り。 契約内容不適合の場合、履行の追完を請求できる。

引き渡された目的物が種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しないものである場合、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡しまたは不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができます(562 条)。

47
Q

Аが、BからB所有の土地付中古建物を買い受けて引渡しを受けたが、建物の主要な構造部分に欠陥があり、契約の内容に適合しないものであった。
AB間の売買契約が、宅地建物取引業者Cの媒介により契約締結に至ったものである 場合、Aは、Bに対して担保責任が追及できるのであれば、Cに対しても担保責任を追及することができる。

A

誤り。 媒介業者は、担保責任を負わない。

担保責任は、「売主」が負う責任です。本肢のCは売主ではなく、AB間の売買契約を媒介した者であるにすぎないため、Aに対して担保責任を負うことはありません。

48
Q

Aは、自己所有の甲建物(居住用)をBに賃貸し、引渡しも終わり、敷金50 万円を受領した。
賃貸借が終了した場合、AがBに対し、社会通念上通常の使用をした場合に生じる通常損耗について原状回復義務を負わせることは、補修費用を負担することになる通常損耗の範囲が賃貸借契約書の条項自体に具体的に明記されているなど、その旨の特約が明確に合意されたときでもすることができない。

A

誤り。 通常損耗の回復義務を借主に負わせる特約は、可能。
賃借人は、社会通念上通常の使用をした場合に生じる損耗(通常損耗)については、原状回復義務を負わないのが原則です。しかし、契約において、通常損耗についても賃借人が原状回復義務を負う旨の特約が明確に合意された場合には、賃借人は原状回復義務を負います (民法 621 条、判例)。

49
Q

Aは、自己所有の甲建物(居住用)をBに賃貸し、引渡しも終わり、敷金50 万円を受領した。

Aが甲建物をCに譲渡し、所有権移転登記を経た場合、Bの承諾がなくとも、敷金が存在する限度において、敷金返還債務はAからCに承継される。

A

正しい。 賃貸人の交替の場合、敷金関係は承継される。

賃貸人が建物を譲渡し、譲受人に所有権の移転登記がなされた場合、賃貸人としての地位も譲受人に承継されます。そして、敷金が存在する限度において、敷金返還債務も旧賃貸人Aから新賃貸人Cに承継されます(605 条の2)。

50
Q

Aは、自己所有の甲建物(居住用)をBに賃貸し、引渡しも終わり、敷金50 万円を受領した。

BがAの承諾を得て賃借権をDに移転する場合、賃借権の移転合意だけでは、敷金返還請求権(敷金が存在する限度に限る)はBからDに承継されない。

A

正しい。 賃借人の交替の場合、敷金関係は承継されない。

賃貸人Aの承諾を得て賃借権が譲渡され、賃借人がBからDへ変わったとしても、敷金返還請求権は、新賃借人Dには、原則として承継されません(622 条の2)。

51
Q

Aは、自己所有の甲建物(居住用)をBに賃貸し、引渡しも終わり、敷金50 万円を受領した。
甲建物の抵当権者がAのBに対する賃料債権につき物上代位権を行使してこれを差し押さえた場合においても、その賃料が支払われないまま賃貸借契約が終了し、甲建物 がBからAに明け渡されたときは、その未払賃料債権は敷金の充当により、その限度で消滅する。

A

正しい。 物上代位した賃料債権も、敷金充当の限度で消滅。

抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権を差し押さえた場合でも、その賃料が支払われないまま賃貸借契約が終了し、賃借物件が賃貸人に明け渡されたときは、その未払賃料債権は敷金から充当されることにより、その限度で消滅します(622 条の2、判例)。

52
Q

Aは、その所有する建物を明らかな一時使用(期間2年)のためBに賃貸したが、Bは期間満了後も居住を続け、Aも、その事実を知りながら異議を述べなかった。
Aは、期間満了を理由に、Bに対し、直ちに明渡し請求をすることができる。

A

誤り。 黙示の更新により、期間の定めのない賃貸借として存続する。
期間の定めのある賃貸借は、期間満了により終了します。当事者間の合意により契約の更新は可能ですが、その合意がない場合、期間満了後に賃借人が目的物の使用収益を継続しているにもかかわらず、これを知って賃貸人が異議を述べないときは、前と同一の条件で更新したものと推定され、期間については定めのないものとなります(黙示の更新、民法 619 条)。 本問では、「Bは期間満了後も居住を続け、Aも、その事実を知りながら異議を述べなかった」 という前提ですので、賃貸借契約は更新され存続しています。したがって、「Aは、期間満了を理由に、Bに対し、直ちに明渡し請求をすることができる」とする本肢は誤りです。

53
Q

Aは、その所有する建物を明らかな一時使用(期間2年)のためBに賃貸したが、Bは期間満了後も居住を続け、Aも、その事実を知りながら異議を述べなかった。
Aは、正当事由のある場合に限り解約し、Bに対し、直ちに明渡し請求をすることができる。

A

誤り。民法では、正当事由不要。

民法上の賃貸借では、解約申入れに「正当事由」の存在は要求されません。「賃貸人」からの解約申入れであっても同様です。

54
Q

Aは、その所有する建物を明らかな一時使用(期間2年)のためBに賃貸したが、Bは期間満了後も居住を続け、Aも、その事実を知りながら異議を述べなかった。
Aは、正当事由のない場合でも解約の申入れをし、Bに対し、その3ヵ月後に明渡し請求をすることができる。

A

正しい。 民法の建物賃貸借では、解約申入れから3ヵ月後に契約は終了する。

期間の定めのない賃貸借は、当事者はいつでも解約の申入れをすることができ、建物賃貸借の場合は申入れの日から3ヵ月経過後に終了します(617 条)。民法上の賃貸借では、賃貸人からの解約申入れに正当事由の存在は要求されません。

55
Q

Aは、その所有する建物を明らかな一時使用(期間2年)のためBに賃貸したが、Bは期間満了後も居住を続け、Aも、その事実を知りながら異議を述べなかった。
Aは、正当事由のある場合に限り解約の申入れをし、Bに対し、その6ヵ月後に明渡し請求をすることができる。

A

誤り。 民法の建物賃貸借では、解約申入れから3ヵ月後に契約は終了する。

上記肢3の解説参照。本肢は「正当事由のある場合に限り」とする点と、「6ヵ月後に」とする点で、誤りです。

56
Q

借主Aは、B所有の建物について貸主Bとの間で賃貸借契約を締結し、敷金として賃料2カ月分に相当する金額をBに対して支払ったが、当該敷金についてBによる賃料債権への充当はされていない。
賃貸借契約が終了した場合、建物明渡しと敷金返還とは同時履行の関係に立たず、A の建物明渡しはBから敷金の返還された後に行えばよい。

A

誤り。 敷金の返還よりも、建物の明渡しが先である。

敷金は、建物明渡し完了までの損害を担保しますから、Aの建物の明渡しは、Bの敷金返還よりも先に履行されなければなりません(判例)。

57
Q

借主Aは、B所有の建物について貸主Bとの間で賃貸借契約を締結し、敷金として賃料2カ月分に相当する金額をBに対して支払ったが、当該敷金についてBによる賃料債権への充当はされていない。
賃貸借契約期間中にBが建物をCに譲渡した場合で、Cが賃貸人の地位を承継したとき、敷金に関する権利義務は当然にCに承継される。

A

正しい。 賃貸人の交替の場合、敷金関係は承継される。
賃貸借契約の存続中に建物が譲渡され、これに伴って賃貸人たる地位も建物譲受人Cに承継された場合、敷金に関する権利義務関係は、特約がなければ、当然に譲受人Cに移転します。したがって、借主Aは、Cに敷金の返還を請求することができます(民法 605 条の2)。

58
Q

借主Aは、B所有の建物について貸主Bとの間で賃貸借契約を締結し、敷金として賃料2カ月分に相当する金額をBに対して支払ったが、当該敷金についてBによる賃料債権への充当はされていない。
賃貸借契約期間中にAがBの承諾のもと、Dに対して賃借権を譲渡した場合、敷金に関する権利義務は当然にDに承継される。

A

誤り。 賃借人の交替の場合、敷金関係は承継されない。

賃借権が適法に譲渡された場合であっても、敷金は、別段の合意がない限り、新賃借人Dには引き継がれません(622 条の2)。

59
Q

借主Aは、B所有の建物について貸主Bとの間で賃貸借契約を締結し、敷金として賃料2カ月分に相当する金額をBに対して支払ったが、当該敷金についてBによる賃料債権への充当はされていない。
賃貸借契約が終了した後、Aが建物を明け渡す前に、Bが建物をEに譲渡した場合で、 BE間でEに敷金を承継させる旨を合意したとき、敷金に関する権利義務は当然にEに承継される。

A

誤り。 賃貸借契約終了後の所有者の交替では、敷金は承継されない。

賃貸借契約終了後においては、建物の譲渡人Bと譲受人Eとの間の合意のみでは、敷金に関する権利義務関係は移転しません。賃貸借が終了しているのに、これと付随する敷金関係のみを承継させるのは妥当ではないからです(判例)。

60
Q

AがBの所有地を賃借して、建物を建てその登記をしている場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
Bがその土地をCに譲渡する場合、賃貸人の義務の移転を伴うから、Bは、その譲渡についてAの承諾を必要とする。

A

誤り。 賃貸人の地位の移転に、賃借人の承諾を得る必要はない。 賃貸借の目的物である土地が譲渡された場合、原則として所有権の移転とともに賃貸人た
る地位(賃貸人としての一切の権利義務)も譲受人に移転します。しかし、その場合、賃借 人の承諾を得る必要はありません(民法 605 条の2)。したがって、BはAの承諾を得る必要はありません。

61
Q

AがBの所有地を賃借して、建物を建てその登記をしている場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
Aがその建物をDに譲渡する場合、特別の事情のない限り、Aは、Dに対する敷地の賃借権譲渡についてBの承諾を得る必要がある。

A

正しい。 借地上の建物を譲渡するには、賃貸人の承諾が必要。
借地上の建物の売買契約が締結された場合には、特段の事情のない限り、売主は買主に対し敷地の賃借権をも譲り渡したものと認められます(民法 612 条、判例)。したがって、Aは、 Dに対する土地賃借権譲渡について、Bの承諾を得る必要があります(612 条、判例)。

62
Q

AがBの所有地を賃借して、建物を建てその登記をしている場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
EがBからその土地の譲渡を受けた場合、Eは、登記を移転していなくても賃貸人たる地位の取得をAに対抗することができる。

A

誤り。 新賃貸人が賃貸人たる地位を主張するには、所有権移転登記が必要。
賃貸人から土地を譲り受けた者が、賃借人に対して賃貸人たる地位を主張する(賃料請求) ためには、所有権移転登記を備える必要があります(605 条の2)。したがって、Eは登記を 移転しなければ、賃貸人たる地位の取得をAに対抗することはできません。

63
Q

AがBの所有地を賃借して、建物を建てその登記をしている場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
FがAからその建物を賃借する場合、特別の事情がない限り、Fは、その賃借についてBの承諾を得なければならない。

A

誤り。 借地上の建物を賃貸するには、賃貸人の同意は不要。

賃借人が賃借地上に築造した建物を第三者に賃貸しても、賃借地を第三者に転貸したことにはなりません(612 条、判例)。したがって、FはBの承諾を得る必要はありません。

64
Q

請負契約について。請負契約の目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものである

ときであっても、注文者は、損害賠償の請求をすることができない。

A
誤り。 契約内容不適合→
1,追完請求、
2,報酬減額請求、
3,損害賠償、
4,契約の解除。 
仕事の目的物が種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しない場合、注文者は、損害賠償の請求をすることができます(民法 559 条、564 条、415 条)。
65
Q

請負契約について。請負契約の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないものであるとき は、注文者は、引渡しを受けた後1年内であれば、いつでもその契約を解除することができる。

A

誤り。 注文者は、不適合を「知った時から1年以内」に通知しないと、担保責任の追及不可。

仕事の目的物が種類または品質に関して契約の内容に適合しない場合、注文者は、その不適合を「知った時から1年以内」に、その旨を請負人に通知しないと、担保責任を追及することができなくなります。(559 条、566 条、637 条)。

66
Q

請負契約について。請負契約の目的物が建物その他土地の工作物である場合、注文者は、目的物が種類、

品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであることを理由に、請負契約を解除することができる。

A
正しい。 契約内容不適合→
1, 追完請求、
2, 報酬減額請求、
3, 損害賠償、
4, 契約の解除。 
仕事の目的物が種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しない場合、注文者は、 契約を解除することができます(559 条、564 条、415 条)。
これは、目的物が建物その他土地の工作物であっても同様です。
67
Q

請負契約について。請負人は、仕事が完成する前であれば、いつでも、損害を賠償して請負契約を解除す

ることができる。

A

誤り。 解除権を有するのは、注文者。

注文者は、請負人が仕事を完成しない間は、いつでも損害を賠償して請負契約を解除できます(641 条)。解除権を有するのは注文者であり、請負人に解除権はありません。

68
Q

Aは、建築業者Bとの間に、Aを注文者、Bを請負人とするAの自宅の建築請負契約を締結した。

Bは、Aの自宅の建築請負に関し、自ら建築業者Cを請負人として使い、当該建物を完成させることができる。

A

正しい。 いわゆる「下請け」も認められる。 請負人は、仕事を完成させる義務を負いますが、下請負人を使うことも認められています(判例)。

69
Q

Aは、建築業者Bとの間に、Aを注文者、Bを請負人とするAの自宅の建築請負契約を締結した。

Aは、特約がなければ、完成した住宅の引き渡しと同時に、報酬を支払えばよい。

A

正しい。 報酬の支払いと目的物の引渡しは、同時履行。

請負契約における注文者の報酬支払義務と請負人の完成物引渡し義務は、同時履行の関係に立ちます(民法 633 条)。

70
Q

Aは、建築業者Bとの間に、Aを注文者、Bを請負人とするAの自宅の建築請負契約を締結した。

完成した建物に瑕疵がある場合、Aの報酬支払債務の履行と、Bの損害賠償支払債務の履行は、同時履行の関係に立つ。

A

正しい。 報酬支払債務の履行と、損害賠償支払債務の履行は、同時履行。

請負契約における注文者の報酬支払債務の履行と、請負人の損害賠償支払債務の履行は、同時履行の関係に立ちます(634 条、533 条、判例)。

71
Q

Aは、建築業者Bとの間に、Aを注文者、Bを請負人とするAの自宅の建築請負契約を締結した。

完成した建物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、Aは、当該請負契約を解除することができない。

A

誤り。 契約内容不適合→
1, 追完請求、2, 報酬減額請求、3, 損害賠償、4, 契約の解除。
仕事の目的物が種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しない場合、注文者は、 契約を解除することができます(559 条、564 条、415 条)。これは、完成した建物であっても同様です。

72
Q

Aが、A所有の不動産の売買をBに対して委任する場合について。なお、A及びBは宅地建物取引業者ではないものとする。

不動産のような高価な財産の売買を委任する場合には、AはBに対して委任状を交付しないと、委任契約は成立しない。

A

誤り。 委任契約の成立に、書面は不要。

委任状の交付がなくても、委任者と受任者の意思表示の合致さえあれば、委任契約は成立します(民法 643 条)。

73
Q

Aが、A所有の不動産の売買をBに対して委任する場合について。なお、A及びBは宅地建物取引業者ではないものとする。

Bは、委任契約をする際、有償の合意をしない限り、報酬の請求をすることができないが、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、その費用とその利息は、Aに請求することができる。

A

正しい。 委任契約は原則無償だが、費用と利息は請求できる。

受任者は、有償の合意がない限り、委任者に報酬を請求することができません。もっとも、 委任事務処理のために必要と認められる費用とその利息は、委任者に請求することができます(648 条、650 条)。

74
Q

Aが、A所有の不動産の売買をBに対して委任する場合について。なお、A及びBは宅地建物取引業者ではないものとする。

Bが当該物件の価格の調査など善良な管理者の注意義務を怠ったため、不動産売買についてAに損害が生じたとしても、報酬の合意をしていない場合には、AはBに対して損害賠償の請求をすることができない。

A

誤り。 受任者は、善管注意義務を負う。
受任者は、有償・無償にかかわらず、委任の本旨に従って、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理しなければなりません。したがって、受任者Bがこの義務に違反したことにより委任者Aに損害が生じれば、AはBに対し、損害賠償請求をすることができます(644 条)。

75
Q

Aが、A所有の不動産の売買をBに対して委任する場合について。なお、A及びBは宅地建物取引業者ではないものとする。

委任はいつでも解除することができるから、有償の合意があり、売買契約成立寸前にAが理由なく解除してBに不利益を与えたときでも、BはAに対して損害賠償を請求す ることはできない。

A

誤り。 相手方に不利な時期の解除では、損害賠償が必要。

委任契約の当事者は、いつでも任意に契約を解除することができますが、相手方に不利な時期に契約を解除したときは、原則として、発生した損害を賠償しなければなりません(651 条)。

76
Q

Aは、その所有する土地について、第三者の立入り防止等の土地の管理を、 当該管理を業としていないBに対して委託した。

Bが無償で本件管理を受託している場合は、「善良な管理者の注意」ではなく、「自己の財産におけるのと同一の注意」をもって事務を処理すれば足りる。

A

誤り。 受任者は、善管注意義務を負う。

委任契約においては、受任者は、報酬の有無にかかわらず、委託された事務について善良な管理者の注意をもって委任事務の処理をしなければなりません(民法 644 条)。

77
Q

Aは、その所有する土地について、第三者の立入り防止等の土地の管理を、 当該管理を業としていないBに対して委託した。

Bが無償で本件管理を受託している場合は、Bだけでなく、Aも、いつでも本件管理委託契約を解除することができる。

A

正しい。 委任者も受任者も、いつでも契約を解除できる。

委任契約における各当事者は、委任契約をいつでも解除できます(651 条)。なお、当事者の一方が、相手方に不利な時期に解除したときは、やむを得ない事由があるときを除き、損害を賠償する必要があります(651 条)。

78
Q

Aは、その所有する土地について、第三者の立入り防止等の土地の管理を、 当該管理を業としていないBに対して委託した。

Bが有償で本件管理を受託している場合で、本件管理委託契約が履行の中途で終了したときは、Bは、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる。

A

正しい。 委任が中途終了しても、既履行割合に応じて報酬請求権あり。

委任が履行の中途で終了したときは、受任者は、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができます(648 条)。

79
Q

Aは、その所有する土地について、第三者の立入り防止等の土地の管理を、 当該管理を業としていないBに対して委託した。

Bが有償で本件管理を受託している場合で、Bが死亡したときは、本件管理委託契約は終了し、Bの相続人は、当該契約の受託者たる地位を承継しない。

A

正しい。 委任契約は、委任者または受任者の死亡によって終了する。
委任契約は、委任者または受任者の死亡によって終了します(653 条)。そのため、受任者が死亡した場合、その時点で委任契約は終了しますので、受任者の地位は相続人に承継されません。なお、委任契約は上記の終了事由の他、委任者または受任者の破産手続開始決定、 受任者が後見開始の審判を受けたことによっても終了します(653 条)。